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プレスリリース

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セキスイハイムの最新「スマート&レジリエンス」住宅が
当社既存技術を超えCO2排出量マイナス0.8トン/年※1となることを実証

―環境省からの委託事業により、累計478邸で電力データをモニタリング―

2023年9月26日
積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:神吉利幸)は、エネルギー自給自足型※2の暮らしを目指す「セキスイハイム」の最新技術により創エネ性能が向上し、オーナー様の実生活におけるCO2排出量が実質マイナス0.8トン/年※1となることを実証しました。これは、家を建て、生活を続けるほどに環境貢献できる可能性があることを示しています。

当社は、環境省の「令和3年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」(令和4年度より「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に名称変更)において、共同実施者であるニチコン株式会社、一般財団法人電力中央研究所、東京大学生産技術研究所とともに、「エネルギー自給自足型※2ユニットの技術開発・実証」に取り組んできました。2021年6月より、技術開発とその技術を実装したオーナー様の電力データをモニタリングした結果、居住中に消費するエネルギーを上回るエネルギーを太陽光発電システム(以下PV)等により創出することを実証。創エネをCO2排出量の削減とみなすと、CO2排出量は1邸あたり平均で実質マイナス0.8t-CO2/年※1(杉の木約57本のCO2吸収効果に相当※3)となります。

今後は、本事業で得られた優れた環境貢献技術の早期普及拡大を推進し、脱炭素社会の実現に貢献するとともに、お客様の豊かな暮らしの実現を目指してまいります。

CO2排出量の実証結果

具体的な評価・実証内容と得られた成果

エネルギー自給自足型※2住宅の実際の生活環境におけるエネルギー収支およびCO2排出量を確認するため、大容量PV、大容量蓄電池「e-PocketGREEN」、HEMS「スマートハイムナビ」などを実装したセキスイハイムオーナー、累計478邸で電力量データをモニタリングし評価・実証を行いました。

1.大容量のPV・蓄電池でのエネルギー自給自足型※2生活により、CO2排出量削減効果が拡大

平均9.2kW※4の大容量PVと大容量蓄電池、さらにV2Hを一台のパワコンで接続する新トライブリッド蓄電システムを開発。これは、電力変換ロスの少ないシステムにより接続可能なPV容量を拡大するものです。PVによりたっぷり発電したエネルギーを自家消費することで自邸でのCO2排出量が抑制され、さらに余剰電力を売電することで地域社会のCO2排出量削減効果も拡大しました。

2.省エネ行動を促すスマートハイムアプリで、居住者の省エネ生活をアシスト

居住者の行動変容によるさらなるエネルギー消費量低減を図るため、省エネ生活をサポートするスマートハイムアプリ(スマートフォン向けアプリケーション)を試作開発※5。アプリ利用による設備の効果的な使い方と各自の省エネ行動により、オーナー様の実生活におけるエネルギー消費量が低減し、CO2排出量削減効果が発現することを実証しました。

本実証事業の背景・狙い

日本の温室効果ガス排出量のうち21%が家計関連のエネルギー消費に伴う排出※6であり、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向け、住まいにおける再生可能エネルギーの積極的な活用が重要になっています。

当社では、「スマート&レジリエンス」技術の際立ちにより、実生活におけるエネルギーの自給自足率を向上させることで、この課題解決を目指しています。

本事業で得られた成果・実証結果などを環境省の有識者委員会や学会等へ報告することで、優れたCO2排出量削減技術の社会実装と早期普及に貢献するとともに、お客様の豊かな暮らしと社会課題の解決を両立する、今後のより優れた商品開発に活かしてまいります。

具体的な評価・実証内容と得られた成果

本事業では、主に2021年度に各技術開発を行い、2022年度にその技術におけるエネルギー収支およびCO2排出量削減効果について評価・実証を行いました。評価・実証においては多雪エリアを除く全国で累計478邸の「セキスイハイム」オーナー様に協力いただき、スマートハイムナビを活用した実際の生活に基づく電力量データをモニタリングし分析しました。

1.大容量のPV・蓄電池でのエネルギー自給自足型※2生活により、CO2排出量削減効果が拡大

クリーンなPV 電力を積極的に活用し「できるだけ電気を買わないエネルギー自給自足型※2の暮らし」を実現するべく、e-PocketGREENと大容量PV、V2Hの3つの設備を1台のパワコンで接続する新トライブリッド蓄電システムを開発。1台のパワコンで接続可能な最大PV容量は、従来の7.56kWから10.08kWに進化し、各設備はすべて電力変換ロスの少ない直流で接続されることで、効率的なエネルギー活用を可能としました。自邸での使用電力量を超えたPV電力は売電し、地域社会に還元します。

本システムを搭載したオーナー様120邸の平均PV容量は9.2kW※4となり、本技術開発前(パワコン1台あたりの平均PV容量:5.4kW※7)と比較すると、約1.7倍のPVが接続されることを確認。これにより、1邸あたりの年間発電量は平均で4,028kWh※8増加し、CO2排出量は約1.9t-CO2/年※1の削減効果が拡大しました。

新トライブリッド蓄電システム

2.省エネ行動を促すスマートハイムアプリで、居住者の省エネ生活をアシスト

居住者の行動変容によるさらなるエネルギー消費量低減を図るため、スマートハイムアプリを開発※5。①プッシュ通知で省エネ情報を配信する省エネサポート、②アプリを介した一般家電※11の赤外線機器操作、③タイマー設定の利便性を向上させた当社の全室空調システム操作の3つの機能を搭載しました。

本アプリを「セキスイハイム」オーナー様358邸の居住者に約半年~1年間ご利用いただき、電力量データの取得・分析による消費電力量削減効果を検証しました。その結果、機能①(プッシュ通知)による省エネ行動の喚起や、機能②(家電遠隔操作)による不要な家電利用の減少、機能③(全室空調のタイマー設定)による快適かつ省エネな運転により、年間消費電力量を平均671kWh※12削減させうることを確認(CO2排出量約0.3t-CO2/年※1の削減効果)。これは、アプリ活用前の標準的な消費電力量の約9%にあたります。

スマートハイムアプリ※5

CO2排出量削減効果まとめ

本事業の技術開発によるCO2排出量削減効果は、新トライブリッド蓄電システムにおいて約1.9 t-CO2/年・邸※1、スマートハイムアプリにおいて約0.3t-CO2/年・邸※1となり、合計で約2.2 t-CO2/年・邸※1のCO2排出量削減効果が生み出されます。これらの新技術をすべて搭載した住宅では、平均で実質マイナス0.8 t-CO2/年・邸※1のCO2排出量となり、これは、家電を含む家庭内でのすべてのエネルギー消費量を上回る自然エネルギーの創出があることを示しています。なお、一般住宅※13と比較すると約4.27t-CO2/年・邸※1のCO2排出量削減効果が見込まれます。

これらは、全室空調を含めた先進設備を使用した快適な暮らしと環境に良い暮らしの両立が可能であることも示しています。今後、本開発技術を実装した住宅の普及拡大により脱炭素社会の実現への貢献が期待されます。

CO2排出量の比較※1
CO2排出量の比較※1
※1 CO2排出量=(消費電力量-発電量)×CO2排出係数で試算。商用電力の排出係数:0.47kg-CO2/kWhとして試算。
※2 すべての電力を賄えるわけではありません。電力会社から電力を購入する必要があります。
※3 関東森林管理局「森林の二酸化炭素吸収力」より14kg-CO2/本・年として試算。
※4 パワコン1台における拡張容量領域の平均。
※5 現在も改良開発中であり、一般消費者には提供されていません。
※6 環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」より。
※7 2021年度上期棟上げ邸のうちPVパワコン1台設置かつ蓄電池搭載邸の平均。
※8 本技術開発前のパワコン1台当たりの平均PV容量5.4 kWとの差である3.8kWの発電量で算出。
年間設備利用率=12.1%(設置地域の日射量、機器効率、都府県別設置数より按分して推計)
※9 カタログ値であり、実際に使用できる容量は異なります。
※10 停電時において、EVの電池残量が放電下限値(車種により異なる)またはV2Hシステムに設定されている放電下限値のいずれかを下回る場合、宅内に電気を供給すること(放電)や、停電時の夜間(PVで発電できない時間帯)EVに充電することができなくなります。
※11 赤外線リモコンで操作可能な家電に限ります。
※12 付随機能を全て同時に利用した場合の平均値。
※13 環境省「令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果の概要(確報値)」戸建住宅の世帯当たり年間CO2排出量より。

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