セキスイハイムの高齢者住宅・介護施設
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河田教授の減災コラム

第3話

知識がいのちを助けてくれます。勇気をもって逃げること!
最も効果的な減災は直ちに逃げること。

曾有の被害をもたらした東日本大震災では、全半壊の住宅は約40万棟にものぼり、今も仮設住宅に暮らしておられる方が多くおられ、心の傷の癒えていない被災者家族の方々など、まだまだ被災地の復旧・復興には時間がかかります。私たちはこれから先の復興活動を行政や自治体任せにするのではなく、私たちの仲間のために、国民一人ひとりが失われた美しい風土や街・暮らしの再生に向けてともに力を合わせて支え合っていかねばなりません。

また、この時代を生きたものとして私たちにはあの出来事を風化させてはいけない責務があります。この先に起こりうる巨大地震から少しでも多くの命を救い、少しでも被害を少なくするために、つらい経験を活かしたより現実的な「減災」対策の取組みが不可欠です。地域で、職場で、学校で、サークルで、家庭で、明日来るかもしれない大地震を想定した備えを直ちに行ってほしいのです。非常時・被災時の正しい知識と行動を身に着けてください。それが減災効果を高めるために最も有効な手段だからです。

内閣府が東日本大震災の津波被害地域の生存者に聞き取り調査を行ったところ、すぐに避難した人は57%いましたが逆にすぐに避難せずに被災したという人が42%もいたことがわかっています。消防庁の調べでは津波警報を聞いていなかった人が58%もいました。巨大な津波には誰も勝てません。10mを超える堤防も役には立ちませんでした。津波から身を守るためには、何をさておきまずは逃げること。これが何より大事なことです。でも現実には4割以上もの人がすぐに避難していないのです。

すぐに逃げるためには日頃より避難を想定した備え、貴重品や防災用品などすぐに持って出れるようにしておかなければいけません。

ところが、今回は揺れが収まってから一旦家に帰って津波に飲み込まれたという人も多くおられました。お金や貴重品類を持ち出そうとしているところを襲われたのです。命より大事なものはありません。



また、家族に高齢者を持つ人が助けに帰って帰らぬ人になってしまったという悲しいケースも多かったといいます。これは日本の高齢社会が持つ災害時の弱点、地域コミュニティが希薄な関係になっているから起こる悲劇です。自分が帰らない限り、体の不自由なおばあちゃんは助けられない、近隣と付き合いのない関係。これでよいのでしょうか。

非常時には高齢者や子どもを住民が協力して避難させる思いやりのある社会でありたいものです。


河田恵昭氏 Profile
関西大学社会安全学部・社会安全研究センター長・特別任命教授 工学博士 京都大学名誉教授。専門は防災、減災、縮災。阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長(兼務)のほか京大防災研究所長を歴任。21世紀COE拠点形成プログラム「災害学理の解明と防災学の構築」拠点リーダー。大都市大震災軽減化プログラム(文部科学省)研究代表者。2009年 防災功労者内閣総理大臣表彰、2017年アカデミア賞受賞。現在、中央防災会議専門委員、防災対策実行会議委員。日本自然災害学会および日本災害情報学会会長を歴任。(2017年4月現在)

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