特集/暖かい家、暖かさを保つ家にするための暖房の考えかた

1月、2月はもっとも気温が下がります。まだまだ春が遠いこの時期、エアコンなどの暖房器具の月々の費用も気になりますね。最近では、こたつを利用するご家庭が減っているため、エアコンなどの暖房器具を1日中つけている、というお宅も多いのではないでしょうか。今回のハイムカフェでは、「暖かい家、暖かさを保つ家づくり」についてアドバイスします。

暖房器具は目指せ20度!暖房費用はどのくらい違う?

夏の省エネが浸透してきましたが、冬も省エネを心がけましょう。とはいえ、女性には特に多い冷え性の方や家のつくりによっては省エネをすると「寒い!」というご家庭も多いのではないでしょうか。国の指針によると、冬の室温は20℃に保つことが理想とされています。

室温を21度から20度にした場合の年間節約金額 エアコン・ガスファンヒーター・石油ファンヒーターの場合の一覧/年間の暖房費用だけで比べると、エアコンがもっとも節約に繋がります!(経済産業省資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」より)

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暖房効率をアップする家とは!

暖房をつけているのに背中がゾクっとしたり、足元だけ寒かったりすることはありませんか?家の中にいるのにたくさん着たり、足元専用の暖房をおいたりするのも、大変ですよね。暖房効率をアップする基本のポイントを活用してください。

まずは窓のまわりをチェック!寒い冬を暖かく過ごすには

ドアも窓も締め切って暖房しているのに、背中がゾクっとする、足元に冷気が流れている、このような現象をコールドドラフトと言います。実は、冷たい窓ガラスで冷やされた空気が室内を対流していることで起きているのです。

コールドドラフトへの対策には・・・カーテン

手軽なのがカーテンを使う方法です。ガラスで冷やされた空気が室内を流れないように、窓をカーテンでシッカリ覆っておくだけでも、効果があります。
厚手のタイプを選んでダブル掛けにし、中に空気をためるようにしましょう。夏と冬でカーテンの衣替えをすると、室内が快適になります。
そして中の冷気が漏れないよう、スキマを作らないように掛けましょう。そのためには、枠の内側ではなく、枠を外側から覆うように掛けること、上部はカーテンボックスで覆っておくのがポイントです。また、サイドから冷気が漏れないよう、巻き込むように掛けると更に効果が上がります。

つぎに暖房をおいている場所をチェック!北国の知恵から学ぶ

暖房器具を置く位置を工夫するだけでも、コールドドラフトは防げます。スキー場の宿や、北国の住まいで、窓の下にパネルヒーターが設置してある光景を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?あれこそ寒い冬を暖かく過ごす北国の知恵です。 窓からの冬の冷気は対流で下方へ流れますので、窓の下に暖房器具を置くと、冷気を防いでくれます。ただし、カーテンの下に火が出る暖房器具を置くのは着火する恐れがあり危険ですので、パネル式のヒーターや電気式の窓下専用ヒーターを使いましょう。

顔は火照っているのに足元が冷えているなら床をチェック!

足元の冷えを防いで冬暖かく過ごすためには、室温を上げるのではなく、床が冷えないようにすることです。一番手軽なのが、遮熱シートを敷きこんでからカーペットを敷くこと。ラグマットを一枚敷くだけでも効果がありますので、試してみて下さい。

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上質な暖かさを保つ家について知る!

暖房効率をアップするポイントを知ったら、次は家そのもののつくりの問題もチェックしておきましょう。特に古い一戸建ての場合は、寒さの問題が深刻です。省エネはもちろん、ヒートショックなどの健康問題に備えるためにも防寒のための工夫を施すことをおすすめします。

2階に比べて1階が寒い・・・1階を暖かくするには?

1階が寒い原因の多くは、床下からの冷気と太陽光の恩恵を生かせてないところにあります。 床下に断熱材が入っていないと、床材の1枚下は冷たい地面ということもあり、足元から冷気が忍び寄って、いくら部屋を暖房しても底冷えがしてしまいます。
床の断熱は、省エネ基準が無かった1979年より以前に建てられた古い家では基準が無いため、断熱材が入っていないこともあります。また、その後基準は進化し続けていますが、1992年〜1998年に建てられた新省エネ基準の家でも、いまの基準の1/2以下の性能しかありません。まずは床の断熱性能を確認してみましょう。

1階の暖かさを保つために

1階の床や窓を工夫して1階の暖房効率をアップしたり、2階から1階に下りてくる冷気をシャットアウトするために部屋の入り口にドアやカーテンを設置したりして暖かさを保ちましょう。

家の中を暖かくしても空気が悪いと体によくありません!

2003年に建築基準法が改正され、新築住宅ではシックハウス対策として機械換気設備、いわゆる24時間換気システムの設置が義務化されました。しかしそれ以前の家ではこのような換気設備が取り付けられていないことが多く、暖房効果をアップする工夫をして部屋は暖かくなっても、空気が汚れてしまうという事態を招いてしまいます。換気設備の見直しも行なって、断熱・気密・換気は必ずセットにして考えましょう。

我慢して省エネをするのではなく、快適に省エネする家を目指して。

私たちは毎日の暮らしの中でたくさんのエネルギーを使っています。エコな家とはエネルギー消費量が少なく、地球環境への負荷を軽減した工夫がされている家のことです。と言っても、我慢して消費量を減らすのではありません。とても寒いのにストーブをつけずにブルブル震えながら暮らす家、暑いのにエアコンをつけるのをひたすら我慢して暮らす家は、エコな家とは言えないかもしれません。家電を購入するときは長く使えるもの、性能のいいものを選ぶ、プチリフォームする際は自然エネルギーや自然素材を意識して環境に配慮するなど、寒さ対策をきっかけに、年間を通した省エネを考えて家づくりの工夫をしてください。

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監修:Yuu(本名:尾間 紫)

横浜市在住 一級建築士事務所 Office Yuu 代表
(公社)日本インテリアデザイナー協会 正会員、(一社)神奈川県建築士会 正会員
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、事業者向けには「住宅リフォームコンサルタント」としてビジネスサポートを行い、消費者向けには「住宅リフォームガイド」としてリフォームの実践的なノウハウをテレビやラジオ、執筆、講演会などを通して発信している。形からでなく暮らしから、新しい暮らしを作る「リライフのリフォーム」を提唱。本当に満足するリフォーム実現のためのトータルなアドバイスをしている。近著に、「リフォームはこうしてやりなさい」(ダイヤモンド社)など。

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発行:積水化学工業株式会社 住宅カンパニー  〒105-8450 東京都港区虎ノ門2-3-17 (虎ノ門2丁目タワー)
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