「平屋を建てたいけれど、どれくらいの坪数が必要?」と悩む方は少なくありません。実際に必要な広さは、家族の人数や希望する間取りによって大きく変わります。
本記事では、国の統計データをもとに平屋の平均的な坪数を紹介するとともに、世帯人数・間取り別の目安をわかりやすく解説します。
暮らしやすい間取り例や、平屋を建てるために必要な土地面積の計算方法も紹介していますので、これから平屋を検討する方はぜひ参考にしてください。
平屋を検討するときに気になるのが、全国的に見た平均の広さです。
国土交通省の「建築着工統計調査」によると、2024年に新築された平屋の床面積は全国平均で約30坪(約98㎡)となっています。
なお、同じ床面積を確保する場合、平屋は2階建てや3階建てに比べて広い土地が必要になるため、地域差が生じやすいのが特徴です。具体的には土地代が高い都市部ほど平屋の面積は狭くなる傾向があり、例えば東京都では平均約27坪(約89㎡)と全国平均に比べ約10%狭くなっています。
平屋に必要な広さは、家族の人数によって変わります。
厚生労働省では、豊かな住生活を実現するために必要と考えられる住宅の面積を、「誘導居住面積水準」で世帯人数ごとに示しています。
それによると、世帯人数別に必要な戸建て住宅の坪数は以下のとおりです。
| 世帯人数 | 必要な居住面積 |
|---|---|
| 2人 | 約22.7坪(75㎡) |
| 3人 | 約30.25坪(100㎡) |
| 4人 | 約37.8坪(125㎡) |
家族人数に応じた適切な坪数を把握することが、平屋づくりの第一歩といえるでしょう。
なお、この基準はあくまで「ゆとりある住まい」を想定した数値であり、実際にはライフスタイルや間取りの工夫によって、もっと少ない坪数でも快適な家づくりができるケースも少なくありません。まずは、ハウスメーカーに相談してみましょう。
ここからは、坪数別に実現できる間取りの目安を具体的に紹介します。
20坪の平屋は、一人暮らしや夫婦二人の暮らしにちょうどいい広さです。
1LDKなら広めのリビングを確保しつつ、ウォークインクローゼットや土間収納なども設けたゆとりのある間取りを実現できます。
2LDKにすれば、夫婦それぞれの寝室にするほか、主寝室と客間・在宅ワークの部屋に分けるなど、多様な使い方が可能です。また、主寝室と子ども部屋での3人暮らしもできますが、いずれの場合も廊下をできるだけ省くなど、1LDKと比較するとコンパクトにまとめる工夫が必要になるでしょう。
全国平均でもある30坪の平屋は、ファミリー層にとってバランスのよい広さです。
2LDKなら、20畳以上のLDKを確保でき、ゆったりした暮らしが叶います。
3LDKであれば、3人家族がそれぞれ個室を持つのはもちろん、主寝室+子ども部屋2室とすることで、4人家族にも対応できます。
さらに「+1空間」を設けて4LDKも実現できますが、動線やLDKとのつながりに工夫が必要です。4LDKを希望するなら、30坪台後半の広さを確保するのが望ましいでしょう。
40坪の平屋は、ゆとりある間取りを実現しやすい広さです。
3LDKでも25畳前後の広々としたLDKを確保でき、さらにファミリークローゼットや広めの脱衣室・浴室、洗面室など、水まわりにも余裕をもたせやすくなります。あるいは駐車スペースと居住空間を一体化させる、インナーガレージを組み込むのもおすすめです。
4LDKなら、4人家族〜5人家族でもそれぞれ個室を持てるほか、主寝室+子ども部屋2室に加え、多目的に使える部屋としてもよいでしょう。
さらに大家族や二世帯住宅にフィットする5LDKも検討できますが、部屋数を増やすとLDKは手狭になりがちなので、生活動線への工夫が欠かせません。部屋数が多くなればなるほど、平屋の設計になれた住宅メーカーに相談することが、空間を活かした間取りを実現するには重要です。
平屋を建てる際には、建物そのものの坪数だけでなく、土地の条件も考慮する必要があります。その際、とくに重要になるのが「建ぺい率」です。ここで基礎知識を確認しておきましょう。
平屋を建てる土地の広さを考えるときには、建ぺい率の理解が欠かせません。建ぺい率とは、敷地面積に対して、建物の建築面積(建物を真上から見たときの水平投影面積)が占める割合を指します。
この数値は用途地域※や都市計画によって定められており、住宅地では30%から80%まで、10%おきに設定されています。建ぺい率が高いほど広い平屋を建てられることを意味し、たとえば50坪の土地の建ぺい率が30%であれば、建築面積で最大15坪の平屋までしか建てられませんが、80%なら40坪の平屋まで建築が認められます。
また、角地などの条件によっては、建ぺい率が緩和されるケースもあるため、平屋を検討している土地がどのような建ぺい率となっているか、よく確認することが重要です。
※用途地域:都市計画に基づき、土地の利用方法を定めた区分のこと。住宅地・商業地・工業地など13種類があり、それぞれ建ぺい率や容積率などの制限が定められている。
平屋を建てる際に必要な土地の広さは、「建物の坪数÷建ぺい率」で算出できます。
たとえば、建ぺい率60%の土地で30坪の平屋を建てたい場合、必要な土地の広さは「30坪÷0.6=50坪」となります。
ただし、これはあくまで平屋を建てるために最低限必要な面積にすぎません。実際には、駐車スペースや庭の広さなども考える必要があります。暮らしやすさを考えるなら、最低限の数値にとらわれず、余裕を持った土地選びを意識しましょう。
ここからは、セキスイハイムが提案する平屋プランを、延床面積(坪数)ごとにご紹介します。暮らしやすさを重視した設計ポイントにも、ぜひ注目してみてください。
延床面積20.2坪(66.88㎡)ながらも、開放感と暮らしやすさを両立した1LDKの平屋プランです。動線や視線の抜けに配慮した設計により、面積以上の広がりを感じられるよう工夫されています。
リビングとダイニングはあえて位置を少しずらして配置することで、ひと続きの空間に緩やかなゾーニングをつくり、メリハリのある居心地を実現しています。
南側の「うちそとテラス」はリビング・主寝室のどちらからも出入りでき、内と外が自然につながる開放的な生活を可能にしています。
コンパクトながら快適性と機能性を兼ね備えた好例として、1人〜2人暮らしの住まいはもちろん、セカンドハウスを検討する方にも参考になるプランです。
延床面積26.2坪(86.63㎡)の、使いやすい収納計画が魅力の平屋プランです。
玄関を入ってすぐの収納には、アウターや子どもの遊び道具など外で使うものをまとめて収納できます。タタミコーナー横にも収納を設けており、客用布団はもちろんリビングまわりの日用品やこどものおもちゃを収納できるので、部屋をスッキリ使えて便利です。
主寝室には大容量のウォークインクローゼットを備え、衣類や季節物などをまとめて収納可能。用途ごとに使い分けできる収納が適所に配置されているため、室内が散らかりにくく、すっきりとした暮らしを維持しやすい平屋です。
延床面積34.9坪(115.45㎡)、3LDKのゆとりある平屋プランです。北側に玄関を配置したことで、LDKや各居室を南側に多く確保でき、日当たりのよい明るい住まいに仕上がっています。
LDKは26.5畳の広々空間。大きな窓から光をたっぷりと採り込み、日中は照明いらずで快適です。スキップフロアを設けるプランは、横方向だけでなく縦方向への広がりも生まれます。スキップフロアの下はペットの専用スペースとしてもおすすめです。
家族もペットも明るく心地よく暮らしたい方におすすめのプランです。
延床面積43坪、約144.7㎡の2LDK平屋プランです。
玄関と隣接した位置にビルトインガレージを配置しており、雨の日でもスムーズな動線を実現しています。買い物帰りの荷物運びや、子ども連れの外出もラクにおこなえます。
建物全体は凹凸の多い形状に設計されており、外壁の「面」を増やすことで多方向から自然光を取り込めるのが特長です。延床面積が広くても、家の隅々まで明るさを十分に確保できるよう工夫されています。
視線が抜けるテラスを取り込んだLDKは、開放感とプライベート性の両立を叶えた心地よい空間に。ゆとりある暮らしを楽しみたい方にぴったりのプランです。
ここからは、平屋の坪数についてよくある質問とその回答を紹介します。
平屋の建築費は、延床面積の広さに応じて変わります。
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によると、2024年度の注文住宅にかかった平均建築費(本体+付帯工事費)は約3,932.1万円(税込)、住宅面積の平均は約35.8坪(約118.5㎡)でした。これを坪単価に換算すると、約109.5万円(税込)が目安となります。
30坪の注文住宅だと約3,285万円(税込)になる計算ですが、この坪単価は2階建てや3階建ても含んだものである点に注意が必要です。屋根や基礎の面積が広くなる平屋は、同じ延床面積の2階建てよりも坪単価が高くなる傾向があり、また面積が小さいほど割高になる点は、よく理解しておきましょう。
※「フラット35利用者調査」のデータを元に試算した目安です。必ずしもセキスイハイムでの建築費を示すものではありません。各種条件により建築価格は変動します。
限られた坪数でも、設計の工夫によって実際以上に広さを感じられる平屋にすることは可能です。
たとえば勾配屋根を活かして天井を高くすれば、縦方向に抜け感が生まれ、開放感がぐっと増します。あわせて高窓や天窓を設ければ、さらに効果的です。
また、大きな窓で視線が抜けるようにすると、室内がより広々した印象になります。さらにウッドデッキを設けると、オープンリビングとして活用でき、実際の床面積以上の広さを感じられるでしょう。
広い平屋は同じフロアに部屋数や廊下が増えやすく、間取りによっては光が届きにくくなるため「暗い」と感じられることがあります。とくに建物の形状が真四角に近いと、中央に光が届きにくくなってしまいがちです。
この問題を解決するには、吹抜けを設けて高窓や天窓をつけるのが有効です。また、敷地条件によりますが、L字やコの字、ロの字にし、中庭を設けるのも効果的です。その際、掃き出し窓は大開口にし、できるだけ光を取り込むなど、採光計画を工夫しましょう。
\POINT/
セキスイハイムのボックスラーメン構造は、柱と梁を一体化させた強靭なフレームにより、高い耐震性と自由度を両立。
壁や柱を少なくできるため、大開口や広々とした空間設計がしやすく、平屋でも明るく開放的な住まいを実現できます。
平屋住宅は、階段のない暮らしや、地震に強い構造といったメリットから、幅広い世代に選ばれています。一方で、必要な坪数や土地の広さ、建築費や間取りの工夫など、事前に理解しておきたいポイントも多くあります。
平屋の間取りや土地選びは、専門的な知識が必要になる場面も多いため、具体的な計画を立てる際には、住宅メーカーに相談するのがおすすめです。
セキスイハイムでは、オンラインによる間取り相談も受け付けています。自分たちに合った理想の平屋を見つけたい方は、ぜひ活用してみてください。
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