分譲住宅・不動産情報


プレスリリース

プレスリリース一覧へ戻る

「介護と同居に関するアンケート調査」について

2010年8月25日
株式会社住環境研究所

積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:高下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治、千代田区神田須田町1-1)は、中高齢者の「介護と同居に関するアンケート調査」を行いました。これは、6月に発表した「中高齢者の生活意識と老後の住まい」の続編調査となります。
60歳前後は自分の老後の住まいをどうするのかと同時に、親の介護をどこで、どのように行うかといった問題に直面します。60歳前後はいってみれば「親の介護を担う中心世代」で、介護を契機に住宅のリフォームや建て替えなどのニーズが顕在化します。同時に将来自分自身が介護されるようになった時、どんなスタイルを望むのかも考えておく必要があります。今回は中高齢者の「介護と同居」問題にスポットを当て、調査したものです。

■調査結果の要約

1.「介護を担う中心世代」は55~64歳

55~69歳の中高齢層は現在介護中を含め40%の方に介護経験があります。親の介護中・介護予定ありを年齢層別に見ると、55~59歳が35%、60~64歳24%、65~69歳10%で、55~64歳はまさに「親の介護を担う中心世代」ということができます。

2. 61%が親の介護を契機に同居を検討

親の介護にあたっては親を呼び寄せる、親の家に同居して介護するなど同居スタイルがいくつかありますが、「親を呼び寄せ同居」が最も多くて32%、次いで「親のところに自分たちが行って介護」24%、「新しく別の場所を探す」5%で、61%が同居を検討しています。「施設に入所」を検討は23%で、同居しての介護が主流となっています。

3.男性は「家族・自宅介護」派、女性は「プロ任せ・施設介護」派

自分自身の介護については、「家族よりプロに任せたい」「施設でもよい」と考える人が多く、年齢層別では若いほど、男女別に見ると男性より女性にこの傾向が鮮明に出ています。男性は半数近くが「家族・自宅介護」を希望しているのに対し、女性は半数近くが「介護のプロ・施設介護」を希望しており、男性は「家族・自宅介護」派、女性は「プロ任せ・施設介護」派といえます。

■調査概要

調査目的: 中高齢者の介護と同居に関する調査
調査対象: 全国の55~69歳の男女、持家(戸建、マンション)居住者690人
調査手法: インターネット調査
調査時期: 2010年2月

■回答者の属性

年令: 55~59歳33%、60~64歳33%、65~69歳33%
性別: 男性50%、女性50%
住居形態: 持家戸建80%、持家マンション20%
※年齢、性別、住居形態については割付を行った
住居取得方法: 持家戸建:土地建物とも自力購入64%、土地は相続、建物は自力購入17%、
土地建物とも相続8%、その他11%
年収: 200万円未満6%、200~400万円未満23%、400~600万円未満24%、
600~800万円未満19%、800~1000万円未満13%、1000~1500万円未満13%、1500万円以上4%

■調査結果の概要

1.「介護を担う世代」は55~64歳

(1)「介護経験」について

「現在介護中」13%を含めると、「介護経験あり」は40%。親と同居している世帯に、「現在介護中」の比率が高く、本人(夫婦)と親と子の3世代家族では58%に介護経験があります(夫婦のみ世帯の介護経験は34%)。この世帯では、親を介護しているケースが多いと考えられます。

(2)「介護を担う中心世代」について

「現在介護中」を年齢別に見ると55~59歳14%、60~64歳14%ですが、65~69歳になると7%に低下。また介護予定も55~59歳21%、60~64歳10%、65~69歳3%で、55~64歳が「親の介護を担う中心世代」となっています。中でも55~59歳は介護問題が大きくのしかかってくる年齢ということができます。

2.61%が親の介護を契機に同居を検討

介護予定ありの方は、親の介護を契機に61%が同居を検討しています。同居のスタイルは「親を呼び寄せ同居」32%、「親のところに自分たちが同居し介護」24%、「新しく別の場所に同居し介護」5%となっています。介護のもう1つの選択肢である「施設に入所」は23%で、親の介護は自宅で行うが主流といえます。

マンションと一戸建てでは同居スタイルが異なります。一戸建ては「親を呼び寄せ同居」34%、「親のところに自分たちが同居し介護」26%、「施設や有料老人ホームなどに入居」23%と親もしくは自分達が、どちらかの家に行くのが主流です。一方、マンション居住者は、「新しく別の場所に同居し介護」が18%(1戸建て2%)と住み替え派が多いのが特徴です。

3.男性は「家族・自宅介護」派、女性は「プロ任せ・施設介護」派

親の介護は61%が同居を検討しているのに対し(施設入所は23%)、自分自身の介護については、「できるだけ配偶者や家族にしてもらいたい(A)」(35%)が減少し、「家族よりプロに任せたい(B)」(38%)のほうが高くなっています。介護の場所も、「できるだけ自宅で」(38%)より、「施設でもよい」(39%)が多くなっています。自分の介護は施設で行いたいと考えている人が多くなっていますが、男女別に見るとこの傾向はさらに鮮明になります。 「介護のプロに任せたい」は女性55~59歳が50%(同世代男性34%)、女性60~64歳で46%(同世代男性25%)と、女性は「プロ任せ」の希望が強くなっています。また、介護の場所についても、「自宅」を希望するのは男性60~64歳で50%(同世代女性30%)、男性55~59歳37%(同世代女性19%)となっており、男性は「家族・自宅介護」を希望し、女性は「プロ・施設」希望の傾向があります。 介護経験のある方ほど、「介護はプロに」「施設でもよい」と考えており、介護を家族、自宅で行うことに否定的な見方をしています。

■参考資料

介護の大変さが軽減できる住まいづくりが重要

超高齢社会で避けては通れないのが介護の問題です。日本の高齢者人口は現在2,941万人。10年後の2020年には3,590万人になると予測されています(H21年 内閣府・高齢者白書より)。高齢者といっても65~75歳未満は元気で、要介護率は3.3%に過ぎませんが、75歳以上になると要介護率は21.4%に跳ね上がります(H21年 内閣府・高齢者白書より)。老老介護の問題が指摘されていますが、介護が必要になる年齢が80歳前後とすると、親の介護をする年齢は55~60歳前後ということになります。
事実、今回の調査でも中高齢層の4割が介護を経験し、「現在介護中と今後介護の予定があり」を年齢層別に見ると、55~59歳35%、60~64歳24%、65~69歳10%で、55~64歳が「親の介護を担う中心世代」となっています。55~64歳は、親の介護をどうするのかといった問題と同時に自分自身の老後の住まいをどうするのかを検討する時期で、2つの課題の同時解決を迫られています。

今回の調査で私が注目したいのは、自分たちの介護についての希望です。親の介護については、「親と同居して家族で介護するつもり」が61%、「施設や有料老人ホームに入所させて介護するつもり」23%で、同居して家族で介護するのが圧倒的に多いのですが、自分たちの介護については家族の介護でなく「介護のプロに任せたい」という希望が強いということが明らかになった点です。特に女性はその傾向が強く、55~59歳女性では50%(同年代の男性34%)が介護のプロを望んでいます。介護の主たる担い手とならざるを得ない女性は、子供に迷惑をかけたくないと思っており、気持ちの表れが男女の数字の差といえるでしょう。それだけ介護は大変であるということです。

しかし、現実はその希望に応えるのが難しい状況にあります。介護老人福祉施設などの施設は現在でも不足しており、入所待ちの状況です。しかも国の施策は施設から在宅介護へとシフトしており、施設の絶対数不足は解消されそうにありません。将来の自分自身の介護希望と介護施設の状況を直視すると、「在宅でプロの介護サービスを利用する」スタイルが主流になるということです。

以前にセキスイハイム入居者に行った調査では、介護で大変だったのは「体力が持たない、続かない、疲れる」という身体的疲労がトップでした。また、介護で使いづらい空間のトップは「敷地・アプローチ」「玄関」などの外回りという結果でした。これは、介護を行っている世帯の7割がデーサービスやショートスティを中心とした介護サービスを利用しており、どのADL(日常生活動作能力)レベルの人でも外出する頻度が高くなるため、外回りの段差などが障害となっているからです。
当研究所では従来から、高齢社会に対応して加齢配慮仕様を提唱・訴求してきましたが、今回の調査を通じ、さらに在宅介護を見据えた「介護の大変さが軽減できる住まいづくりが重要」であると改めて強く感じました。

住環境研究所
所長 倉片恒治

このページの先頭へ