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「同居・二世帯の住まいづくりと家計」調査について

2013年7月3日
株式会社住環境研究所

 積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:髙下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治、千代田区神田須田町1-1)は、このほど「同居・二世帯の住まいづくりと家計」調査を実施しました。昨年実施した「同居・二世帯の住まいづくりと満足度」調査の続編となります。
 
 今後、電気料金をはじめとする光熱費の値上がり、消費税率の引き上げと家計に影響を及ぼす事柄が続きます。昨年実施した調査では同居の暮らし満足度が「光熱費の親子分担」と相関があることが明らかになりました。今回は光熱費を代表する電気代に日々の食費を加え、日常的な家計としたものと住まいづくりの関係を探っています。

■調査結果のポイント

1.「住まい計画時」に家計負担について家族で話をした家族ほど、暮らし満足度は高い

 「住まい計画時」に新居での家計負担について家族で話をし、決めた家族の同居の暮らし満足度は89%。「同居開始時に話をして決めた」「計画時、同居開始時に話無し」家族と比べて満足度が高く、同居・二世帯の住まいづくりにおいて家計負担の仕方を考慮しておくことが重要であることがわかりました。

2.家計負担の仕方は『食費も電気代も親子分担』する方が満足度は高い

 食費と電気代の負担の仕方は、親子分担をしている割合が電気代42%に対し、食費70%と食費を分担している割合の方が高くなっています。負担の仕方別の満足度では食費だけではなく『食費も電気代も親子分担』した方が満足度はより高くなります。

3.電気代分担額は『メーターや料金明細に基づいて決める』方が満足度は高い

 電気代分担額の決め方は『他の水道光熱費や食費などと合わせて月定額を決めている』よりも『料金明細に基づいて決めている』、さらには『メーターを分けている』方が満足度は高くなります。定額のやりとりの場合、春秋に対して夏冬、猛暑や厳冬の年など電気料金が高くなる時は親子の負担額に不公平が生じやすく、満足度が低くなることが考えられます。一方、満足度の高い『メーターを分ける』は分けやすい間取りであることや基本料金が二重にかかることなどから、新居に導入できない場合があります。メーターを分けない場合は漠然と分担額を決めるのではなく、入居後1年程度は料金明細に基づいて月ごとに分担額を算出してみること、その後、月定額を決めた場合も定期的に額を見直すことを親子間で決めておくことがポイントです。

4.経年による家族変化で家計も『親子分担から子世帯の単独負担へ』変化

 『電気代を子世帯負担』している割合は、両親と子世帯が同居する二世帯同居では32%に対し、ひとり親同居では58%と2倍近くに増えます。また、どちらの同居タイプも親年齢65才を境に年齢があがるにつれて『子世帯負担』の割合は増えていきます。経年による加齢、家族変化で家計は親子分担から子世帯の単独負担に変化することが考えられます。

5.分担しない場合や後の単独負担に備えて『光熱費のかからない住まいづくり』が大切

 『電気代を子世帯負担』している家族において、住まいの「経済性(光熱費や補修メンテナンス費がかからない)」「省エネ」「冬の暖かさ」「夏の涼しさ」満足度が高いほど、また太陽光発電の採用有無では「採用している」方が家計負担の満足度は高くなっていました。親子分担をせずに単独で家計負担をする場合でも、負担軽減できるように『光熱費のかからない住まいづくり』をしておくことが大切です。

■調査概要

調査目的:同居・二世帯の家族や建物実態、住まいづくりと家計の関係把握
調査対象:1993~2012年に注文建築した戸建住宅に住む同居・二世帯家族(図1)
調査エリア: 沖縄県を除く全国
調査方法: インターネット調査
調査時期: 2013年1月
有効回答:1351件  

■調査結果の概要

1.「住まい計画時」に家計負担について家族と話をした家族ほど、暮らし満足度は高い

 新居における家計負担について、家族と話をして決めたタイミングが「住まい計画時」だった家族の同居の暮らし満足度は89%(満足20%、まあ満足47%、まあ満足に近い22%)と「同居開始時に話をして決めた」「計画時、同居開始時に話無し」家族と比べて満足度が高くなっていました。また、暮らし満足度と家計負担の満足度には相関がみられることから、同居・二世帯の住まいづくりにおいて、新居での家計負担の仕方を考慮しておくことが重要であることがわかりました。

2.家計負担の仕方は『食費も電気代も親子分担』する方が満足度は高い

 食費と電気代の負担の仕方をみてみると、親子分担をしている割合が電気代42%に対し、食費70%と食費を分担している割合の方が高くなっています。食費と電気代を合わせた負担の仕方では『食費も電気代も親子分担』しているが4割と最も多くなります。

家計負担の仕方別に満足度をみてみると、食費だけではなく『食費も電気代も分担』している方が満足度は高くなります。一方で『食費も電気代も子世帯負担』となる場合は不満が高くなります。

3.電気代分担額は『メーターや料金明細に基づいて決める』方が満足度は高い

 電気代分担額の決め方は『他の水道光熱費や食費などと合わせて月定額を決めている』よりも『料金明細に基づいて決めている』、さらには『メーターを分けている』方が家計負担の満足度は高くなります。電気料金は春秋と夏冬で季節差が、また例年に比べて猛暑や厳冬であったりすると年差が生じます。定額でやりとりをする場合、電気料金が高くなる月は親子の負担額に不公平が生じやすく、満足度が低くなることが考えられます。

最も満足度の高い『メーターを分けている』は実態では電気代を分担している家族の24%にとどまり、『月定額を決めている』が決め方の主流となっています。背景として(ⅰ)親子共有型の間取りのため電気メーターを分けにくい(ⅱ)メーターを分けると基本料金が二重になるため、それを避けて1つにしているといったことが考えられます。メーターを分けない場合は漠然と分担額を決めるのではなく、新居入居後1年程度は水道光熱費の料金明細に基づいて、月ごとに分担額を算出することをおすすめします。その後、月定額を決めた場合には定期的に額を見直すことを親子間で決めておくこともポイントです。

4.経年による家族変化で家計も「親子分担から子世帯の単独負担へ」変化

 『電気代を子世帯負担』している割合は、両親と子世帯が同居する二世帯同居では32%に対し、ひとり親同居では58%と2倍近くに増えます。また、どちらの同居タイプも親年齢65才を境に年齢があがるにつれて『子世帯負担』の割合は増えていきます。経年による加齢、家族変化で家計は親子分担から子世帯の単独負担に変化することが考えられます。

5.分担しない場合や後の単独負担に備えて『光熱費のかからない住まいづくり』がポイント

 家計を分担したくても親が高齢などで出来ない場合があります。また、家を建ててしばらくは分担できていても親が退職し、年金生活に入るなどで家計が子世帯負担に変わる可能性もあります。『電気代を子世帯負担』している家族において、住まいの「経済性(光熱費や補修メンテナンス費がかからない)」「省エネ」「冬の暖かさ」「夏の涼しさ」満足度が高いほど、また太陽光発電の採用有無では「採用している」方が家計負担の満足度は高くなっていました。家計分担しない、できない場合はもちろんのこと、入居直後は分担予定でも今後単独負担に変わる時に備えて『光熱費のかからない住まいづくり』をしておくと家計負担および暮らしの『満足度』の維持、向上につながることが考えられます。

同居・二世帯の家計、経年で「親子でワリカン」から「子世帯負担」に変化 少し先の家計負担も見据えた住まいづくりを

 
 同居する親子間で話をしにくいことの一つにお金の話があります。今回はこのお金に関する家計と住まいづくりの関係に焦点を当てました。 

 同居・二世帯家族の家計が核家族の家計と大きく異なることは、計を担う財布が二つあることです。調査では食費と電気代のみを取り上げましたが、実際には被服費、教育費、医療保険費などさらにたくさんの費目において、どちらか一つの財布で担うのか、二つの財布で担うのか分かれます。無限にも思えるパターンがある上に“親子で話もしにくい”ときては、同居・二世帯家族の家計というものは実にやっかいなテーマだと言えます。
 
 今回の調査では、同居・二世帯家族の家計は「親子で分担する」ほうが、また、食費だけ電気代だけではなく「食費も電気代も分担する」ほうが満足度が高い、ということが明らかになりました。同居・二世帯家族に同居の理由をたずねると「日常生活の上で経済的に助かるから」が上位に位置しています。調査結果から、同居のメリットとして家計を融通しあえることも期待されているということを改めて感じ取ることができました。
 
 住まいの計画時に入居後の暮らし方、家計負担の仕方が明確な家族ほど、負担を軽減する手段や工夫を住まいに取り入れやすくなります。一方で、子世帯の家計負担のピークは親年齢が65才を過ぎた頃、あるいは家族構成が二世帯からひとり親同居に変わった後など、新居入居後しばらくしてから訪れます。住まいを建てるその時のことだけではなく、少し先の暮らしも見通しておく必要があります。そうした中で光熱費のあまりかからない、経済的な住まいの選択は重要な家計防衛の手段になると言えそうです。

 家計は社会や経済、家族の状況によって影響を受けます。最近も電気料金の値上げがあり、来年4月には消費税率の引き上げも予定されています。新居に入居した後も定期的に家族で家計を見直す場を持つことが暮らし満足度の維持、向上につながると思われます。

 当研究所では、離れて暮らしていた親子が同居を決めた日、新しい住まいで同居の暮らしを始めることを決めた日を“新家族記念日”と名づけ、その日から住まいづくりや暮らしを通して、家族が話し合うことをよりよい同居のための大事なプロセスとして捉えています。これから同居を前程とした住まいづくりをされる方々には、家計負担の仕方も含めた新しい住まいでの暮らし方について、家族と十分に話し合うことをおすすめします。そして、今回の調査結果がその話し合いのきっかけ、一助となれば幸いです。

住環境研究所
所長 倉片恒治

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