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「時差家族の住まいと暮らし満足度」調査について
持ち家世帯の4割強を占める時差家族
“家族間に時差あり”ならではの住まいの工夫が求められています

2015年5月20日
株式会社住環境研究所

 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治、千代田区神田須田町1-1)は、このほど「時差家族の住まいと暮らし満足度」調査を実施しました。住まいに関する調査研究を重ねる過程で、夜勤・交代制勤務や不定休の家族がいるために家族間で生活時間が揃わない「時差家族」が多く存在することが見えてきました。厚生労働省実施の平成19年労働者健康状況調査によると夜勤・交代制勤務者は全労働者の約25%を占めています。社会的な24時間サービス提供ニーズの高まり、夫婦共働き率の増加など、今後も「時差家族」の増加が予想されます。
 今回の調査では「時差家族」と「時差なし家族」の満足度比較から、家族間時差が暮らしに及ぼす影響を確認し、その負担を軽減するための住まい選びのポイントを探っています。

■調査トピックス

1.持ち家世帯の4割強が時差家族(→3頁)

 持ち家世帯のうち「家族に夜勤あり」10%、「家族で休日が揃わない」34%とあわせて4割強が家族間で生活時間が揃わない時差家族であることがわかりました。

2.時差家族の住まい総合満足度は「注文住宅」居住 > 「建売、マンション」居住(→3頁)

 時差家族の「注文住宅」居住は「建売、マンション」居住よりも《満足、まあ満足》層が7~18%多くなっていました。時差なし家族の「注文住宅」と「建売、マンション」の満足度差3~4%と比べて差が大きく、時差家族は時差なし家族に比べて既成の住まいが適合しにくいことが考えられます。

3.時差家族の家族間時差に対する負担感は高く、『女性(主婦)』はさらに高くなる(→4頁)

 家族間時差に対する負担感(大いに感じる、感じる、やや感じる計)は「家族に夜勤あり(52%)」>「休日が揃わない(35%)」>「時差なし家族(17%)」の順で高く、回答者属性では時差家族の女性がより高い負担感を感じていました。女性は夜勤・交代制勤務者や土日勤務者といった時差当事者ではなくても高い負担感を感じており、家族間時差の影響を受けやすいことが考えられます。

4.『就寝環境』『家事分担』『経済性(光熱費など)』の負担軽減が時差家族の課題(→4頁)

1)時差による満足度差が最も大きい『就寝環境』は“衣寝分離”が負担軽減の鍵(→5頁)
 時差家族は就寝室を就寝専用とした方が衣類収納や着替え室などと兼用するより満足度が高くなります。就寝以外の用途と就寝空間の切り離しが満足度向上のポイントになります。

2)時差家族の満足度が最も低い『経済性』の負担軽減には太陽光発電が有効(→5頁)
時差家族で太陽光発電を設置していると、未設置と比べて《満足、まあ満足》層の割合、5月または6月一ヶ月分の光熱費総額1万円未満の割合が倍となり、5割前後になります。時差家族の経済性負担軽減において、太陽光発電の設置は有効と言えそうです。
[参考]時差家族の年間消費電力量は時差なし家族の1割増(→6頁)

■調査概要

調査目的: 時差家族のボリューム把握、住まいと暮らし満足度と家族や建物実態、
家族間時差による負担軽減のための住計画ポイントの把握
調査対象: 25~79才の住宅所有者またはその配偶者かつ、
築15年以内の持ち家一戸に2人以上の家族で居住
調査エリア: 沖縄県を除く全国
調査方法: インターネット調査
調査時期: 2014年7月  有効回答:2,925件

【建物属性】※平成19~25年住宅着工統計の分布に基づき割付

【回答者属性】

【時差家族の定義:アンケート設問の回答により、家族の時差タイプを分類】

■調査結果の概要

1.持ち家世帯の4割強が時差家族

 持ち家世帯のうち「家族に夜勤あり」10%、「家族で休日が揃わない」34%とあわせて4割強が家族間で生活時間が揃わない時差家族であることがわかりました。住宅タイプではマンションの38%に対し、注文住宅、建売ともに45%と戸建て居住で時差家族が多くなっていました。

【図1.住宅タイプ別 家族の時差タイプ】

2.時差家族の住まい総合満足度は「注文住宅」居住 > 「建売、マンション」居住

 住まいの総合満足度について「家族に夜勤あり」「家族で休日が揃わない」ともに時差家族では注文住宅居住が建売やマンション居住よりも《満足、まあ満足》層が7~18%多く、満足度が高くなっていました。時差なし家族の満足度差3~4%よりも差が大きいことから、時差家族は時差なし家族と比べて既成の住まいが適合しにくいことが考えられます。

【図2.時差タイプ別 住宅タイプ別 住まい総合満足度】

3.時差家族の家族間時差に対する負担感は高く、『女性(主婦)』はさらに高くなる

 家族間時差に対する負担感(大いに感じる、感じる、やや感じる計)は「家族に夜勤あり(52%)」>「休日が揃わない(35%)」>「時差なし家族(17%)」の順で高く、属性では時差家族の女性がより高い負担感を感じていました。女性は夜勤・交代制勤務者や土日勤務者といった時差当事者ではなくても高い負担感を感じており、家族間時差の影響を受けやすいことが考えられます。

【図3.家族で生活時間が異なることで負担や支障を感じるか】

4.『就寝環境』『家事分担』『経済性(光熱費など)』の負担軽減が時差家族の課題

 時差なし家族と比べ、時差家族は『住まいの間取り』『住まいの広さ』以外のすべての項目において満足度が低くなっていました。中でも『就寝環境』『家事分担』『経済性(光熱費など)』は時差なし家族との差が大きく、満足度自体も低くなっており、これらの負担軽減が時差家族の住まいにおいて重要なポイントになることが考えられます。

【図4.時差タイプ別 住まいと暮らし項目別満足度】


1)時差による満足度差が最も大きい『就寝環境』は“衣寝分離”が負担軽減の鍵
 時差家族は就寝室を就寝専用とした方が衣類収納や着替え室など就寝以外の用途と兼用するより満足度が高くなります(《満足、まあ満足》層「家族に夜勤あり」13%増、「休日が揃わない」6%増)。就寝以外の用途と就寝空間の切り離しが満足度向上のポイントになります。

【図5.時差タイプ別 就寝室の使い方別 就寝睡眠環境満足度】


2)時差家族の満足度が最も低い『経済性』の負担軽減には太陽光発電が有効
 時差家族で太陽光発電を設置していると、未設置と比べて《満足、まあ満足》層の割合、5月または6月一ヶ月分の光熱費総額1万円未満の割合が倍となり、5割前後になります。時差家族の経済性負担軽減において、太陽光発電の設置は有効であると言えそうです。

【図6.太陽光発電設置有無別 住宅タイプ別 時差タイプ別 経済性満足度、1ヶ月分の光熱費総額】


 太陽光発電の設置で時差家族の経済性満足度があがるものの、設置あり層だけで比較すると、時差家族の満足度は時差なし家族より下がり、光熱費も高くなります。光熱費が高くなっている理由を聞いてみると、時差家族では生活時間のズレをあげる率が高くなっていました。

【図7.時差タイプ別 光熱費が高くなっている理由】

参 考
■セキスイハイムスマートハイムナビ調査より

HEMS搭載セキスイハイム入居者調査から時差タイプ別の電力消費状況をみてみました。

調査目的: 家族の時差タイプ別の電力消費状況把握
調査対象: 2011年1月~2013年12月建築HEMS搭載セキスイハイム入居者
調査エリア: 沖縄県を除く全国
調査方法: ①時差タイプ分類 ⇒インターネット調査
(調査時期2014年12月~2015年1月)
②電力消費状況⇒①調査回答邸のHEMSデータ抽出
有効分析数: 1,186件

(1)家族間時差
夕食と入浴時間について家族の中で最も早い人と最も遅い人の最長時差を聞きました。夕食の最長時差2時間以上は
「家族に夜勤あり(47%)」>「休日が揃わない(34%)」>「時差なし家族(25%)」、入浴の最長時差3時間以上は
「家族に夜勤あり(46%)」>「休日が揃わない(36%)」>「時差なし家族(23%)」の順で時差が大きくなっていました。

【図8.時差タイプ別 家族間最長時差】

(2)2014年/年間電力消費量
時差家族は時差なし家族よりも電力消費量が多く、平均値で1割ほど多いことがわかりました。

【図9.時差タイプ別 2014年の年間消費電力量】
※太陽光発電設置かつオール電化仕様の邸のみ集計


時差家族は時差なし家族と比べて、生活時差などの影響をうけて電力消費量が多くなります。太陽光発電など自家発電の導入、価格の安い深夜電力の有効利用など光熱費削減策を打つことが大切なポイントとなります。

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