間取りコラム集
理想の玄関を実現!
おしゃれで使いやすい
空間のつくり方

新築の家づくりにおいて、「おしゃれで使いやすい玄関」は、多くの人がこだわりたいと願う場所の一つです。しかし、実際に暮らし始めてから「思ったより使いづらい」「すぐに生活感が出てしまう」と後悔するケースも少なくありません。
玄関は「家の顔」であると同時に、毎日の「行ってきます」と「ただいま」が繰り返される、家族にとって大切な場所です。この記事では、おしゃれな玄関の実例とともに、収納計画から動線、素材選びまで、理想の玄関を叶え、後悔を防ぐための具体的なポイントを紹介します。
玄関で後悔しないための4つのチェックポイント

まずは、注文住宅で玄関を検討するときに多くの人が見落としがちなポイントを紹介します。「こんなはずでは…」と後悔しないためにも、事前にこれらのポイントを学び、理想の玄関づくりへの第一歩を踏み出しましょう。
収納計画|今の荷物+将来増えるモノを想定してる?
玄関収納で多い後悔が「容量不足」です。今の荷物量だけを考慮して計画すると、数年でモノが溢れてしまうことがあります。子供の成長(部活道具、自転車)や趣味の変化(アウトドア用品)など、将来の荷物増加を想定し、余裕のある収納計画が重要です。
とくにベビーカーなど「かさばるモノ」の定位置を設計段階で決めておくと、すっきり収納できて玄関が散かりにくくなります。可動棚にしておけば、ブーツや季節用品などのサイズに合わせて柔軟に収納を調整でき、長く使いやすい空間になります。
明るさとプライバシー|光は欲しいけど、外からの視線は大丈夫?
明るい玄関は理想ですが、「光を入れたい」と「視線を遮りたい」は両立が難しい問題です。採光ばかり重視すると、外からの視線が気になることも。
そのようなときには、すりガラスや高窓(ハイサイドライト)を採用すれば、プライバシーを守りながら安定した光を取り込めます。玄関ホールに窓を付けられない間取りであっても、室内窓でリビングなど他の空間から採光する方法もあります。
日中だけでなく、夜の印象も大切です。間接照明で奥行きを演出したり、人感センサーライトで利便性を高めたりする工夫もあわせて検討しましょう。
掃除・メンテナンス性|毎日キレイを保てる素材・設計か?
玄関は外からの砂泥が持ち込まれやすく、家の中でも汚れやすい場所です。毎日きれいに保つには、掃除のしやすさを考慮した素材選びと設計が鍵となります。
例えば、玄関タイルは泥汚れが目立たない色や、凹凸が少なく掃除しやすい素材を選びましょう。真っ白や真っ黒は汚れが目立ちやすいですが、例えばグレーやテラコッタ調などの中間色なら、見た目と実用性のバランスがとれます。
また、設計面では、掃除機が使いやすいようコンセントの位置を工夫したり、シューズクローク内にほうきやちりとりを仕舞うスペースを確保したりすると、日々のメンテナンスが格段に楽になります。
コンセント|「ああ、ここに欲しかった…」を防げる?
「ああ、ここに欲しかった…」と後悔しがちなのがコンセントの位置です。
玄関では、電動アシスト自転車の充電、掃除機、季節のイルミネーションなど、電源が必要な場面が意外と多くあります。とくにシューズクローク内にも電源を用意しておくと、電動工具の充電や靴乾燥機の使用にも便利です。
また、ニッチ(飾り棚)でのライトアップやアロマディフューザー用に、カウンター下など目立たない位置に用意しておくのもおすすめです。具体的な用途をシミュレーションし、適切な場所に配置を計画しましょう。
おしゃれで使いやすい玄関を実現する7つのアイデア
玄関のおしゃれさと使いやすさを両立させるには、単にデザインを良くするだけでなく、生活動線や機能性まで考慮した設計が不可欠です。ここでは、玄関をより魅力的で機能的な空間にするための7つのアイデアを紹介します。
【隠す収納】生活感を一掃する大容量収納
玄関をスッキリ見せるには、生活感を「隠す収納」がポイントになります。代表格はシューズクロークで、靴はもちろんベビーカーやアウトドア用品もまとめて収納できます。
スペースが限られる場合は、壁一面の高さがあるタイプの収納が有効です。その際には、扉の色を壁と揃えると、圧迫感を減らしながら収納量を確保できます。
また、奥行きがある玄関なら、カウンタータイプの靴箱もおすすめです。カウンター上をディスプレイスペースとして活用でき、季節の雑貨や花を飾る「見せる演出」も楽しめます。しまうモノの量と種類に合わせて、ぴったりな収納スタイルを選びましょう。
【帰宅動線】ストレスフリーな「おかえり動線」
「ただいま」から始まる一連の動作をスムーズにする「おかえり動線」は、日々のストレスを大きく左右します。
近年、とくに人気なのが、家族用と来客用の動線を分ける「ファミリー玄関」です。ウォークスルーのシューズクロークをファミリー玄関として使えば、お客様が使うメインの玄関は常に美しい状態を保てます。
また、玄関横に手洗いスペースを設ける間取りもおすすめです。帰宅後すぐに手洗いうがいができ、ウイルス対策にもなります。あわせて、コートクロークを設ければ、外で付着した花粉や汚れ、濡れたコートをリビングに持ち込みにくくなります。
【空間演出】限られたスペースを広く見せる
限られたスペースになりがちな玄関も、設計次第で広く開放的に見せることができます。
効果的なのは「吹き抜け」で、縦の広がりが明るく開放的な空間を創出します。吹き抜けが難しい場合でも、天窓や高窓(ハイサイドライト)、地窓で天井や床に光を反射させると、明るさと広がりを演出できておすすめです。
また、視線の「抜け」も重要です。玄関から坪庭が見えるレイアウトは、視線が外に抜け、自然とのつながりを感じる心地よい空間になります。手軽な方法としては、壁に大きな鏡を設置するのもよいでしょう。空間に奥行きが生まれるだけでなく、お出かけ前の身だしなみチェックにも便利です。
【見せる演出】暮らしの顔を彩るインテリア
玄関は「家の顔」であり、家全体の第一印象を左右する重要な場所です。とくに、玄関に入った瞬間に目に入る「正面の壁」は、最も力を入れるべきポイントです。ここにニッチ(飾り棚)を設けて季節の雑貨やアートを飾ったり、お気に入りの絵画や植物を配置したりすると、空間が華やぎます。
また、空間の印象を手軽に変えるには、アクセントクロスで一面だけ色や柄を変えるのもおすすめです。さらに、間接照明で壁や床を照らせば、空間に奥行きと高級感がプラスされます。来客を迎える空間として、インテリアにもこだわりましょう。
【素材選び】床で差をつける
玄関の印象は、床の「素材選び」によって大きく変わります。一般的な玄関タイルは、色・サイズ・質感で印象が異なり、掃除のしやすさも考慮して選ぶ必要があります。
近年人気のモルタルやコンクリート仕上げの土間は、継ぎ目がなくスタイリッシュで、インダストリアルな雰囲気にマッチします。一方で、玄関ホールや上がり框(かまち)に無垢材の床を採用すると、温かみのある空間になります。無垢材ならではの足触りのよさや、時間とともに味わいが深まる経年変化を楽しめるのも魅力です。
デザインと機能性の両面から、空間に合う素材を選びましょう。
【機能性】毎日の「あったらいいな」を叶える
デザイン性に加え、毎日の「あったらいいな」を叶える機能性も重要です。
例えば「ベンチ」は、ブーツの脱ぎ履きや、子供が靴を履く習慣づけに役立ちます。また、買い物帰りの荷物の一時置き場としても便利です。土間スペースを広くとれば、靴の脱ぎ履きはもちろん、ペットの足拭きやアウトドア用品の手入れにも便利です。
さらに、スマートキーを採用すれば、荷物で手がふさがっていても鍵の開け閉めが楽になり、日々のストレスが軽減されます。
【快適性】見落としがちな温熱・湿気対策
玄関は外気の影響を受けやすいエリアです。冬場の冷気や夏場の熱気を防ぐためにも、玄関ドアは断熱性能の高い製品を選びましょう。
また、靴や傘などを収納するシューズクロークは湿気がこもりやすく、ニオイの原因にもなりがちです。換気扇や小窓を設けて、空気の通り道を確保することを検討しましょう。
壁材にエコカラットなどの調湿建材を採用するのも一つの方法です。これらは湿度を調整するだけでなく、気になるニオイも吸着してくれるため、玄関空間の快適性をトータルでケアできます。
【家族別】自分たちに適した玄関タイプ
ここまで紹介した7つのアイデアのうち、どれを重視すべきかは家族構成やライフスタイルによって異なります。ここでは3つのタイプ別に、適した玄関のスタイルと、とくに取り入れたいアイデアを解説します。
子育てアクティブ家族
ベビーカーや三輪車、外遊びの道具など、かさばる荷物が多いのが子育てアクティブ家族の特徴です。これらが玄関ホールに出しっぱなしになると、すぐに散らかってしまいます。
そこでおすすめなのがウォークスルータイプのシューズクロークです。玄関から直接出入りでき、汚れたおもちゃやベビーカーもそのまま収納。家族はシューズクロークを通って室内に入る動線にすれば、メインの玄関は常にスッキリ保てます。
また「玄関ベンチ」を設ければ、子供が自分で靴を履く習慣づけにも役立ちます。
趣味・アウトドア満喫家族

キャンプ用品やスポーツ用具など、大きくて汚れやすい荷物の収納が課題となるのが、趣味・アウトドアを満喫する家族です。これらのアイテムを気兼ねなく室内に持ち込み、収納やメンテナンスができるスペースが求められます。
適切な解決策は、土間を広くとった玄関や、大型の土間収納です。土間なら、汚れたままの道具も気兼ねなく持ち込んで収納でき、そのまま手入れをする作業スペースとしても活用できて便利です。
来客が多いおもてなし家族
友人や知人を招く機会が多いおもてなし家族には、複数人が同時に並べる間口の広い玄関がおすすめです。ベンチもあると、靴の脱ぎ履きや荷物の一時置きにも便利で、お客様にとっても便利で喜ばれます。
また、玄関を「家の顔」として大切にしたいのもこのタイプの特徴。ニッチや間接照明、カウンター上の季節のディスプレイなど「見せる演出」にもこだわり、来客を迎えるための空間を演出するとよいでしょう。
マネしたい!おしゃれな玄関実例
ここでは、セキスイハイムで実際に建てられた住まいの中から、「思わずマネしたくなる」おしゃれな玄関の実例を紹介します。
見せる収納のある玄関

靴好きのご夫婦であるO様邸では、玄関に「見せる収納」を取り入れ、まるでショップのように靴をディスプレイしています。
壁には淡いグレーのエコカラットを採用し、気になるニオイも軽減。木製のデザインペンダントライトや、ブラックで統一した窓・ドアのフレームが空間を引き締めるアクセントになっています。
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土間がある玄関
T様邸では、玄関からつながる土間収納を設けています。靴はもちろん、防寒着や園芸用品、Tさんの趣味である釣り道具など、濡れたり汚れていたりする物も気にせず収納が可能です。
ふだんは扉を閉めておけば玄関側からは見えないため、来客時でもすっきりとした印象を保てます。
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中庭が見える玄関

まるでギャラリーのような佇まいの、A様邸の玄関ホールです。床から浮かせたフロートタイプの靴箱が、空間に奥行きと軽やかさをプラスしています。
正面には中庭を絵画のように切り取る大きなFIX窓があり、視線が抜ける開放感も演出されています。
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まとめ
玄関は、家族や来客を迎える「住まいの顔」であり、毎日の暮らしの始まりと終わりを彩る大切な場所です。おしゃれさだけでなく、収納や動線、素材選びといった実用面を考えることで、見た目も使い心地も満足できる玄関づくりが叶います。
本記事で紹介したチェックポイントや実例を参考にしながら、自分たちのライフスタイルに合った玄関の形をイメージしてみましょう。数年後も「この玄関にしてよかった」と思えるように、今の暮らしと未来の暮らし、どちらにも寄り添う設計が大切です。
セキスイハイムでは、豊富な実例とノウハウをもとに、一邸一邸に合わせた玄関や間取りをご提案しています。理想の住まいづくりに向けて、ぜひお気軽にご相談ください。
間取りコラム集
間取りづくりの基本となるポイントを
コラムでわかりやすく解説します。















































