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アンケート調査「老後の理想の住まい」(2010)について
—平屋派が増え46.9%、マンション派は減少し32.5%に—

2010年9月22日
株式会社住環境研究所

積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:高下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治)は、このほどアンケート調査「老後の理想の住まい」(2010)をまとめました。4年前の調査では、老後の理想の住まいは平屋派(41%)とマンション派(39%)が拮抗していましたが、今回の調査では、マンション派が32.5%に減少し、平屋派が46.9%に増加しました。
日本は今、少子高齢社会が急速に進んでおり、日本人の平均寿命は現在男性79歳、女性86歳。今後さらに延びると予測されており、定年退職後の新しいステージでの生活が20年以上もあります。老後の住まいをどうするのかは大きなテーマとなるということで、2006年の調査は団塊世代がまもなく定年退職を迎える時期を捉え、老後の住まいをどのように考え、どんな住宅を理想としているのかを探りました。住宅メーカーも老後の住まいとして平屋建てを商品開発するなど老後の住まい提案が活発化しましたが、4年を経過した2010年、老後の理想の住まいはどのように変わったのかを調査したものです。

■調査結果のポイント

1.老後の住まいの不安点

老後の住まいにおける不安点は、「住まい全体の老朽化」が2006調査より16ポイントも増加しており、老後の住まい計画が遅れていることを示しています。

2.老後の理想の住まい

老後の理想の住まいは、4年前には平屋とマンションが拮抗していましたが、2010年調査では平屋が増加しています。また、平屋派は、77%が「リビングなどは広く、他はコンパクトでメリハリある間取り」を支持しています。

3.老後の暮らし意識

老後の暮らしの価値意識は、4年前に比べ堅実と快適を求める傾向に。リーマンショックなどの経済危機や年金不安などがより深刻になり、「家の維持管理が楽な暮らし」、「光熱費など生活上の経費がお得な暮らし」のこだわり層が増加。一方で「温度差のない快適な暮らし」は全体的に14ポイント上昇し、快適性を求める価値意識も増加しています。

■調査の概要

調査目的: 中・高齢層の住まいに関する意識と老後の暮らし方、理想の住まいについて
対象: 全国の55~69歳の男女
調査方法: インターネット調査
調査時期: 2010年8月
有効回答: 639票

■アンケート回答者の属性

年齢: 55~59歳 31.6%、60~64歳 34.1%、65~69歳 34.3%
性別: 男性 49.8%、女性 50.2%
家族構成: 1人住まい 16.3%、夫婦2人 38.2%、夫婦と子 30.8%、夫婦と親 4.7%、
夫婦と親と子 3%、夫婦と子と孫 3.6%、その他 3.7%
住居形態: 持家戸建て 26.4%、持家マンション 26.4%、賃貸戸建て 29.6%、
賃貸マンション 6.1%、その他 11.4%
築年数: 1~5年 8%、6~10年 11.3%、11~15年 10.3%、16~20年 13.1%、21~25年 12.2%、
26~30年 18.9%、31~35年 12.1%、36~40年6.6%、41年以上 7.5%。
平均 24.3年。

■調査結果の概要

(※06年調査と比較のため、年令を55-65才に絞って集計を行っています。)

1.老後の住まいにおける不安点

老後の住まいにおける不安点は、「住まい全体の老朽化」63%が1位、2位「設備の老朽化」53%、3位「地震」34%、以下「バリアフリー仕様でない」33%、「維持管理にかかる経費」30%、「階段の上り下り」などが続いています。
2006年調査と比較すると増加が目立つのが、「住まい全体の老朽化」(16ポイント増)、「冬の寒さ」(10ポイント増)、「維持管理する手間」(9ポイント増)、「設備の老朽化」(8ポイント増)など。

■10年調査(上位15位まで)

■06年調査との比較(10年調査と差が大きいもの)

居住形態別の不安項目は、持家戸建では「住まい全体の老朽化」「維持管理にかかる経費」「維持管理にする手間」が他の住居形態に比べてポイントが高くなっており、老朽化による維持管理が不安要素になっていることがわかります。また築年数の平均では、06年調査に比べ築年数が古い人が多く戸建では平均25年となっています。

■居住形態別(10年調査)

■居住形態の築年数平均 (年齢は10年、06年ともに55-65歳の方)

2.老後の理想の住まい

(1)平屋派46.9%、マンション派32.5%

老後の理想の住まいは、「平屋」46.9%、「マンション」32.5%、「1戸建て(2階建て以上)」18.9%の順。2006年調査と比較すると平屋は5.9ポイント、1戸建ても2.5ポイント上昇していますが、マンションは6.9ポイント減少し、平屋の人気が上昇しています。

(2)平屋のメリット

平屋のメリットについては、「ワンフロアーで生活できる」66%が第1位、2位「階段の上下移動がない」64%、3位「庭が楽しめる」60%、4位「日当たりがよい」57%、5位「通風がよい」52%、6位「コンパクトで効率のよい間取りがつくれる」。

(3)老後の理想の間取り

老後の理想の住まい別に見た間取り指向は、戸建て派(2階建て以上)は、家全体も大きく、それぞれの部屋も広くゆったりした間取りを支持していますが、平屋派とマンション派は、リビングなど広くとるが、他の部分は必要最小限にしたコンパクトでメリハリのある間取りを支持しています。

3.老後の暮らしの意識

老後の理想の暮らしの第1位は「維持管理が楽な暮らし」、2位「光熱費などなど生活上の経費がお得な暮らし」、3位「健康に配慮し、いつまでも若々しく暮らす」の順。2006年調査の1位は「健康に配慮して、いつまでも若々しく暮らす」でしたが、2010年調査では、経済的な視点、快適な生活を重視するように変わってきたといえます。

■10年調査(分析軸のN数は全て461/グラフは上位10位まで表示)

■06年調査との加重平均の比較(加重平均の順位)

2006年と比較してポイント差が著しく上昇した項目は「家の維持管理が楽な暮らし」、「光熱費など生活上の経費がお得な暮らし」、「室内温度差がなく快適な暮らし」など。
「家の維持管理が楽な暮らし」「光熱費がお得な暮らし」は、積極的にそうしたい層が増加し、こだわりたい方が増えたといえます。「室内温度差がなく快適な暮らし」は、06年に比べ全体が14ポイント増加し、価値意識が変化しているのが注目されます。

■06年調査との比較(10年調査とのポイント差が著しい項目)

■参考資料

老後の理想の住まい、平屋派が増加した理由を考える

今回の調査で、私が最も興味を覚えたのは平屋派の増加です。2006年調査では、「老後の理想の住まい」は平屋41%、マンション39.4%、戸建て(2階建て以上)16.4%で平屋派とマンション派が拮抗していました。老後の住まいはワンフロア—が理想なので、拮抗するのが当然と思っていたのですが、2010年調査では平屋派が46.9%に増加、マンション派は32.5%に減少し、平屋志向が強まる結果となりました。平屋派が5.9ポイント上昇し、マンション派は6.9ポイントも減少しました。

もう1つ興味を覚えたのが、「老後の住まいの不安点」の変化です。不安点の1位は2006年、2010年とも「住まい全体の老朽化」ですが、47%から63%に16ポイントも上昇しているのです。ポイントが大幅に上昇しているのは、老後の住まい計画が遅れている表れだといえます。

また、老後の暮らし意識では、家の維持管理が楽、光熱費がお得、温度差のない暮らしなどの項目のポイントが増加しています。この4年間で堅実さと快適性を求める方向に意識が変化しているといえいます。この大きな要因はリーマンショックなど経済不安の拡大が背景にあると思われます。将来のためにおカネを残しておきたい、しかし快適な暮らしは求めたいと悩んでいる姿が容易に推察できます。

そうした中、老後の住まいを考えてマンションなどに住み替えるとなると、住み慣れた土地を離れるという不安と寂しさがあり、その上予算もかなり必要となります。他に全改装リフォームという選択肢もありますが、躯体が更新されず、満足いくものにならない可能性もあります。

私は、平屋派増加の理由はここにあるのではないかと推察しました。住み慣れた土地で安心・安全な生活をしたい、老後の生活資金をできるだけ残しておきたいという心理状態が、快適性を前提に、コンパクトな間取で維持管理費や光熱費なども安くすむ平屋支持の増加となって現れたのではないでしょうか。老後の住まいに対する意識の変化に住宅メーカーがどう応えるのか、今後注目したいと思います。
住環境研究所
所長 倉片恒治

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