ここ数年、長く住める理想の家として「平屋」が全国的に、その中でも特に若年層(20~30代)から注目を集めています。

おうち時間が増えた今、家族みんながすごしやすい空間が欲しいですね。平屋なら、風通しが良く太陽光もたっぷり入ります。階段がなく移動が楽にできますから、小さなお子さんもお年寄りも家の中でのびのび。さらに、ずっと家にいると気になる光熱費も、大屋根にたくさん乗った太陽光発電パネルが節約してくれます。

今後、平屋が快適な住まいとしてさらに多くの方から選ばれるようになるかもしれません。平屋の具体的なメリット、そして理想的な間取り(プラン)について、住環境研究所の独自調査を基にご案内しましょう!

若年層に平屋が選ばれている理由

ここ数年の間に、実際に平屋で暮らしている若年層へのアンケート調査結果から4つの理由が見えてきました。

  • 理由1|効率的に動ける
    階段がないぶん動線が短くなるので、洗濯や掃除などの家事が効率的に。たとえば、洗う、干す、たたむといった一連の作業をワンフロアでできますし、床の掃除はロボット掃除機におまかせできるかもしれません。間取り次第で家事がグッとはかどります。
  • 理由2|長期的に住める
    生涯にわたって同じ家に住むと考えた場合、上階がなく、大きな段差のない平屋は絶好の住まいのかたちです。老年期の生活や幼児の安全などを鑑みても、ワンフロアならではのバリアフリー性が評価されています。さらに、将来お子さまが巣立った後の「元子ども部屋」の居室へのアクセスもしやすく、他の空間ともつながっているためリフォームのしやすさも利点といえます。
  • 理由3|実用的に暮らせる
    上階がないぶん、屋根の面積が広くとれますので多くの太陽光発電パネルを設置しやすく、省エネ住宅にすることもできます。

▲太陽光発電パネルに、蓄電池や電気自動車を組み合わせて、電力の自給自足を目指すことも可能です。

  • 理由4|コミュニケーションがとりやすい
    平屋はフロアに各居室がレイアウトされるため家族に目が届き、お互いの気配を感じやすくなる利点も支持されています。廊下をなくしたりリビングを間取りの中央に配置しても、家族をより近くに感じられるでしょう。一方、仕切りやロフトを設ければ、必要に応じてプライバシーに配慮した空間をつくることも可能です。

20~30代の平屋オーナーが「平屋を選択した理由」

上の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『“若年層”平屋入居者調査』「平屋を“選択した理由”を3つまでお答えください」(2019年5月)
対象:平屋住宅を「建築且つ居住中」の「夫婦のみ」「夫婦と子」世帯/25歳~39歳 男女149名
※上位項目を抽出

実は、
子育て世帯がこんなに楽しめる!

平屋は、小さなお子さまのいるご家庭にとってメリットがたくさんあります。まず、空間が広いこと。柱の少ない広いLDKなどにしておくと、遊び盛りのちびっ子たちが走り回ることができ、親御さんも安心です。

勾配天井や天窓といった工夫によって、充分な採光がとれるように調整できる点も魅力的。上階を気にしなくてもよい平屋ならではのアプローチで家じゅうが明るくなるので、気持ち良くすごせます。

そして忘れてはならないのは、平屋と言えば「庭」。ワクワクする庭の活用バリエーションが豊富なのも見逃せません。

20~30代オーナーにお聞きした平屋の庭の実態調査を見てみましょう。居住空間と庭とのつながりを活かしたスペースがあれば、BBQをしたり、おうちグランピングをしたり‥と、たのしみ方いろいろ。本物のキャンプ場へのお出かけの準備もラクですね。また、風通しの良い庭は塗料などを使うD.I.Y.や運動、物干し場としても大いに活用できます。

20~30代の平屋オーナーにお聞きした「庭の利用方法」

上の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『“若年層”平屋入居者調査』(2019年5月)
対象:平屋住宅を「建築且つ居住中」の「夫婦のみ」「夫婦と子」世帯/25歳~39歳 男女149名

もちろん、庭を落ち着ける場所としても活用できます。たとえばガーデニングをしたり、家庭菜園を作ったりすれば、季節を感じるナチュラルな暮らしも。おしゃれな椅子を置けば気持ちよく日光浴ができそうです。窓を開けて家からただ庭を眺めるというのも、贅沢な大人の楽しみ方ですね。

「たのしく暮らせる平屋の間取り」って?

ここまで見てきたように、平屋は長期にわたって生活に寄り添う住まいとなってくれることが期待されます。最後に、平屋の良さを最大限活かすため、工夫を盛り込んだ間取り例をご紹介しましょう。

若年層におすすめの間取り例

間取り(プラン)

延床面積111.83m²(33.8坪)

家族と自然がグッと近づく間取りの工夫を、ワンポイントずつご紹介します。

  • A LDKとつながり、家族みんなで「外遊び」が楽しめる屋外空間

  • B 家族との会話も弾むひろびろキッチン。水回りも近くに配して

  • C リビングは広さを感じられる傾斜天井。高窓から採光を確保

  • D お子さまが元気いっぱい走り回れるタタミコーナー

  • E 玄関には、外遊びで使うモノがすぐにしまえる土間収納

敷地やライフスタイルに合わせてさまざまなプランが作れる平屋。1フロアで暮らすのは、マンションと同じだと思われる方もいらっしゃいますが、平屋は開口窓を四方や吹き抜けに設置できますので、採光・通風に優れ、非常時などでも避難しやすく、少々飛び跳ねたりしてもご近所の迷惑にならない‥など、大きなメリットがあります。何より「庭」とのつながりが戸建平屋ならではの魅力。まずベーシックな間取りをご覧になってから、ご自身の理想の住まい方を考えてみませんか?

くらしとすまいラボは、セキスイハイムの調査研究機関である
住環境研究所の調査結果に基づいてまとめられています。