セキスイハイムセキスイハイムの平屋住宅

コラム09

シニア夫婦に平屋がおすすめの理由は?広さや間取りの工夫・費用のポイントを紹介

自然光が差し込むリビングでソファに座ってくつろぐ高齢の夫婦

シニア夫婦がこれからの暮らしを考える際、「平屋で負担の少ない生活」は多くの方にとって現実的な選択肢のひとつです。生活動線が短く、将来の体力低下にも配慮できる平屋は、ふたりで安心して暮らし続けるための住まいとして注目されています。

この記事では、シニア夫婦が快適に暮らせる平屋の間取りや工夫、建築費用の目安までをわかりやすく解説します。安心して永く暮らせる住まいづくりの参考にしてみてください。

シニア夫婦には二階建てより平屋がおすすめな理由は?

庭で鉢植えに水をあげる高齢の夫婦

老後の住まいとして平屋が選ばれる理由には、二階建てにはない「安心感」や「暮らしやすさ」などがあります。ここでは、シニア夫婦にとって平屋がどのように合理的で、日々の生活を支えてくれるかを3つの視点から詳しく紹介します。

ワンフロアで暮らしが完結する

平屋の最大の魅力は、生活に必要なすべてがワンフロアで完結することです。

2階に上がる必要がなく、LDKや寝室、水まわりなどがすべて同じフロアにそろっているため、日々の動線が短くなり、効率のよい暮らしが実現します。

たとえば、洗濯物を干す・たたむといった家事の移動距離が少なくなることで、作業にかかる負担やストレスがぐっと軽くなります。

上下移動がないため体への負担や転倒リスクが少ない

シニア世代にとって、上下階の移動がないことは大きな安心材料です。階段の昇り降りが不要になることで、膝や腰への負担が軽減され、身体への負荷を抑えた暮らしが実現できます。

また、高齢になると筋力やバランス感覚が低下し、ちょっとした段差でも転倒のリスクが高まります。その点、平屋であれば室内の段差を抑えた設計がしやすく、転倒によるケガを未然に防ぐことが可能です。とくに視界が悪くなりがちな夜間のトイレ移動では、階段を使わずにすぐ行き来できる環境が、安心感を高めてくれるでしょう。

夫婦がお互いの気配を感じながら過ごせる

平屋はすべての部屋がワンフロアに収まるため、夫婦が自然とお互いの気配を感じながら暮らせる間取りがつくりやすくなります。リビングや寝室、キッチンなどが同じ階にあることで、顔をあわせていなくても、なんとなく気配を感じる心地よい距離感を保てるのがメリットです。

とくに体調の変化が起きやすいシニア期には、相手のちょっとした異変にも気づくことが、緊急時の適切な対応につながります。

シニア夫婦に適した平屋の広さや間取りは?

シニア夫婦が平屋で快適に暮らすには、広すぎず狭すぎない「ちょうどよい広さ」と、ライフスタイルに合った間取り選びが重要です。ここでは、2人暮らしに適した延床面積の目安と、暮らし方に応じた間取りのタイプをご紹介します。

2人暮らしなら75㎡(約22.7坪)が目安

シニア夫婦2人で暮らす平屋の広さは、快適性と将来性をふまえて検討することがポイントです。

厚生労働省の住生活基本計画における居住面積水準によれば、大人2人が豊かな住生活を実現するために必要な戸建の広さは、75㎡(約22.7坪)とされています。これは一般的な2LDKに相当し、暮らしにゆとりをもたせつつもムダのない広さと言えるでしょう。

一方、集合住宅では55㎡(約16.6坪)が目安とされており、戸建でも間取りや収納計画を工夫すれば、20坪以下でも心地よく暮らせる住まいは十分に可能です。

永く快適に暮らす平屋にするには、老後のライフスタイルに合った適切な広さを見極めることが大切です。

間取りは1LDK〜3LDK

シニア夫婦の平屋は、1LDKのミニマムな間取りから、来客や将来の同居を見据えた3LDKまで、暮らし方によって適切な選択肢が変わります。ここではそれぞれの特徴と、どのような夫婦に向いているかを紹介します。

【1LDK】ミニマムな二人暮らしをしたい夫婦

1LDKの平屋は、小さい空間で効率的に暮らしたい夫婦に向いています。寝室とLDKを中心としたシンプルな間取りであるため、建築費や光熱費、維持管理の手間を抑えられるのもメリットです。

同じ空間で過ごす時間が長くなることから、趣味や会話を一緒にたのしみたい夫婦や、生活リズムが近い方にとっては快適な暮らしが実現しやすい間取りです。また、外出が多いアクティブなライフスタイルや、モノを増やさないミニマム・シンプルな暮らしを好む方にも向いています。

【2LDK】「個の空間」を大切にしたい夫婦

2LDKの平屋は、夫婦それぞれの「自分の時間」を大切にしたい方や、余白のある空間設計をしたい方に適した間取りです。

2つの個室を夫婦それぞれの寝室とすることで、生活リズムや室温の違いにも柔軟に対応できます。また、寝室をひとつにまとめ、もう一部屋を趣味の空間や書斎、多目的に使える和室とすれば、暮らしにゆとりをもたらすプラスの空間として活用できます。

来客時にはゲストルームとしても使えるため、子どもや孫の訪問がある家庭にも安心です。生活に適度な距離感と多用途性を取り入れたい夫婦にとって、2LDKはバランスのとれた選択肢と言えるでしょう。

【3LDK】来客や将来の変化にも備えたい夫婦

3LDKの平屋は、来客対応や将来的な家族構成の変化に備えたい夫婦に適した間取りです。

夫婦それぞれの個室に加えて、もう一部屋をゲストルームや趣味の部屋など多目的スペースとして確保することで、子どもや孫の帰省、友人の宿泊などにも柔軟に対応できます。暮らしに余白が生まれるのはもちろん、将来的に子どもとの同居を検討する場合にも、3LDKの広さが役立ちます。

「いま」だけでなく「これから」にも対応したい場合に、選択肢に入れたい間取りです。

シニア夫婦がストレス少なく暮らせる平屋の工夫とは?

家の模型が置かれたテーブル越しに車いすの人物が見える明るいリビング

シニア夫婦が平屋で快適に暮らし続けるためには、将来を見据えた設計や設備の工夫が欠かせません。ここでは、日々の動作をラクにする間取りや、安全性・快適性を高めるためのポイントを具体的に解説します。

バリアフリー設計にする

シニア夫婦が永く安心して暮らすには、段差の少ないバリアフリー設計が重要です。加齢に伴い筋力やバランス感覚が低下すると、小さな段差でも大きな事故につながることがあるためです。玄関からリビング、寝室、浴室まで、できるだけ床の段差を減らし、つまずきや転倒のリスクを減らしましょう。

また、将来的に車椅子を使う可能性も考慮するなら、廊下や出入口の幅を広めに確保しておくと安心です。トイレや浴室のスペースも、介助が必要になった時のことを想定して設計しておくと、あとからのリフォームの負担を減らせます。

トイレは寝室の近くに配置する

シニア夫婦の平屋では、トイレの配置も快適性と安全性を左右する重要なポイントです。

とくに夜間の使用を想定すると、寝室の近くにトイレを設けることをおすすめしています。移動距離が短くなり、転倒リスクを大幅に抑えられることが理由です。

高齢になると夜間に何度も起きることが増えるため、照明の配置や足元の段差にも配慮が必要です。また、将来的な介助や車椅子利用も見据えて、トイレまわりのスペースには十分なゆとりをもたせておく、手すりを後付けできるように壁に下地材を入れておくといった工夫をしておくと安心です。

寝室は緩やかに区切るのもおすすめ

シニア夫婦の寝室は、完全に個室に分けるのではなく、広い空間を緩やかに区切る設計も一つの選択肢です。

たとえば、可動式の間仕切りやウォークスルー収納で空間を仕切れば、プライバシーを保ちながらも、お互いの気配を自然に感じられる距離感をつくれます。さらに、高齢になって体調が気になる時や、具合の悪い時には、仕切りを開けたり取り払ったりして、ひと続きの空間にすることも可能です。

空間のつながりと個の快適さを両立できる間取りは、安心感のある暮らしにつながります。

家事動線・生活動線を効率化する

家のなかの移動をできるだけ少なくすることは、シニア夫婦にとって日々の快適さに直結します。とくに加齢によって体力や持久力が低下してくると、移動の回数や距離の長さがストレスになりやすいので、家全体の動線がなるべく短くなるよう設計する視点が大切です。

たとえば、洗濯動線を「洗う→干す→たたむ→しまう」が一箇所で完結するように設計すれば、家事の負担を大幅に軽減できます。また、重い荷物の持ち運びを減らすために玄関とキッチンの距離を近づける、トイレと寝室を隣接させるなど、生活動線も短く整えることで、無理のない日常が実現します。

断熱性能・気密性能を高める

シニア夫婦が快適に過ごすには、室温を安定させやすい住宅性能も大切です。

そのためには、断熱性や気密性を高めて外気の影響を受けにくくし、夏は涼しく冬はあたたかい環境を維持する工夫が欠かせません。とくに冬場は、部屋ごとの大きな温度差による体への負担を軽減するためにも、廊下やトイレなどもふくめて温度差を少なくできる設計が理想です。

その点、全室空調を導入すれば、家全体で室温の差を小さくでき、快適な空間をつくりやすくなります。冷暖房効率の向上により、光熱費のムダも抑えられるなど、日々の安心とコスト管理の両面でメリットがあるため、検討してみるとよいでしょう。

防犯性に配慮する

年齢を重ねると、万が一の際にとっさの対応が難しくなりがちなことから、侵入を「防ぐ」工夫が大切になります。

とくに平屋は、窓の位置が地面に近くなることで、外部からの侵入リスクが高まる傾向があります。そのため、防犯ガラスやシャッター、面格子などを適切に設置し、不審者の侵入を物理的に防ぐ対策が有効です。

また、インターホンやセンサーライト、防犯カメラなどを活用することで、外部の気配にすぐ気づける環境を整えることも安心感につながります。

さらに、日頃から近所づきあいや地域とのつながりを大切にして、万が一の時にも助け合える関係性を築いておくことも大切です。

シニア夫婦におすすめの間取り例

1LDK|自然とつながるL字設計で、暮らしにひろがりをプラス

延床面積: 56.88㎡(17.2坪)

リビングと主寝室がウッドデッキにつながる1LDKの間取り図

リビングと主寝室の両方がテラスに面した、自然とのつながりを感じられる開放的なL字型の1LDKです。玄関からすぐにリビングへ入る廊下のない設計により、効率的な動線とムダのない空間活用を実現しました。

テラスはアウトドアリビングとしても活用でき、日々の暮らしに心地よい余白をもたらします。主寝室には約3畳のウォークインクローゼットを備え、収納スペースも充実しています。シンプルでコンパクトながらも、開放感と機能性を兼ね備えた住まいです。

1LDK|開放感と距離感が心地よい住まい

延床面積: 74.12㎡(22.4坪)

リビングと主寝室がウッドデッキに面した開放的な住宅の間取り図

10畳超のゆとりある主寝室は、空間を緩やかに区切ることで、夫婦それぞれのプライバシーを保ちながら、気配を感じられる心地よい距離感を実現。LDKは対面キッチンとすることで、調理中もリビングにいるパートナーと自然な会話が生まれやすく、庭の景色を眺めながら家事ができる設計です。

テラスはリビングと寝室のどちらからも出入りでき、屋外とのつながりを日常的にたのしめる点も魅力です。ウォークインクローゼットの他、納戸や造り付け収納を豊富に備え、暮らしやすさと心地よさをていねいにかたちにした住まいです。

2LDK|自分時間も大切にできる、ゆとりのある間取り

延床面積: 92.37㎡(27.9坪)

広々としたウッドデッキが特徴の開放的な2LDKの間取り図

広々としたテラスがLDKと個室を緩やかにつなぐ、開放感のある2LDKのプランです。子や孫、友人たちが遊びに来た時には、広々としたテラスをアウトドアリビングとしてお茶や食事をたのしめます。リビングには畳コーナーも設けており、客間としても活用できます。

夫婦の個室は、リビングを挟んで対角に配置することで、互いの時間を大切にしながら暮らせる設計です。夫婦それぞれが自分のペースで過ごしつつ、心地よい関係性を維持したいご夫婦におすすめの間取りです。

シニア夫婦の平屋建築で知っておきたい費用のこと

ここでは、シニア夫婦が平屋を建てる際に知っておきたい建築費の目安や、ローン計画の注意点、活用を検討したい補助制度について解説します。

平屋の建築費用の相場は?

平屋住宅の建築費は、面積や仕様によって幅がありますが、おおよその相場を知っておくと全体の予算計画が立てやすくなります。

住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によると、2023年度に注文住宅にかかった平均坪単価(本体+付帯工事費)は約107万円(税込)となっています。2人暮らしの目安とされる75㎡(約22.7坪)の平屋であれば、建築費の目安はおよそ2,354万円(税込)※となる計算です。

ただし、平屋は基礎や屋根の面積が広くなるため、同じ面積の2階建てと比べて割高になりやすい点は理解しておきましょう。また、土地取得費や外構、諸費用も別途必要になります。シニアの家づくりでは、それらを加味したうえで、将来の収入や支出も見据えた現実的な資金計画を立てることが重要です。

※「フラット35利用者調査」のデータをもとに試算した目安です。必ずしもセキスイハイムでの建築費を示すものではありません。各種条件により建築価格は変動します。

シニアの資金計画で気をつけたいこと

シニア世代が新築で平屋を建てる際は、住宅ローンを利用せず、退職金や預貯金などで現金一括購入を検討される方が多いでしょう。その場合に注意したいのが、「老後資金の取り崩しすぎ」です。

住宅に理想を詰め込みすぎてしまうと、将来の生活費や医療費などはもちろん、旅行や趣味、家族との時間といった老後とたのしむための資金まで圧迫してしまうおそれがあります。
安心して、そして豊かに老後を過ごすためには、住まいに掛ける費用とのバランスをしっかりとることが重要です。

あれこれと詰め込むのではなく、自分のライフスタイルや健康状態をふまえ「本当に必要なモノ」を選び抜くことが、家だけでなく人生全体の満足度を高めることにつながります。

補助金の活用を検討する

新築で平屋を建てる場合、省エネ性能や設備の条件を満たせば、国の補助金を活用できることがあります。初期費用を抑える選択肢として、検討してみることをおすすめします。

制度名 内容 補助上限額
子育てグリーン住宅支援事業 省エネ性能に優れた住宅の取得を国が後押しする制度 住宅の水準や世帯の種類により40万円〜100万円
ZEH(ゼッチ)補助金(ZEH(ゼッチ)支援事業) 省エネと創エネの工夫で年間の一次消費エネルギーゼロを目指す住宅に対する補助金 ZEH(ゼッチ)の水準により55万円〜90万円
※蓄電システムなどに対する追加補助あり
※2025年7月30日時点の情報にもとづく

制度や申請条件は年度によって変更されるため、利用できるかどうかは早めにハウスメーカーへ相談しましょう。

まとめ

明るいリビングでソファに座ってタブレットを見る高齢夫婦

シニア夫婦のこれからの住まいには、階段のないワンフロアで完結する平屋が安心です。将来的な体力の変化や介護を見据えても、段差の少ないバリアフリー設計や効率的な生活・家事動線が、快適な毎日につながります。

また、間取りはいまの暮らし方にあわせつつ、将来の変化にも柔軟に対応できるよう考えておくことが大切です。暮らしの質を高める住まいづくりのために、住宅性能や防犯性、資金計画までトータルで検討するとよいでしょう。

セキスイハイムでは、シニア夫婦向けの間取り相談や見積もりもオンラインで申し込めます。気になる方は、まずは気軽にご相談してください。

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