2018年12月27日

毎日、充分な睡眠が取れていますか?慢性的な睡眠不足は、心身に悪影響をおよぼす恐れがあると言われています。家庭内の環境を工夫することで、しっかりと眠ることができるようになるかもしれません。そのヒントをご紹介します。

眠れない日が続いていませんか?「睡眠負債」にご注意を

総務省が実施した「社会生活基本調査」(2016年)によると、全国の平均睡眠時間は約7時間37分(男性では約7時間42分、女性では約7時間32分)。皆さんの睡眠時間は、平均と比べていかがでしょうか?
平均よりも短い睡眠時間で、日中眠くて仕事に集中できない、常に寝不足のストレスを感じている…という方は、改善の必要がありそうです。
寝不足には、夜遅くまで仕事や勉強などをしていたり、悩みや心配ごとがあってなかなか寝付けなかったり、ベッドに入ってからもスマートフォンを使っていたり…と、さまざまな理由がありますが、睡眠時間を増やしたい、もっと良質な眠りを得たいと思っている人は少なくないはず。
慢性的な睡眠不足が借金のように積み重なると、「睡眠負債」になる危険があるようです。睡眠負債に陥ると、日常生活の質が低下したり、病気のリスクが高まったりすることも。わずかな睡眠不足であっても、毎日蓄積されていくことで、将来的に負債が膨れ上がることもあるので、注意が必要です。

室内の照明を変えると、「早寝早起き」に効果が?

(株)住環境研究所が行った実験によると、寝る前に過ごす部屋の照明の明るさと色を変えることで、睡眠に変化が生じたという結果が報告されています。
実験は、普段自宅で青っぽく明るい照明(昼白色や昼光色)を使っている方を対象に、就寝の2時間前に過ごす部屋の照明を、変更しない場合と、赤っぽく暗い照明(電球色)に変更した場合とで、睡眠状態を比較するというもの。その結果、赤っぽく暗い照明に変更したグループは、変更なしのグループと比べて、入眠時間(眠りに落ちた時間)と覚醒時間(目が覚めた時間)がやや前倒しに。寝る2時間前に過ごす部屋の明かりを暗くすることで、早寝早起きに結びつき、睡眠改善の助けとなることが分かりました。

睡眠・覚醒パターン
(実験期間中)

※睡眠を1、覚醒を0とし、15分ごとに平均値を表示

上の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『快眠住宅に関する実験』(2015年10月)
対象:20〜50代の男女およびその家族=22名

また、精神健康度の調査においても、赤っぽく暗い照明に変更したグループには有意な差が認められました。睡眠は、心の健康(メンタルヘルス)と密接な関係にあるようです。寝る前に過ごす部屋の照明を暗くするなどの工夫をして、自然と眠くなりやすい就寝環境を整えましょう。日中の集中力やパフォーマンスの向上も期待できるかもしれません。

GHQ(リッカート法)精神健康度調査

※各項目の出来事がどの程度あったかそれぞれ4つの選択肢から1つ選択させ、その解答を段階的に得点化する方法
※得点が低いほど健康度が高い

上の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『快眠住宅に関する実験』(2015年10月)
対象:20〜50代の男女およびその家族=23名

照明を変えるほかにも、自然光で生活できるプランがおススメ!

よい睡眠を得るためには、生活リズムを規則正しくすることが大切です。朝の光で体内時計をリセットすることで、生活リズムが整うことが知られています。そこで、できるだけ自然光を取り入れた生活ができるよう、間取りを工夫してみてはいかがでしょうか?

これから家づくりを考えている方は、開放的な大きい窓や、吹き抜けにトップライト(天窓)を設けるなど、家の中に自然光が入りやすい設計がおススメ。

リビングをオープン(スケルトン)階段にすると、差し込んだ光を部屋全体に届けることができます

室内の照明だけでなく、自然光を取り入れた最適な光環境をつくり、睡眠負債を軽減してみませんか?

くらしとすまいラボは、セキスイハイムの調査研究機関である
住環境研究所の調査結果に基づいてまとめられています。