間取りコラム集
リビングで後悔しない!
おしゃれと心地よさを両立する
ポイントとレイアウトのコツ

注文住宅の家づくりでは、多くの人が「家族が自然と集まるリビング」を理想に掲げます。けれども、実際に暮らし始めてみると「思ったより狭い」「落ち着かない」「なぜか片付かない」と感じることも少なくありません。
この記事では、おしゃれさと暮らしやすさを両立し、後悔しないリビングの作り方を、実例とともにわかりやすく紹介します。これからの暮らしを思い描きながら、理想のリビングを見つけていきましょう。
目次
家族が自然と集まるリビングとは?
「せっかく広くておしゃれなリビングをつくったのに、家族が集まらない」
注文住宅を建てた人から、そんな声を聞くことは決して珍しくありません。家族が自然と集まるリビングにするには、心地よさだけでなく、「行きたくなる理由」があることが大切です。
たとえばテレビをゆっくり観られる場所、ソファでくつろげる場所、本を読む場所、子どもが遊べるスペースなど、家族一人ひとりの「目的」を満たす居場所があると、それぞれが無理なく同じ空間に集まりやすくなります。
また、声をかけやすい距離感や、お互いの気配をほんのり感じられる間取りも大切な要素です。完全に仕切るのではなく、つながりを保ちつつ、それぞれの過ごし方を尊重できるレイアウトが、心地よい「集まるリビング」をつくります。
使いやすさと心地よさを両立するリビングのポイント
リビングは使いやすさと心地よさを両立してこそ、満足度の高い空間になります。住んでから「こうすればよかった」と後悔しないために、設計段階で意識したいポイントを5つ紹介します。
キッチン・ダイニングとの一体型か独立型かを「過ごし方」から選ぶ
LDKの配置には「一体型」と「独立型」の2種類があります。一体型はリビング・ダイニング・キッチンがひと続きになったレイアウト、独立型はそれぞれが壁や配置によって緩やかに区切られている形です。
一体型は家族との一体感を重視する人や、小さな子どもの様子を見ながら家事をしたい人に向いています。一方で独立型は、リビングで静かに過ごしたい人や、料理のにおい・音が気になる人に好まれます。
くつろぎ重視か、来客対応が多いか、家事効率を優先するのか。「どんなふうにリビングで過ごしたいか」から逆算して、適したスタイルを選ぶことが、後悔しない間取りづくりの第一歩です。
吹抜けと大きな窓で「開放感と光」をデザインする
リビングに吹抜けを設けると、縦に視線が抜けて、空間に広がりと非日常感が生まれます。高い位置に窓をつくりやすいため、外からの視線を気にせずに、たっぷりと自然光を取り込めるのも魅力です。
さらに、大きな掃き出し窓で庭やテラスとつなげれば、内と外の境界がゆるやかになり、空間全体に広がりを感じられます。家の中にいながら、外の景色や風を楽しめる心地よさが生まれます。
ただし、開放感を優先しすぎると、冷暖房の効率やプライバシーに影響が出ることも。開口部の取り方や窓の断熱性能など、設計段階での工夫が快適な空間づくりのポイントになります。
収納は「見せる」と「隠す」のバランスが重要
収納計画が暮らしに合っていないと、リビングが片付かない原因となります。
お気に入りの雑貨や本を並べるオープン棚と、生活感の出やすい日用品をしまう扉付き収納を組み合わせると、空間にメリハリが生まれます。壁面にぴったり収まる造作収納にすれば、すき間を生かしながら見た目もすっきり。インテリアの一部として機能するのもポイントです。
なお収納はリビングだけでなく、ファミリークローゼットなど家全体の収納とあわせて考えることも重要です。さらに生活動線と収納動線を一致させ、よく使う場所の近くに必要な収納を設けると、「片付けやすさ」が格段に向上します。
光と照明で、居心地のよい空間を演出する
居心地のよいリビングをつくるには、自然光と照明の使い方が重要です。まずは朝・昼・夜で光の入り方がどう変わるかを意識し、窓の配置を考えることから始めましょう。
夜の時間帯は、天井照明だけで全体を均一に照らすのではなく、間接照明やペンダントライトを取り入れてみてください。明るさに高低差をつけたり、温かみのある電球色を選んだりすることで、空間に落ち着きと奥行きが生まれます。
さらに、読書や勉強のように集中したい場面では、手元を照らす明かりがあると快適性がぐんと高まります。生活シーンに合わせて照明を使い分けることで、リビングの居心地が一段とよくなります。
家具を中心にレイアウトを考える
間取りが決まったあとに家具を選び始めると、「置きたかったソファが入らない」「動線が窮屈になった」といった失敗につながりやすくなります。だからこそ、設計段階で「何を置きたいか」をあわせて考えることが大切です。
なかでも、ソファやダイニングテーブルは空間の主役となる存在です。これらの配置を前提に、窓の位置やコンセント、生活動線まで計画しておくと、暮らしにフィットした間取りになります。
LDKの畳数別に考えるリビングレイアウト

ここからは、LDKの畳数別に、空間を使いこなし、心地よさを生み出すレイアウトのコツを考えてみましょう。
10畳のLDK:家具を絞って「密な居心地」を演出
10畳前後のLDKでは、置く家具を絞り込み、空間に余白を残すことが心地よさにつながります。家具を壁際に寄せて配置し、中央に床座スペースを設けるレイアウトにすると、窮屈さを感じにくく、落ち着いた雰囲気が生まれます。
また、ソファとダイニングチェアの機能を一つにまとめた「ソファダイニング」のように、複数の役割を兼ねる家具を選ぶのも効果的です。限られたスペースでも動線を確保しながら、くつろぎと食事の両立が可能になります。
必要なものだけを厳選した、シンプルで暮らしにフィットするリビングを目指しましょう。
15畳のLDK:「緩やかなゾーニング」が心地よさの秘訣
15畳前後のLDKは、リビングとしてバランスのとれた広さです。空間に「くつろぐ場所」「食事の場所」といった役割をゆるやかに分けることで、自然な動線が生まれ、過ごしやすさが向上します。
たとえば、ソファとローテーブルをくつろぎの場に、ダイニングテーブルを食事の場として配置すれば、空間にメリハリが出ます。テレビ周りにはラグや間接照明を取り入れると、リラックスした雰囲気をより強調できるでしょう。
さらに、収納や通路に沿って家具を並べれば視線が抜けて、空間が広く感じられます。壁面収納と飾り棚を組み合わせれば、インテリア性と実用性の両立も可能です。
20畳のLDK:「居場所」をつくることで空間を使いこなす
20畳以上のLDKは広さにゆとりがある分、「どこで何をするか」が曖昧になりやすく、空間を持て余してしまうこともあります。使い勝手を高めるには、空間ごとに役割を明確にすることが大切です。
テレビ周りはくつろぎの場として、ラグや棚で「座る・眺める・飾る」を意識。ダイニング側は会話が弾むよう、椅子の配置や照明を工夫すると空間に自然なリズムが生まれます。リビングに少し独立感を出したい場合は、両面使いできる収納棚などでゆるやかに仕切るのもおすすめです。
また、この広さなら、ソファを壁付けにせず中央に配置する「アイランド型レイアウト」も可能です。回遊性のある動線が生まれ、広さを生かした心地よい暮らしが実現します。
「なんだか違う…」を防ぐために。よくある失敗と対策

SNSや実例で見た理想のリビングも、いざ暮らしてみると「なんだか違う…」と感じることがあります。ここでは、よくある失敗例と、できる対策を紹介します。
家具を置いたら狭くて歩きにくい
間取りを決める際にレイアウトを意識していないと、広さは十分あるのに「家具を置いたら通りにくい」「なんとなく窮屈」「使いづらい余白ができてしまった」といった後悔につながることがあります。見た目の広さだけでなく、実際に歩く動線や、視線の抜け方にも配慮することが大切です。
たとえば、窓の位置が低いと背の高い家具が置けなかったり、テレビの設置場所によってソファの位置が限定されたりと、レイアウトは建築設計の影響を強く受けます。家具のサイズ感と配置イメージを早い段階で想定しておくことで、動きやすく、のびやかに過ごせる空間がつくれます。
おしゃれを優先して収納が足りない
「見せる収納」にこだわりすぎて、暮らし始めてから「生活感が隠せない」と感じるケースは少なくありません。とくにゴミ箱や掃除道具、おもちゃなど、日常的に出し入れする「雑多なモノ」は、意外と多く存在します。こうしたアイテムを見越して、最初から「隠す収納」を計画しておくことが大切です。
なお、収納はあとから「置く」よりも、造作棚や壁面収納のように空間に「組み込む」ことで、生活感を抑えながらインテリアに自然に馴染みます。使いやすさと美しさを両立させるためにも造作家具を検討するのがおすすめです。
照明や光の取り方で印象が暗くなる
日中は明るく見えるリビングでも、夜になると「思ったより暗い」「落ち着かない」と感じることがあります。自然光の入り方と照明の演出は、それぞれ別の視点で考えることが大切です。
夜の印象を左右するのは、照明の「当て方」です。天井照明だけに頼らず、間接照明やスポットライトを取り入れると、空間に奥行きと表情が生まれます。読書や団らんなど、シーンに合わせて明るさを調整できるようにすることが、暮らしの快適さを高めるポイントです。
また、注文住宅ならではの工夫として、勾配天井に高窓を組み合わせると、日中の自然光を上からしっかり取り込めます。時間帯ごとの光を意識した設計が、印象を大きく左右します。
おしゃれなリビング実例4選
ここでは、セキスイハイムで実際に建てられた住まいの中から、思わず取り入れたくなるような、おしゃれで心地よいリビング実例をご紹介します。
ダイニングと緩やかに区切られたリビング
リビングとダイニングの間に引き戸で仕切れる多目的スペースを設け、空間にプラスαのゆとりを持たせたO様邸です。
北欧ブルーのアクセントウォールが、落ち着きのある空間にさりげない個性を添えています。背の高い家具を置かないことで視界を遮らず、広がりを感じられるよう工夫しています。
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吹抜けのある明るいリビング
「どうしても吹抜けのある家にしたかった」という思いを形にし、家の中心に大きな吹抜け空間を設けたH様邸です。壁面にはスリット状の窓を設け、そこからやわらかな陽光がたっぷりと差し込みます。
室内にいながら自然の光と空の広がりを感じられるこの大空間は、家族の会話やつながりをさらに豊かにしてくれます。
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勾配天井のあるリビング

切妻屋根を活かした大らかな勾配天井が印象的なT様邸のリビングです。天窓からは自然光がたっぷりと降り注ぎ、室内を明るくやわらかに包み込みます。
リビングの一部にはデッキと同素材のタイルを採用し、内と外がゆるやかにつながる設計に。通り土間のような雰囲気も漂い、空間に遊び心と広がりをもたらしています。
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小上がりのあるリビング
三角屋根を活かした吹き抜けが印象的な、S様邸のリビングです。リビングの一角には小上がりを設け、縦格子でゆるやかに仕切ることで、家族がそれぞれの時間を楽しめる居心地のよいスペースとなっています。
ソファに腰掛けると視線の先に大きな吹抜けが広がり、明かり取りの窓から降り注ぐやわらかな光が、空間を心地よく満たします。
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まとめ
おしゃれで居心地のよいリビングをつくるには、見た目だけでなく「どう過ごしたいか」という視点を持つことが大切です。家族が自然と集まる場所にするには、それぞれの目的に合った居場所や、動線・収納・光の工夫が欠かせません。
また、同じ畳数でも、家具の配置や照明の取り方しだいで空間の印象は大きく変わります。注文住宅ならではの自由度を活かして、自分たちの暮らしにぴったり合ったレイアウトを考えていきましょう。
セキスイハイムでは、暮らしやすさとデザイン性を両立した間取り提案を行っています。まずは気軽にお問い合わせください。
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