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プレスリリース

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「定年後の夫婦2人の暮らし方調査」について

  • 積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:高下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治)は、このほど「定年後の夫婦2人の暮らし方(シングルミックス)調査」を実施しました。“シングルミックス”とは、当研究所が提唱する定年後の夫婦2人が仲良く快適に暮らせる住まい方。夫婦がそれぞれ自立しつつ、互いの個を尊重しあう「シングル(自立)」の暮らしと、夫婦が適度な距離感でコミュニケーションする「ミックス(共生)」の生活を共存させる老後の夫婦2人の住まい方です。

    人生100年時代を迎えた今、人生のライフサイクルを25年周期で考えると51~75才は第3周期。高齢社会が進展し、今や60代以上が人口のボリューム層です。その第3周期の夫婦2人の暮らし方の意識意向を探りました。

2012年11月6日
株式会社住環境研究所

■調査結果のポイント

1.ひとりの時間を大切にし、自立した暮らしを望む

“夫婦といえども1人の時間がほしい、それでこそ仲良く暮らせる”という考え方を支持するのは約6割(59%)。女性は74%が支持しています。

2.男性は家事に勤しみ、家庭での役割をはたそうと努力<

退職に伴う日常生活の変化で時間や頻度が増えたのは「家事」、「テレビを見る」、「家庭内での生活を楽しむ」で、中でも大きな変化は男性の「家事への参加」です。また、時間や頻度が減ったと答えた方では「仕事以外の外出」や「読書の時間」が上位。

3.女性に比べて男性は社会・友人との交流意識がやや低く、逆に女性は外に目が向く

女性は「友人との交流」は積極的に、「社会との接点」も継続を望んでいるのに対して、男性は女性に比べ「社会との接点」や「友人との積極交流」意識はやや低くなっています。

4.男女とも自分専用の空間として「趣味室」を希望

実際にある専用空間としては、男性は「書斎・仕事室」35%。女性は「くつろぎの部屋」27%、「趣味室」25%と自分専用はあっても3割程度。欲しい専用空間としては男女とも「趣味室」が第1位となっています。

5.体が弱ったら助け合い、共有の時間を多く持ちたい

体が弱った時の夫婦の意識では、現実の夫婦意識に比べ「お互い助け合い共有の時間を多く持ちたい」が増加。高齢になると寄り添う生活を望んでいます。

<シングルミックスサイト (11月7日オープン)>

http://singlemix.jp/

■調査概要

調査目的:中高齢夫婦2人に対して、定年後の暮らしと住まいについて、夫婦意識や生活意識にスポットを当て、住まいに望むことを把握
調査手法:インターネット調査
調査時期:2012年7月
調査対象:55才以上の男女
有効回答:1247件(男性66%、女性34%)
※グラフの数字は全てパーセンテージ(%)

■回答者の属性

年齢:55~59才50%、60才以上50%
就業状況:就業57%、無職43%
年収:200万円未満10%、200万~600万円未満43%、600万~1,000万円未満20%、1,000万円以上11%
住居形態:持家84%(戸建て64%、マンション20%)、賃貸10%、その他7%

■調査結果の概要

1.ひとりの時間を大切にし、自立した暮らしを望む

(1)夫婦の意識

「夫婦といえども1人の時間が欲しい、それでこそ仲良く暮らせる(A)」については、「ほとんどA」18%、「Aに近い」41%で、合わせて59%が考え方を支持しています。2007年との比較で見ると割合に変化はなく、この年代では当たり前の意識として定着している様子が伺えます。


男女別に見ると、「ほとんどA」、「Aに近い」は男性52%に対し、女性は74%。女性の方が個の時間を大切にするのが高いのが特徴。中でも60~64才女性は80%(55~59才72%、65才以上78%) を占めます。

(2)趣味について

趣味については、「別々に」それぞれ好きなことをしたいというのが男性69%、女性74%と多く、男女とも趣味は別々にと考えている方が多いようです。

(3)充実させたい時間

充実させたい時間は男女とも「プライベートな時間」で、70%以上の人が望んでいます。「夫婦一緒の時間」は男性が高く42%(女性24%)、「友人との時間」は女性が高く21%(男性13%)となっています。 年齢・性別では60代男性で「夫婦一緒の時間」を望み、50代女性では「夫婦一緒の時間」は低いものの高齢になるにつれ増加する傾向にあります。

2.男性は家事に勤しみ、家庭での役割をはたそうと努力

(1)退職者※の日常生活の変化(時間や頻度が増えたこと)

日常生活の変化で時間や頻度が増えたのは、「家事をする時間」50%、「テレビを見る時間」49%、「家庭内での生活を楽しむ」44%。男性は「テレビを見る」50%、「家庭内での生活を楽しむ」48%、「夫婦ふたりで過ごす時間や会話など」45%、「孫の面倒を見る・遊ぶ」32%。女性では「外出する時間」40%、「読書の時間」27%など。家事の時間は男女とも5割が増えたとしています。

※退職者:以前は就業していて、現在無職の方

(2)増えた家事について

特に家事が増えたのは男性の60-64才(60%)。増えた家事内容は、男性では「食事の片付け」59%、「ごみ出し」56%、「買い物」55%、「洗濯物を取り込む」48%など。定年直後の男性では、在宅時間が増えたことで家庭内における役割を果たそうとしている様子が伺えます。

(3)日常生活の変化(時間や頻度が減ったこと)

時間や頻度が減ったと答えた方では「仕事以外の外出」や「読書の時間」が上位となっています。仕事以外の外出が減ったのは、経済的理由から。また読書の時間は、70才以上の減少が目立っています。

3.女性に比べて男性は社会・友人との交流意識がやや低く、逆に女性は外に目が向く

(1)友人交流について

定年を迎えた男性(60~64才)は「友人と積極的に交流したい(ほとんどA、Aに近い)」が一時的に43%に減少するも、65才以上では53%に上昇。一方、交流意識が高い女性も65才以上では積極交流派が45%に低下しています。女性では介護などが始まることが影響していると考えられます。

(2)社会との接点

社会との接点継続意識は、男性で継続意識は40%、女性で50%と女性の方が社会との接点継続意識が高く、特に定年直後男性(60~64才)は、社会との接点継続の意識が低くなっています。逆に同年代(60~64才)女性は外に目が向くなど、男女で差が生じています。

4.男女とも自分専用の空間として「趣味室」を希望

実際にある専用空間は、男性では「書斎や仕事部屋」が35%。趣味やくつろぎの空間の実現率は2割程度。女性では「自分だけのくつろぎの部屋」27%、「趣味室」25%で専用空間の実現率は低いのが現実です。

欲しい空間は、男性「趣味室」63%「自分だけのくつろぎ空間」36%。女性で「趣味室」59%、「くつろぎの部屋」44%。男女とも現在無い「個の空間(趣味やつくろぎなど)」を希望し、特に「趣味室」を欲しています

5.体が弱ったら助け合い、共有の時間を多く持ちたい

将来、体が弱った時の夫婦意識を聞くと、「体が弱っても個を尊重し自分のペースを守りたい31%」、「弱ったらお互いで助け合い共有の時間を多く持ちたいが44%」、07年調査に比べ、助け合い共有の時間を多く持ちたい方が増加しています。夫婦意識も年をとるに従って“自分のペースを守る”から“助け合い共有”へ変化することが伺えます。

<シングルミックスサイトをオープン>

住環境研究所では、シングルミックな暮らしを提案するために「シングルミックスサイト」を2012年11月7日よりオープンします。

URL:http://singlemix.jp/
公開:2012年11月7日

定年後の住まい方“シングルミックス”4つの提案

今や人生90年の時代で、子育ての期間より夫婦2人で過ごす期間のほうが長くなる可能性があります。早い人は定年より早い55歳前後で、夫婦2人の生活が始まります。住宅は30代の子育て期の「夫婦と子供2人」の時に建築あるいは購入した人が多いと思いますが、定年後の暮らしが20年も30年もあるようになった今、夫婦2人の暮らしにふさわしい住まい方を考える必要が出てきました。当研究所では5年前に老後の住まい方として“シングルミックス”の住まい方を提唱しました。“シングルミックス”とは夫婦それぞれが自立しつつ、互いの個を尊重する「シングル(自立)」の暮らしと、夫婦が適度な距離感を持ってコミュニケーションする「ミックス(共生)」の生活を共存させる住まい方です。

今回、5年ぶりに「定年後の夫婦2人の暮らし方調査」を行いましたが、調査を終えて改めて感じるのは、自立を前提にした2人の生活を大事にしていることが定着したこと、男性の社会参加意識が女性に比べ低いことなどです。老後を夫婦仲良く暮らすためには、時間的なゆとりが大幅に増えることを前提に、夫婦それぞれの「個」の空間をバランスよく持つことが重要ということです。

提案したいのは次の4点です。1点目の提案は男性の居場所の確保。定年直後の男性は家庭内に居る時間が長くなるにもかかわらず、居場所が無いという可能性があります。現実には趣味室やくつろぐ部屋を実現しているのは2割程度です。男性のための趣味やくつろぎのための専用の空間で、散らかしても構わない空間をつくることを提案します。

2点目は女性のシングルスペースの充実。この年代は夫婦であっても1人の時間が大事で、特に女性はプライベートや1人の時間の充実を求めており、プライベートな時間を過ごすシングルスペースとして趣味室を、夫婦別寝室で無ければ更にくつろぐ部屋を提案します。

3点目の提案は広いリビング。リビングは夫婦のミックススペースでもあり、居心地のよいリビングにすることが大切。そのために自然と会話が弾む場作りが重要です。

4点目は“シングルとミックス”の視点に加えて社会とつながるための空間。特にコミュニティエリアを設けるだけでなく、土間のスペースや塀、垣根の無いオープン外構などを設け、開かれた自宅を演出することも、老後を自宅で暮らすための1つの方法です。

以上の点を考慮し、かけがえの無い人生の伴侶との暮らし、また老後を支えてくれる地域との関係をバランスよく保ち、人生の輝かしいときを充実した気持ちで過ごしていただくよう、住宅のあり方を今後も更に研究し、暮らし提案を発信していきたいと考えております。

住環境研究所
所長 倉片恒治

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