

Interview
「ハイムスイート川崎小島新田」
を取材して
住宅評論家 櫻井幸雄
進化する川崎駅周辺エリアで
4000万円台の3LDKが多く、敷地内駐車場80%。
ZEH―Mオリエンテッドで、
大地震でも断水しにくい工夫も採用。
川崎駅からバス利用だから実現した
「ここだけの価値」に注目したい。
櫻井幸雄プロフィール
全国の住宅事情に精通し、現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞で連載コラムを持ち、Yahoo!ニュースにおいてオーサーとして住宅コラムを連載中。テレビ出演も多い。
「ハイムスイート川崎小島新田」
の第一印象は
「独創的なマンション」

外観(A棟)完成予想CG
「ハイムスイート川崎小島新田」を取材して、最初に頭に浮かんだのは「これは、独創的なマンションだ」との思い。「独創的」がわかりにくければ、「ここにしかない特徴を複数備えたマンション」といってもよいだろう。といっても、建物のデザインが奇抜というのではない。マンションが目指す方向性が独自なのである。
たとえば、どんなところが独創的なのか……最初にひとつだけ紹介するなら、駐車場の工夫を挙げるべきだろう。
「ハイムスイート川崎小島新田」は、敷地内に213台分の駐車場を備える。全266戸に対して213台だから、駐車場設置率は約80%に達する。川崎駅がある川崎市川崎区で「駐車場設置率80%」になるマンションは、年間100物件以上を取材する私もなかなか出会えない。しかも、敷地内駐車場には「平置」が多い。コンクリートで舗装した地面に線引きされ、車をおさめやすい駐車場方式である。

加えて、駐車場使用料は月額900円から1万3000円(車椅子用・1台分設定は1万5000円)だ。機械式駐車場であれば、駐車場使用料が抑えられる。それは、なるべく安くマイカーを保有したい、という人にとってうれしい特徴となるはずだ。
川崎市川崎区で「駐車場設置率80%」「平置が多い」「駐車場使用料は月額900円から」、以上3つを実現するマンションは滅多にお目にかかれない。「ハイムスイート川崎小島新田」は、川崎市川崎区にあってマイカーを所有しやすいマンションになっている点を極めて独創的と判定したわけだ。

このほか、「ハイムスイート川崎小島新田」が備える隠れた特性を目立つ特徴とともに解説してゆきたい。
一番わかりやすい特徴は、
その価格設定。
しかし、それだけでなく……

image photo
「ハイムスイート川崎小島新田」には、他のマンションとは異なる、独自の方向性がある。そのなかで、わかりやすいのは、価格設定だろう。取材した2025年2月時点での予定価格は3LDKが3900万円台から、4LDKが4900万円台からの設定だ。4000万円台で購入できる3LDKが多くなり、川崎駅がある川崎市川崎区のマンションとしては、手を出しやすい価格帯の3LDKを多くそろえている。
しかしながら、抑えられているのは販売価格だけではない。住み始めてからの毎月の費用=ランニングコストを抑える工夫もある。
まず、「ハイムスイート川崎小島新田」は、「ZEH―M(ゼッチ・マンション)オリエンテッド」の認証を受けている。省エネ性能を高め、毎月の光熱費が抑えられるマンションになっているわけだ。光熱費を20%以上減らすことができるので、電気代やガス代が上がっているなか、家計への恩恵は大きなものになるはずだ。
それだけでなく、毎月の管理費と修繕積立金を抑える工夫もある。その額を約70㎡の3LDKで調べてみたら、管理費が7100円で、修繕積立金が5000円。これにインターネット使用料などを加えても1万3618円と示された。現在の新築マンションでは、2つ合わせて毎月2万円から3万円となるケースが多い。
「ハイムスイート川崎小島新田」は、光熱費、管理費、修繕積立金といった毎月のランニングコストを抑えるマンションに仕上げられているわけだ。

ちなみに、毎月の管理費+修繕積立金が抑えられるのは、長持ちするポリエチレン管を給排水管に積極的に利用していることの効果もある。採用されているポリエチレン管は、このマンションの事業主・積水化学工業が世界に誇る製品だ。
一般の方々には知られていないことだが、日本のマンションは給水・給湯、排水にポリエチレン管を採用することで飛躍的にメンテナンス性を向上させ、寿命を延ばしてきた。
いわば、マンションの血管ともいえるプラスチック製品を開発、供給してきたのが積水化学工業。
同社がつくる「ハイムスイート川崎小島新田」には、最新のポリエチレン管が積極的に採用されている。これも、「ここにしかない特徴」といえるだろう。
ポリエチレン管は寿命が長く、メンテナンスの手間が少ない。それだけでなく、給水管に使用すれば地震の揺れに柔軟に対応し、断水しにくいという特性も生む。
「ハイムスイート川崎小島新田」は、大きな地震が起きたときも断水しにくいといった特性も備えているわけだ。
もうひとつ、目立ちにくいが、高く評価される特徴に「外部管理」がある。外部管理とは、簡単にいうと「マンション所有者が管理組合の役員や理事を務めずに済む方式」である。
外部管理は、
これからのマンション管理方式


従来、分譲マンションはマンション所有者が持ち回りで役員・理事を務めた。が、「理事会活動が負担」という声や「役員のなり手が不足している」という状況が少なくなかった。役員・理事に任命された1年間もしくは2年間は休日、夜間にしばしば会議が開かれ、その他の用事も増えるからだ。
実際は管理会社に任せている部分が多いので、その部分を進め、委託内容を確実にチェックでき、意見を出しやすい体制をつくればよいのではないか、というのが外部管理の基本的な考え方だ。
適正な管理組合運営のチェック機能として、「監事」の役割を果たすマンション管理士等の外部専門家を加えるなど二重、三重の安全対策を施す。その結果、首都圏では大手不動産会社のマンションを中心に採用例が増え、特に忙しい共働き世帯やシニア世帯で喜ばれている。

外部管理は便利な仕組みなのだが、その分、管理費が高くなりがち。ところが、「ハイムスイート川崎小島新田」は、外部管理を採用しながら、前述したとおり管理費を抑える工夫を凝らしている。
「ZEH―M(ゼッチ・マンション)」も「外部管理」も、これからの分譲マンションでは主流になってゆくことが予想される。その2つをいち早く採用していることも、同マンションの特徴として挙げておきたい。
住み心地重視のプランニングも特徴

リビング・ダイニング・キッチン
全266戸の建物は地上7階建てであり、タワマンでもなければ、低層マンションでもない。特徴のない建物と思われがちだが、住み心地を高める工夫がいくつも凝らされている。
まず、ゆとりある広さの住戸が多い。全266戸は63.14㎡〜83.66㎡となり、70㎡以上の3LDKを多く備えている。
モデルルームも約72㎡の3LDKが用意されている。ウォークインクローゼットが2つ付き、リビングダイニングには納戸のほか、ライブラリースペースというミニ書斎のようなスペースも付く間取りだ。
モデルルーム内に入ると、面積以上の広さを感じる。それは、下がり天井(天井の一部が低くなっていること)が少なく、バルコニーに面した窓が高さ2.2mのハイサッシになって、開放感が大きいからだろう。リビングと居室の間にあるウォールドアが天吊り方式になっており、垂れ壁がないこともすっきりした室内づくりに寄与していると考えられる。

さらに、感心したのは、キッチンがフルオープンになっていることだ。現在、マンションのキッチンは「オープン型」が主流。キッチンとリビングが一体化したスタイルである。
ここで注意したいのは、リビングと一体化したオープン・キッチンといっても、「壁が一切ない」タイプなのか、「一部に壁がある」タイプなのか、だ。多くの場合、一部に壁があるオープン型になっている。

これに対し、「ハイムスイート川崎小島新田」のキッチンは壁が一切ない「フルオープン」となっていて、開放感が大きい。
多くのマンションでは、キッチン部分の壁を取り外し、フルオープンにしたくても、できないケースが多い。コンロやシンク前の壁に排水管などが入っているためだ。その点、「ハイムスイート川崎小島新田」は配水管の位置を工夫し、キッチンの壁をなくしている。これは、将来、リフォームするときの可能性が広がるという利点を生むことになる。住宅を長年見続けてきたプロをうならせるつくりである。

バルコニーは奥行1.9mで、ゆったりしている。隣の住戸との間に設けられるパーテーションは床から天井までのフルサイズ。バルコニーライフを満喫できるつくりである。
このほか、住戸の玄関には採光と通風を確保する小窓が設けられており、室内を風が抜ける構造になっている。春や秋は窓を開けて、風が抜ける気持ちよさを味わうことができるだろう。

「ハイムスイート川崎小島新田」は、川崎市川崎区という繁華な場所に位置しながら、住み心地を上げる心配りを随所に凝らしたマンションになっている。それも隠れた特性として評価したい。
京急大師線に沿って広がる
新しい住宅ゾーンに位置

最後に、マンションの建設地についてのインプレッションをまとめたい。じつは、建設地にも隠れた特性がある。
「ハイムスイート川崎小島新田」の予定価格「3LDKが3900万円台から」となる理由は、川崎駅からバス利用であることが大きいだろう。
川崎駅からマンション建設地までバスの乗車時間は約17分から20分。そして、バス停から徒歩3分……それなりの所要時間となる。
しかしながら、「ハイムスイート川崎小島新田」の交通手段はバスだけではない。その建設地は、京急大師線の「小島新田」駅まで徒歩13分でもあるからだ。「小島新田」駅は京急大師線の始発駅なので、「京急川崎」駅まで座ってゆくことも可能だ。
京急大師線は「京急川崎」駅から「小島新田」駅まで、わずか4.6㎞の路線。京急の支線と思われがちだが、じつは、明治32年、川崎大師への参詣者を運ぶために開業した京急の創業路線でもある。
さらに、近年、川崎駅近くの住宅ゾーンは京急大師線沿線で活発に進んできた、という事実もある。その背景には、「京浜工業地帯の再開発」という大プロジェクトがある。

ご存知のとおり、京浜工業地帯は東京と横浜の間に広がっている。日本を代表する工場エリアの一つなのだが、今の時代、東京と横浜の間という便利な場所に工場が集まる必要はなくなっている。
工場は地方に移転してもらい、ビジネスと商業、住宅のエリアに変えてゆくことが国と神奈川県、川崎市、横浜市などの間で決まっている。
その先導役という仕事を果たすため、UR都市機構は本社を横浜に移転。ニューヨークのマンハッタンに匹敵する広大な面積の再開発を1世紀かけて行うことになっている。まさに、世紀の大プロジェクトだ。
その発端として、最初にマンション街区が誕生したのが、川崎大師と多摩川の間、京急大師線の「東門前」駅周辺だった。その後、浜川崎地区などでマンションがつくられ、その流れの中で「ハイムスイート川崎小島新田」の開発が始まった。
同マンションの建設地を訪れると、まだ寂しい場所との印象を受けるかもしれない。しかし、20年以上前の「東門前」駅周辺も寂しかった。当時、UR都市機構の案内でマンション建設工事が始まる前の「東門前」駅周辺を視察したことがあったのだが、現在のようなマンション群ができあがる光景は想像できなかった。
その後、ご存知のとおりマンションが次々に建設されたし、川崎市と羽田エアポートガーデンのエリアを結ぶ多摩川スカイブリッジも2022年3月に完成した。私が視察したときには夢のように思えた新しい街区、新しい橋が次々にできあがり、街の印象も大きく変わった。
「ハイムスイート川崎小島新田」の建設地にも、これからの楽しみがある。
地図で建設地をみると、建設地近くに「川崎貨物駅」と貨物路線がある。2024年に東海道貨物支線貨客併用化整備検討協議会が出した資料によると、貨物路線を利用して品川―横浜間に新しい路線をつくる構想が打ち出されている。
京浜工業地帯の新しい街づくりが進めば、新しい鉄道路線も必要になる、ということだろう。

将来の楽しみが多い場所である、ということも「ハイムスイート川崎小島新田」の立地特性として付け加えておきたい。
※掲載のモデルルーム写真はA14タイプを撮影(2024年12月)したものに一部画像処理を施しており、実際とは多少異なります。タイプにより形状・仕上等が異なる場合があります。家具・照明・調度品・エアコン・備品等は取引対象に含まれておりません。また、写真にはオプション等有償商品も含まれており、形状・仕上等が異なりますので予めご了承ください。※掲載のバルコニー写真は建設地7階相当の高さ(地上約21m)から撮影(2024年12月)した眺望写真を合成し色調等一部画像処理したものです。写真の眺望や景観は階数・向き・住戸タイプにより異なり、周辺環境の変化等に伴い将来に渡り保証されるものではありません。予めご了承ください。
※羽田エアポートガーデン(自転車13分/約3.2km サブエントランスより計測。)
※距離表示については地図上の道路距離を、徒歩分数表示については80mを1分として算出し、自動車分数表示については日中平常 時の実測によるもので、交通状況により異なります。