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「共働き家族の暮らしと意識に関する調査」について
—夫婦共フルタイムで働く子育て家族の傾向—

2014年2月5日
株式会社住環境研究所

 積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:髙下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治、千代田区神田須田町1-1)は、このほど「共働き家族の暮らしと意識に関する調査」を行いました。共働き世帯の数は2013年で1078万世帯(専業主婦の世帯761万世帯)※。この数年は減少~横ばい傾向にありましたが、増加傾向に転じています。

今回の調査は、共働き家族の中でも、夫婦ともフルタイムで働く子育て家族に着目し、暮らしと住まいの意識や実態を明らかにするために、妻がパートタイム勤務の家族および専業主婦の家族との比較調査を行いました。本調査(インターネット調査)に先立ち、「生活観察調査」(夕方~子供就寝時頃の生活を直接観察するとともに朝はLDKと洗面所にビデオカメラを設置して撮影、1週間の生活日記調査を併用)と「訪問ヒアリング調査」を実施し、共働き家族の潜在的な欲求を探った上で本調査を実施しました。

※総務省「労働力調査2013年」より算出(共働き世帯…夫婦雇用者世帯、専業主婦世帯…夫雇用者・妻無業者世帯)

■調査結果のポイント

1.働くママは「働いていたい」

 働くママ(フルタイム、パートタイム勤務)は、「就業は自分に合っている、できれば就業していたい」と思っている比率が高く、フルタイム勤務のママで72%、パートタイム勤務のママ64%が就業していたいと思っている。夫よりも就業意識が高いのが注目される。

2.「時間的ゆとり」がない。増やしたいのは「家族の時間」が特徴的

 フルタイム勤務のママの約半数は、普段の生活で「時間的ゆとりがない」と思っており、「自分の時間」と「家族の時間」を増やしたいという「時間のゆとり願望」が強い。パートタイム勤務・専業主婦のママに比べると特に「家族の時間」を増やしたい傾向が顕著。

3.フルタイム家族の家事は「メリハリ」「分担」「オープン」が特徴的

 ママがフルタイム勤務の家族は、洗濯はほぼ毎日行っているが、掃除・片付けは週に1~2回、休日に掃除・片付けを集中的に行うなど、家事に「メリハリ」がある。また、他の家族に比べ、夫が何かしらの家事を行っている比率が高いなど、夫が家事をより「分担」しており、家事は<家族みんなで一緒に><家族の居場所と同じ空間で>行いたい意向がより高く、家族と一緒の「オープン」な家事スタイルを望む傾向がみられる。

4.気がかりは 「子供の病気」「子供だけの留守番」など 『子供』に関すること

 共働き家族(ママがフルタイム、パートタイム勤務をしている)の困りごと・心配ごとの多くは子供に関すること。中でも心配なのが「子供が病気なった時の対応」、次いで「留守中の防犯・子供だけの留守番」。

■調査概要

<本調査(インターネット調査)>
調査対象:全国の持家戸建居住の核家族、末子中学生以下の子を持ち、夫がフルタイム勤務の25~49才の夫婦1,854名(妻1,030名、夫824名)

<内訳>
(1)妻がフルタイム勤務の夫婦1,030名(妻618名、夫412名)
(2)妻がパートタイム勤務の夫婦412名(妻206名、夫206名)
(3)妻が専業主婦の夫婦412名(妻206名、夫206名)
※各層、末子年齢「未就学児」「小中学生」が半々
調査時期:2013年10月
追加調査:2013年12月に実施。回答者1,718名(回答率92.7%)

<生活観察調査>(本調査の前に実施)
調査手法:(1).夕方~夜(帰宅~子供就寝頃までの3~4時間)調査員が直接、生活を観察
(2).朝(起床~出勤)は設置ビデオでの撮影(調査員不在、LDKと洗面所に計3台設置)
(3).ヒアリング調査と1週間の生活日記調査を併用
調査対象:全国の25~49才の共働き世帯(親同居家族除く)10家族 
調査時期:2013年7~8月
補足調査:同じ時期に訪問ヒアリング調査 20家族(妻が専業主婦の家族4サンプルを含む)

■調査結果の概要

1.働くママは「働いていたい」

<就業意向>

 働くママ(フルタイムママ、パートタイムママ)は、「就業は自分に合っている。できれば就業していたい」と思っている(フルタイムママで72%、パートママで64%)。夫より就業意向が高い。妻の就業なしには家計が立ち行かない実態も少なくないと思われるが、働く妻たちの就業意識は、夫以上に「前向き」である。

2.「時間的ゆとり」がない。増やしたいのは「家族の時間」が特徴的

<時間的ゆとり意識>

 フルタイムママの約半数49.4%が普段の生活で「時間的ゆとりがない」と感じており、パートママの36.9%を10ポイント以上も上回っている。

<増やしたい時間>(複数回答)

 増やしたい時間は「自分の時間」と「家族の時間」。フルタイムママは「家族の時間を増やしたい」64.4%。パート、専業主婦のママに比べ、20ポイント以上も高い。

<平日に子供と一緒にいる時間(実態)>

 パパに比べるとママは子供と一緒にいる時間は長いものの、フルタイムママはパートママ、専業主婦に比べると平日は子供と一緒にいる時間が少ない。「5時間以上」は21.5%でパートママ44.2%、専業主婦64.6%に比べると少ない。

3.フルタイム勤務の家族の家事は「メリハリ」「分担」「オープン」が特徴

(1)「メリハリ」

 ママがフルタイム勤務の家族(以下、フルタイム家族)の家事の特徴の1つは「メリハリ」。平日の家事を減らし、休日に掃除、片付けに時間をかけているのが特徴的。

<1週間の家事頻度と休日の家事時間>(妻回答)

 洗濯はほぼ毎日行っているが、フルタイム家族は、掃除・片付けは週1~2回で済ませ、休日に時間をかけてというのが多く、メリハリをつけて行っている。買物はどの層も週に1~2回が多い。

(2)「分担」

 フルタイム家族の家事分担意識は高いが実態は妻中心(「妻がほとんどすべてを負担」+「妻が多くを負担」)。それでも他の家族に比べ家事分担度は高い。

<夫婦の家事分担意識と実態>

 「家事は夫婦が平等にするのが当然のことだと思う」を支持するのは、フルタイムママ66.4%、パートママ50.5%、専業主婦31.1%。フルタイムママでより家事分担意識が強く、夫でも同様の傾向がみられる。

<夫が行う家事内容>(夫回答)

 夫の平日の家事分担は「ゴミを出す」「風呂の掃除」「夕食の後片付け」、休日は、「風呂の掃除」「夕食の後片付け」「洗濯物を干す」など。フルタイム家族の夫は、他の家族の夫に比べると、<平日も家事をする><洗濯も行う>などの傾向がみられる。

<家事分担の満足度>

 家事分担に対する満足度は、夫に比べ妻で、専業主婦ママに比べフルタイムママ・パートタイムママで不満がやや多い。意識と実態のズレが不満につながっていると思われる。 フルタイムママの回答を家族分担別にみると、「妻がほとんどすべてを負担」層では過半数が不満だが、「妻の方が多くを負担」層では不満は3割まで減少。

(3)「オープン」(家族みんなで・家族と同じ空間で)

 フルタイム家族は、家事は「家族みんなで一緒に」「家族の居場所と同じ空間で」行いたい意向がより高く、家族と一緒に行うオープンな家事スタイルを望む傾向。
オープン意向はキッチンだけでなく洗濯空間でも見られる。また、フルタイム家族の中でも家事分担度が高いほど、また末子年齢が低いほど、家族と一緒に同じ空間で家事をしたい傾向が強い。
※参考データ参照

4.気がかりは 「子供の病気」「子供だけの留守番」など 『子供』に関すること

 共働き家族(ママがフルタイム、パートタイム勤務をしている)の仕事と子育ての両立生活での困りごと・心配ごとは、<子供・家族が病気になったときの対応>が断トツ。次いで<留守中の防犯・子供だけの留守番が心配>、<子供の学校・園行事への参加>など。他にも、「送迎ができずに習い事ができない」「子供の夕食・就寝など生活時間が遅くなる」など、共働き家族の気がかりは、子供に関することが多い。

この件に関するお問い合わせは下記までお願いします。
住環境研究所 市場調査室 小林  TEL.03-3256-7571
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-1 神田須田町スクエアビル8F

参考データ

「家族にオープンな家事スタイル」に関する詳細データ

 フルタイム家族の家族に「オープン」な家事スタイル意向(家族みんなで・家族と同じ空間で)は、キッチンだけでなく洗濯空間でも見られる。また、フルタイム家族の中でも家事分担度が高いほど、また末子年齢が低いほど「オープン」意向が強い。

<家事は「家族で一緒に」意向/家事内容別>(妻回答)

 フルタイムママは、<6アイロンかけ>以外は、「家族で一緒に行いたい」と思っている。専業主婦のママは、<2食事の後の片付け>以外は「特に家族と一緒に行いたいとは思わない」が3分の1以上を占める。

<家事は「家族の居場所と同じ空間で」意向/家事分担度別・末子年齢別>(フルタイム妻回答)

 フルタイム家族でも、家事分担度が高いほど、末子年齢が低いほど、家事は「家族の居場所と同じ空間で」行いたい意向が高い。

女性の就労とその家族を応援する住まいづくりを

 今回行った「共働き家族の暮らしと意識に関する調査」結果や最近の新聞報道、国の施策などから考えると、いま新たな視点での共働き家族向け住宅が求められているように思います。 

 総務省の労働力調査で35~44歳の女性のうち就業者と求職者が占める割合が2013年1~11月の平均で71.3%(2012年69.7%)に上昇したと報じられました。子育てのために離職が多い年齢層で70%を超えたのは初めてのこと。当社の調査でも、働くママの就業意識は高く、「就業は自分に合っている。就業していたい」とするのがフルタイムママで72%、パートママで64%、専業主婦も35%が就業意向を持っていました。

 アベノミクス成長戦略にも女性の活用が打ち出されています。昨年4月に発表された「女性が輝く日本」には2020年までに、(1)25~44歳の女性就業率を73%(2012年68%)に、(2)第1子出産前後の女性の継続就業率を55%(2010年38%)に、(3)男性の育児休業取得率を13%(2011年2.63%)に、(4)指導的地位に占める女性の割合を30%にといった数値目標が掲げられました。少子高齢化が進展し、労働力人口が減少する中、女性の社会参加は日本にとって重要なこと。国も企業も女性の活用を本気で取り組もうとしており、女性の社会進出は今後ますます活発化することが予想されます。
 
 女性の社会進出に伴い、「イクメン」、「カジメン」に象徴されるように共働き家族の家事分担は進んできてはいますが、今回の調査結果からはまだまだ妻が家事の中心であることがわかりました。家事の負担を軽減したり、家族との時間を増やすためにも、家事を、子供のお手伝いも含めた家族全員で行うものにしていくことも必要だと思われます。子供の家事参加は、子供の教育面でも有効であると考えられ、夫の家事参加は仕事の中に生活者としての感覚を活かせるという面でプラスに働くと思われるからです。もう1つ、調査結果から見えてきたことは、限られた時間の中での家族のふれあいの大切さ。料理や洗濯をしながら、子供と夫婦がコミュニケーションをとっているなど、家事の時間も貴重な家族のふれあいの時間となっている様子が観察できました。住まいでも、より積極的に<家事時間も家族時間>とするための工夫が必要ではないでしょうか。
今回の調査から、共働き生活を継続していくための住まいのポイントとして、以下の4点が考えられます。
(1)家事の効率化(設備機器や空間の工夫などによる家事行為そのものの効率化)
(2)家事分担の促進(夫婦も子供も、家族全員による家事分担)
(3)家族時間の創出(家事時間も家族時間となるための工夫、家族が集まりやすい空間づくりなど)
(4)家族の安心サポート(留守中の防犯,子供の留守番時の安全・安心,家族の健康をサポートする住性能など)

これらに配慮した「共働きのための住まい」がいま求められているという思いを強くしています。

住環境研究所
所長 倉片恒治

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