平屋には、マンションや2階建てでは得られないメリットがあります。暮らしやすさや将来への備えを重視するなら、一人暮らしの選択肢として平屋を検討してみませんか?
この記事では、一人暮らしに平屋を選ぶメリットや、ライフスタイルにあわせた間取りの選び方、女性やシニアでも安心・快適に暮らせる工夫、そして新築にかかる費用の目安までを具体的に解説します。コンパクトでも心地よく、永く安心して住める平屋づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
まずは、「自分らしさ」「快適さ」「将来の安心」といった観点から、一人暮らしで平屋を選ぶメリットを、マンション・2階建てと比較して見ていきましょう。
マンションと平屋を比べた平屋のメリットには、次のようなものがあります。
一人暮らしで平屋の注文住宅を選ぶと、間取りから外観デザイン、窓や玄関の位置までゼロから設計できます。自分の暮らし方や価値観をそのままかたちにできるのが、マンションでは得られないもっとも大きな魅力です。
マンションでも専有部分に限っては間取り変更が可能ですが、管理規約の制約があるため、自由度には限界があります。また、建物の外観や窓の配置など、住まい全体を自分好みに整えることは難しいのが現実です。
「過ごしやすさ」と「好みのデザイン」を両立させた、理想の住まいを実現しやすいのが平屋を選ぶメリットです。
マンションでは難しい「庭のある暮らし」も、平屋なら実現しやすくなります。
リビングと庭を緩やかにつなぐレイアウトにすれば、視線が外へ抜け、実際の面積以上にひろがりを感じられる空間になります。季節の移ろいを感じながらくつろげる屋外空間は、家庭菜園やガーデニング、アウトドアリビングとしても活躍するでしょう。
ウッドデッキやテラスを設ければ、室内と屋外の行き来もスムーズになり、暮らしの幅がぐっとひろがります。日々の生活のなかで、つねに自然とのつながりを感じられる点も、平屋ならではの大きな魅力です。
集合住宅では、階下や隣室への生活音に気を遣う場面が少なくありません。現在マンションに暮らしている方のなかには、隣室への生活音に配慮する必要があり、早朝や深夜の家事・趣味などで自分の生活リズムを保ちにくく、ストレスを感じることも多いのではないでしょうか。
その点、平屋での一人暮らしなら、上下階の音を気にする必要がなく、自分のペースで日々を過ごせます。時間に縛られず、誰にも気兼ねなく暮らせる環境は、生活そのものの質を高めてくれるでしょう。
一人暮らしとはいえ、将来のライフスタイルが変化する可能性は少なくありません。結婚や親との同居、在宅勤務の定着など、予想していなかった理由で住まいに求める条件が変わることもあります。
その点、平屋はワンフロア構成のため、将来的な間取り変更や増築にも柔軟に対応しやすいのが特長です。建物全体の構造が比較的シンプルなため、負担を抑えながら手を加えやすいのも利点です。
ライフステージに応じて住まいを調整できる柔軟性は、永く安心して暮らすうえで心強いポイントと言えるでしょう。
続いて、2階建て住宅と比較した場合の平屋のメリットを紹介します。
2階建てにない平屋の大きなメリットは、生活動線がすべてワンフロアで完結する点です。
階段の上り下りがなく、キッチン・リビング・寝室・水まわりといった生活拠点がワンフロアでまとまり、移動距離が短くスムーズです。家事の効率も上がり、部屋の行き来がラクになることでストレスの少ない生活が実現できます。
自分のペースで無理なく暮らせる、そんな住まいのかたちとして平屋はぴったりの選択肢と言えるでしょう。
将来のことを見据えると、平屋は一人暮らしにも非常に合理的な住まいと言えます。
年齢を重ねるにつれて体力が落ち、階段の上り下りがつらく感じられる場面は少なくありません。とくに足元が不安定になりやすい高齢期には、階段での転倒や転落によるケガのリスクも高まります。
その点、すべての生活空間がワンフロアで完結する平屋なら、移動の負担や事故のリスクを軽減できます。生活動線全体を安全に整えやすく、「終の住まい」として永く安心して暮らせる環境をつくりやすいのが、平屋の大きなメリットです。
一人暮らしで平屋を建てる場合、間取りの選び方によって暮らしのスタイルや快適さの感じ方にも違いが出てきます。ここでは、一人暮らしをする平屋で選ばれやすい、1LDK・2LDKそれぞれの特長と、自分に合った選び方のヒントを紹介します。
1LDKの平屋は、LDKと寝室の2つの主要な空間で生活が完結する、コンパクトで効率的な間取りです。生活動線がシンプルで移動も少なく、掃除や整理整頓もしやすいため、一人暮らしにちょうどよい空間として選ばれやすいのが特長です。
日常に必要なスペースだけをムダなくレイアウトできるため、空間に余白を残しながら心地よく暮らせるのも魅力です。趣味やインテリアにこだわりたい人にも適しており、必要な要素に絞って暮らしを組み立てたい方にはぴったりの選択肢です。
ミニマルで快適な生活を実現したい一人暮らしには、1LDKが有力な候補になるでしょう。
2LDKの平屋は、生活空間にプラス1部屋の余裕があることで、暮らし方の幅がひろがります。来客用の個室として活用したり、趣味や仕事のためのスペースとして使ったりと、寝室以外のひと部屋を、ライフスタイルに応じて柔軟に使い分けられます。
たとえばリモートワークが中心の方であれば、もう一部屋を仕事部屋として独立させることで、生活とのメリハリをつけやすくなります。また、子や孫が遊びに来る機会の多いシニア世代なら、宿泊用の個室として使えるため、気兼ねなく招き入れることができるでしょう。
また、収納スペースが増えることで整理整頓しやすく、日々の暮らしにもゆとりが生まれます。将来的に結婚や家族との同居の可能性を考慮する方にとっても、2LDKは永く快適に住み続けられる間取りとしておすすめです。
一人暮らしでも、安心して快適に暮らせる平屋を実現するには、いくつかの工夫が欠かせません。ここでは、空間のひろがりや収納、防犯、将来への備えといった観点から、シニアや女性が快適に、そして安心に暮らせる住まいづくりのポイントを紹介します。
一人暮らし用の平屋はコンパクトに設計されることが多いため、実際の広さ以上に「広く感じられる空間づくり」が重要になります。
たとえば、天井を高くとれる勾配屋根や、壁の高い位置に設けるハイサイドライトを採用することで、自然光を取り込みながら開放感を演出できます。さらに、テラスやウッドデッキを設けて室内と屋外を緩やかにつなげれば、視線が外に抜けて空間のひろがりを感じやすくなります。
こうした工夫をできるだけ取り入れ、狭さを感じにくく、快適に過ごせる住まいを実現しましょう。
コンパクトな平屋では、居住スペースを優先するあまり収納が不足しがちです。収納が足りないとあとから家具を追加することになり、結果的に部屋が狭く感じられる原因にもなります。そのため、限られた空間のなかでも効率よく収納を確保する工夫が大切です。
たとえば、壁の厚みを活かした埋め込み収納や小屋裏収納、ロフトを設ける方法などが考えられます。
設計の段階で新居に持ち込むモノを整理して、使う場所に使うモノをしまえる設計にしておくと、スッキリとした空間で快適な毎日を過ごせるようになります。
一人暮らし用の平屋を「終の住まい」として考えるなら、将来の体力低下やケガのリスクを見据えた設計が重要です。
とくに玄関や浴室など、段差ができがちな場所は転倒の原因になりやすいため、できるだけフラットな設計を意識しましょう。将来的に手すりなどを設置することを想定し、あらかじめ壁内部に補強材を入れておくのも有効な対策です。
また、引き戸や広めの開口部を採用しておけば、介助や車椅子にも対応しやすくなります。
あらかじめバリアフリーに備えておくことが、年齢を重ねても無理なく安心して暮らせる住まいにするポイントです。
一人暮らしでは、防犯性やプライバシーの確保も重要です。
平屋は道路からの距離が近くなる傾向があり、外からの視線が気になりやすいという側面があります。そのため、目隠しフェンスの設置や窓の配置を工夫して、生活空間を外部から直接見えにくくする設計が有効です。また、センサーライトやスマートロックといった防犯機能の高い設備を取り入れておくと安心です。
近隣とのつながりが希薄になりがちな一人暮らしだからこそ、日頃から周囲とのコミュニケーションを大切にすることも、防犯の一環として効果的です。
一人暮らしでは、住まいの掃除やメンテナンスをすべて自分でおこなう必要があるため、日常的な管理のしやすさも大切な視点です。
水まわりや外構には、汚れがつきにくく劣化しにくい素材を選ぶことで、掃除の手間や将来的な修繕負担を軽減できます。とくに外壁材や屋根材は、素材によって耐用年数が大きく異なることが特徴です。初期費用はやや高くても、耐久性に優れたものを選べば結果的にメンテナンスコストを抑えられる場合があります。
長期的な視点で素材や仕様を選ぶことも、永く安心して暮らせる平屋にするためには重要です。
ここでは、一人暮らしをたのしめるおすすめの間取りを紹介します。
延床面積: 67.95㎡(約20.5坪)
愛車のバイクとともに暮らす夢を叶えるため、バイク専用ガレージを設けた設計が特徴です。ガレージは室内外どちらからも行き来できる「うちそと空間」となっており、日々のメンテナンスも快適です。
LDKはリビングに向けて対面キッチンとすることで、庭を眺めながら開放的な気分で料理できます。寝室には広々としたW.I.Cを設け、収納力もしっかり確保しています。
延床面積:76.66㎡(約23.1坪)
ゆとりある2LDKの間取りは、週末に趣味仲間と集まったり、離れて暮らす親や子が泊まりに来たりと、交流のある一人暮らしを叶える設計です。玄関に近い個室は、ふだんはシアタールームとして趣味に没頭でき、来客時にはゲストルームに早変わりします。
リビングには大きなソファをおいて語らいの時間をたのしめる、広々とした空間に仕上げました。天気のよい日はウッドデッキをアウトドアリビングとして開放的に使えるのも魅力です。
一人暮らしで平屋を検討する時に、「どのくらいの広さで、どの程度の費用がかかるのか」が気になる方も多いでしょう。ここでは、広さの目安をもとに、平屋を新築する費用感を現実的にイメージできるよう解説します。
一人暮らしで平屋を建てる際の費用は、まず「どのくらいの広さで建てるか」によって大きく変わります。
厚生労働省が示す住生活基本計画における居住面積水準によると、大人1人が豊かな住生活を送るために必要な面積は、戸建住宅で55㎡(約16坪)です。この広さであれば、1LDK相当のコンパクトで快適な住まいを実現しやすくなります。
また、来客や趣味スペースも確保できる2LDKにしたい場合は、2人暮らしに適切とされる73㎡(約22坪)を目安にするとよいでしょう。
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」をもとに、2023年度に注文住宅にかかった平均坪単価(本体+付帯工事費)を計算すると、約107万円(税込)と算出できます。
この金額をもとに試算すると、55㎡(約16坪)の平屋で約1712万円(税込)、73㎡(約22坪)だと2,354万円(税込)が建築費の目安※になります。
ただし、平屋は構造上、基礎や屋根の面積が広くなるため、同じ床面積で考える場合は2階建てよりも割高になる傾向があります。とくに建物がコンパクトになるほど坪単価が上がりやすいため、一人暮らし用の平屋は想定より費用が高くなる可能性も考慮しておきましょう。
また、土地代や諸費用は別途必要になるため、全体の資金計画についてはハウスメーカーと相談しながら、余裕をもって考えることも大切です。
※「フラット35利用者調査」のデータをもとに試算した目安です。必ずしもセキスイハイムでの建築費を示すものではありません。各種条件により建築価格は変動します。
新築で平屋を建てる場合、一定の条件を満たせば次のような国の補助制度を活用できるケースがあります。
制度名 | 内容 | 補助上限額 |
---|---|---|
子育てグリーン住宅支援事業 | 省エネ性能に優れた住宅の取得を国が後押しする制度 | 住宅の水準や世帯の種類により40万円〜100万円 |
ZEH(ゼッチ)補助金(ZEH(ゼッチ)支援事業) | 省エネと創エネの工夫で年間の一次消費エネルギーゼロを目指す住宅に対する補助金 | ZEH(ゼッチ)の水準により55万円〜90万円 ※蓄電システムなどに対する追加補助あり |
条件や補助額は制度によって異なるため、利用可能かどうかを含め、早めにハウスメーカーに相談しましょう。
一人暮らしの住まいとして、マンションや2階建てではなく平屋を選ぶことには多くのメリットがあります。生活動線のわかりやすさや将来の安心感を重視するなら、平屋は非常に合理的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、快適に暮らすには開放感を意識した空間づくりや収納の確保、防犯対策など、さまざまな工夫が必要です。セキスイハイムでは、一人暮らし向けの間取り相談や資金計画のシミュレーションもオンラインでお申し込みいただけます。気軽にご相談してみてください。
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