間取りコラム集
吹き抜けのある家
後悔しない間取りの考え方と
メリット・デメリット

吹き抜けのある家は、開放感があって憧れる方が多い人気の間取りです。一方で「冬は寒そう」「音が響きそう」といった不安から、採用すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。せっかくのマイホームで、住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔するのは避けたいものです。
この記事では、吹き抜けを検討する際に押さえておきたいメリットと、後悔しやすいポイントと対策、設置場所や広さの考え方までを、実例とあわせて紹介します。吹き抜けのある暮らしをイメージしながら、ご自身の家づくりに合うかどうかを考えるのに役立ててみてください。
目次
吹き抜けとは?

吹き抜けは「複数階にまたがって床を抜き、縦方向に空間をつなげた間取り」のことです。天井が高くなることで開放感が生まれ、上部の窓から自然光を取り込みやすくなる点が特徴です。
近年はSNSや住宅事例で目にする機会も増え、具体的なイメージを持ちやすくなったことから関心が高まっています。
吹き抜けのメリット|採用するとどう変わる?

吹き抜けには見た目の印象だけでなく、暮らしに直結するメリットがあります。何を重視するかによって、吹き抜けの価値は変わってくるので、順番に見ていきましょう。
開放感が生まれ、空間が広く感じられる
吹き抜けを設けると天井が高くなり視線が上に抜けるため、実際の床面積以上に空間の広がりを感じやすくなります。一階の天井高が約2.4mだった場合、吹き抜けでは5m前後の高さになることもあり、同じ広さでも体感的な開放感は大きく変わります。LDKがコンパクトな間取りでも、窮屈さを和らげやすい点が魅力です。
また、縦方向に余裕が生まれることで大きめの家具や背の高いインテリアを取り入れても圧迫感が出にくく、空間づくりの自由度も広がります。デザイン性と快適性の両方を重視した住まいを目指す場合にも取り入れやすい工夫といえるでしょう。
採光がよくなり、室内が明るくなる
2階の高い位置に窓を設けることで、1階の奥まで自然光が届きやすくなります。隣家との距離が近い住宅密集地でも明るいリビングを実現しやすく、通常の窓だけでは光が入りにくい北側の空間でも採光を補える場合があります。

日中は照明に頼る時間を減らせる可能性があり、電気代の節約にもつながります。朝から夕方まで自然光を感じながら過ごせる環境は、空間の快適さだけでなく暮らしの満足度を高める要素になるのもポイントです。
家族のコミュニケーションが取りやすくなる
吹き抜けによって1階と2階がゆるやかにつながるため、離れていても声が届き、家族の気配を感じながら過ごせます。子どもが2階にいても呼びかけやすく、日常のちょっとした会話が生まれる環境につながります。特に子どもが小さい時期は、様子が分かると安心です。
特にリビング階段と組み合わせると、帰宅時や外出時に顔を合わせる機会が増え、自然なコミュニケーションのきっかけが生まれます。それぞれが別の場所で過ごしていても、ほどよいつながりを感じられる点も吹き抜けの魅力のひとつです。
デザイン性が高く、おしゃれな空間をつくれる
吹き抜けを取り入れると空間に立体感が生まれ、インテリアの見栄えが向上しやすくなります。梁をあえて見せる設計や高窓(ハイサイドライト)との組み合わせによって、住まいに個性や表情を加えられる点も魅力です。
照明や窓のデザインを工夫することで、ホテルライクな雰囲気や洗練された空間づくりも実現できます。ペンダントライトやシャンデリアを高い位置に配置すると、視線を引き上げるアクセントになり、印象的な空間を演出しやすくなるでしょう。
吹き抜けで後悔しやすいポイントと対策

吹き抜けにはデメリットもありますが、設計段階の工夫でその多くは解消できます。ここでは「後悔した」という声が多いポイントと、その対策をセットで紹介しますので、参考にしてみてください。
冷暖房効率が下がりやすい|断熱・気密性能がカギ
吹き抜けは空間が縦に広がる分、冷暖房の効きが弱く感じられることがあります。特に冬は暖かい空気が上にたまりやすく、1階が寒く感じるケースもあるため注意が必要です。冷暖房効率が下がると光熱費が増える可能性もあるため、設計段階での配慮が重要になります。
【対策】
快適性を左右する大きなポイントは、住宅の断熱性能と気密性能です。高断熱・高気密の住宅であれば吹き抜けがあっても温度差が生じにくく、快適に過ごしやすくなります。そのためには、UA値(断熱性能)やC値(気密性能)を確認し、性能面に強い住宅会社を選ぶことが大切です。
また、シーリングファンで暖気や冷気を循環させたり、家全体をカバーできる空調を導入したりするのも有効な対策です。床暖房を併用すれば足元から暖まり、より快適な住環境につながります。
音やにおいが2階に伝わる|間取りの工夫で軽減
吹き抜けは1階と2階がつながる構造のため、調理時のにおいや煙が上階に上がることがあります。また、生活音や話し声が伝わりやすい傾向があり、テレワークや勉強など静かな環境を重視する場合は、事前に配慮しておきたいポイントです。
【対策】
音の影響をなるべく抑えるには、2階の寝室や子ども部屋を吹き抜けから少し離して配置するとよいでしょう。キッチンまわりもコンロ前に壁を設けたり、換気性能の高いレンジフードを選んだりすることで、においや煙の広がりを軽減できます。
ただし完全に遮断することは難しいため、ある程度は音やにおいが伝わる前提で考えておくことも大切です。家族の気配を感じられるメリットとのバランスをふまえて検討すると、満足度の高い住まいづくりにつながります。
2階の居室スペースが狭くなる|スキップフロアで両立も
吹き抜けを設けると、その分2階の床面積が減るため、子ども部屋や寝室の広さとのバランスを検討する必要があります。居室がコンパクトになることで収納スペースが不足しやすくなるケースもあるため、間取り全体での配分を考えておくことが大切です。
【対策】
スペースの問題においては、「開放感」と「部屋数・広さ」のどちらを優先したいかを家族で整理しておくことがポイントです。吹き抜けはコンパクトでも採光や抜け感を確保できるので、必ずしも大きくする必要はありません。
また、吹き抜けの一部にスキップフロアを設けることで、縦の広がりを残しつつ床面積を補う工夫もあります。収納についてはロフトや小屋裏など別のスペースで補う計画を立てておくと、使い勝手を損なわずに両立しやすくなるでしょう。
掃除・メンテナンスが大変|照明・設備の選び方で対策
吹き抜けの高い位置にある窓や照明は手が届きにくく、掃除や交換に手間がかかることがあります。シーリングファンやペンダントライトなどを設置した場合も、ほこりがたまりやすいため、メンテナンスを前提に考えておくことが大切です。
【対策】
交換頻度を抑えられるLED照明を選ぶ、壁付けのブラケットライトや梁へのスポットライト設置など、手が届きやすい配置を意識すると負担を軽減できます。
シーリングファンや照明は電動昇降式を選ぶとメンテナンスがしやすくなります。窓掃除については無理をせず、定期的に専門業者へ依頼するのも現実的な選択肢となるでしょう。
日差し・視線が気になる|窓とカーテンの計画で解決
吹き抜けの窓は採光のメリットがある一方、西日や夏の日差しで暑くなることも。窓の位置によっては外からの視線が気になる場合もあるでしょう。高い位置の窓はカーテンの開閉が難しい点にも注意が必要です。
【対策】
日差しによる問題は、方角を考慮して窓の位置を決めることが大切です。西向きの大きな窓は避けるか、庇(ひさし)を設けると日差しを調整できます。隣家の2階と視線が合う場合は、窓の高さや位置を調整するとよいでしょう。
電動ブラインドやロールスクリーンを採用すれば高所でも操作しやすくなるため、窓計画とカーテン選びをセットで考えておくと快適性が高まります。
転落・落下のリスク|手すりや安全対策を計画
吹き抜けに面した2階の廊下やホールから、子どもが転落するリスクがあります。手すりの隙間から物を落としてしまうことも考えられるため、安全対策が欠かせません。
【対策】
手すりは子どもがすり抜けられない間隔にする、あるいは腰壁(こしかべ)にすると、隙間からの落下を防げます。子どもが小さい間は転落防止ネットを設置すると、より安心して暮らせるでしょう。成長に合わせて柔軟に対応できる計画を立てておくのがおすすめです。
耐震性への配慮が必要|構造に強い住宅会社を選ぶ
大きな吹き抜けをつくると2階の床面積が減り、構造上のバランスに影響することがあります。特に木造住宅では、耐力壁の配置や構造計算に注意が必要です。
【対策】
大きな吹き抜けを希望する場合は、大空間を強みとする構造や工法を採用している住宅会社を選ぶことが重要になります。間取りの自由度と耐震性を両立できるか、早めに相談しておくと安心です。

セキスイハイムでは、柱と梁(はり)を強固に溶接して一体化させた高強度フレームによるボックスラーメン構造を採用。大きな吹き抜けを実現できます。
吹き抜けをつくる場所|リビング・玄関・階段の特徴
メリット・デメリットと対策を理解した上で「やっぱりつくりたい」と思ったら、次は場所の検討に入りましょう。ここでは、リビング・玄関・階段の代表的な3パターンの特徴を順番に紹介していきます。
リビング吹き抜け|家族が集まる空間を開放的に

リビングの上部を大きく吹き抜けにすることで、LDK全体に強い開放感が生まれます。住まいの中心となる空間を象徴的に演出できるため、デザイン性を重視したい場合にも取り入れやすい間取りです。高窓から光を取り込みやすく、周囲に建物がある環境でも明るさを確保しやすい点もメリットといえるでしょう。
また、吹き抜けに面した2階ホールをファミリースペースやセカンドリビングとして活用するプランも人気があります。上下階がゆるやかにつながることで家族の気配を感じやすく、自然なコミュニケーションにつながりやすい点も魅力です。
一方で、冷暖房効率や音の伝わり方など暮らしへの影響も大きいため、断熱・空調計画など住宅性能を含めた検討が重要になります。
玄関吹き抜け|家の「顔」に開放感を演出

玄関は来客が最初に目にする空間のため、吹き抜けを設けることで開放感や上質感を演出しやすいのが魅力です。自然光が入りやすくなることで玄関全体が明るくなり、住まいの第一印象を高める効果も期待できます。玄関ホールを比較的広く確保できる間取りで採用しやすく、帰宅時にも開放的な雰囲気を感じられます。
また、リビングほど長時間滞在する場所ではないため、冷暖房効率への影響が比較的小さく収まりやすい点も特徴です。階段を玄関付近に配置する間取りとも相性がよく、動線計画と合わせて検討すると、使い勝手とデザイン性の両立がしやすくなります。
階段吹き抜け|上下階のつながりを演出
階段まわりを吹き抜けにすると、上下階をゆるやかにつなぐ縦の広がりを演出できます。リビング吹き抜けほど大きな面積を必要とせず、省スペースでも開放感を取り入れられる点がメリットです。動線上に自然な抜け感が生まれ、空間に軽やかな印象をもたらします。
スケルトン階段を採用すると光や視線を遮りにくく、玄関や廊下まで明るさが届きます。また、階段をリビング内に配置する「リビング階段」と組み合わせれば、家族の動線が交わりやすくなり、自然に顔を合わせる機会も増えるでしょう。
一方で、空気や音が上下階に伝わりやすくなるため、空調計画や間取りの工夫が欠かせません。快適性を保ちながら吹き抜けのメリットを活かすためにも、住宅全体の断熱性能や換気計画も含めて検討することが大切です。
吹き抜けの広さと間取りの工夫

場所が決まったら、次は「どのくらいの広さにするか」を検討します。2階の間取りとのバランスを考えながら、ご自身に合ったサイズを見極めていきましょう。
吹き抜けの一般的なサイズ感
吹き抜けのサイズは、求める開放感や間取りとのバランスによって適した広さが異なります。一般的には3〜6畳程度がひとつの目安とされ、2階の居室数や生活動線とのバランスを考えて計画することが大切です。
また、吹き抜けはコンパクトでも、高窓を設けることで採光を確保しやすく、縦方向の広がりを十分に感じられます。無理に広さを優先するよりも、光の取り込み方や空間のつながりを意識して設計すると満足度が高まりやすくなります。
広さを決める判断軸
吹き抜けを大きくすると開放感は高まりますが、その分2階の床面積は減るためバランスが重要です。寝室や子ども部屋の広さ、収納量、将来的に必要になる部屋数などを整理したうえで検討すると、後悔の少ない計画につながります。子どもの成長や家族構成の変化も視野に入れて考えておくと安心です。
敷地に余裕があれば大きな吹き抜けも選択肢になりますが、コンパクトな敷地では2階の居室を優先したほうが暮らしやすい場合もあります。開放感と実用性の両立を目指すなら、階段部分の吹き抜けやコンパクトなサイズに抑えることも検討しましょう。
2階ホールやファミリースペースとの組み合わせ
吹き抜けに面した2階部分を単なる廊下にせず、ファミリースペースとして活用する間取りも人気があります。本棚やカウンターを設けて読書コーナーやワークスペースにするなど、暮らしに合わせた使い方を取り入れると空間を有効に活用できます。
リビングとゆるやかにつながる位置にあることで、家族の気配を感じながら過ごせる点も魅力です。子どもの学習スペースとして活用すれば適度な距離感で見守りやすく、安心感にもつながります。吹き抜けを単なる開放感の演出にとどめず、生活に役立つ空間として設計すると満足度が高まりやすくなります。
吹き抜けのあるおしゃれな家の実例

玄関を入ると、正面に広がるのはオープン階段と吹き抜けが印象的な開放感のある空間です。黒のスケルトン階段が吹き抜けの縦の広がりを際立たせ、ペンダントライトやブラケットライトが空間に立体感と上質な雰囲気を添えています。
リビングは、吹き抜けに設けた大きな高窓から自然光がたっぷり差し込み、明るくのびやかな居心地を実現。展示場を参考に採用した壁面タイルがアクセントとなり、吹き抜けの開放感とデザイン性を両立した住まいに仕上がっています。
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まとめ
吹き抜けのある住まいは、開放感や採光性の高さに加え、家族の気配を感じやすい空間づくりができる点が魅力です。開放感のある空間でゆったり過ごしたい方や、明るくデザイン性の高い住まいを希望する方には、吹き抜けは特に相性のよい間取りといえるでしょう。
一方で、冷暖房効率や音の伝わり方、メンテナンス面など、事前に理解しておきたいポイントもあります。こうした点を踏まえたうえで、高断熱・高気密の性能を確保したり、照明や空調計画を工夫したりすることで、快適性は大きく向上します。
セキスイハイムでは、住まいの性能と設計提案の両面から、吹き抜けのある暮らしを無理なく取り入れられるプランづくりをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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