
2018年12月27日
「長寿大国」と言われるほど、世界的に見ても寿命が長い日本人。年齢を重ねても、いつまでも夫婦仲良く暮らしていきたいものです。お互いの考えを理解し合い、できるだけストレスを少なくする暮らし方によって、定年後「円満に生活できるかどうか」が大きく変わってくるかもしれません。
定年の前後では、過ごし方が大きく変わる
厚生労働省の調査によると、2017年の時点で、日本の平均寿命は過去最高の男性81.09歳、女性87.26歳。世界的にもトップクラスの長寿国です。
平均寿命の年次推移

厚生労働省『簡易生命表の概況』(2017年)
また、同調査によると65歳で定年退職した場合では、男性は19.57年、女性は24.38年の余生を過ごすことに。特に仕事中心に過ごしていた方にとって、定年後の生活スタイルや家族との過ごし方も、それまでとは大きく変わってきます。
(株)住環境研究所が、55歳以上の方を対象に行った調査によると、定年後「家事をする時間」「テレビを見る時間」が増加したという意見が男女共に多く挙がりました。
時間や頻度が定年後に増えたこと
複数回答可

(株)住環境研究所『定年後の2人の暮らし方(シングルミックス)調査』(2012年11月)
対象:定年退職後の男女=375名
興味深いのは、男性と女性とで差が見られた項目。男性では「家庭での生活を楽しむこと」「夫婦ふたりで過ごす時間や会話」に多くの票が集まっているのに対し、女性は男性よりも10〜11ポイントも低い数値になっています。女性では「外出する機会(仕事以外)」が増えたという声が多く集まりました。
いわゆる「年金生活」を送るシニア世代では、男性は家の中で過ごす時間が、女性は外出する機会が増加する傾向がみられるようです。定年退職した男性が、家にいる時間が増えるのに対し、女性は旅行に出かけたり、趣味や習い事を始めたりと、積極的に外へ出ることが増えた…という話を聞くことも多いのではないでしょうか。同じ調査で、女性の74%が「社会との接点を持ち続けたい」と回答しているのに対して、男性は52%とやや低迷したことも、女性の外部交流への意識の高さを裏付けていると言えそうです。
定年後の夫婦円満には、「距離感」が大切
また、55歳以上の方に、「定年後、充実させたい時間」について尋ねてみると、「自分のプライベートな時間」は男女とも高い一方で、「夫婦一緒の時間」については男女で差が生じています。
夫は「夫婦一緒の時間」を増やしたいのに、妻は「親しい友人と一緒の時間」「自分のプライベートな時間」を増やしたいと思っている場合、お互い不満が募り、ストレスの原因にもなりかねません。定年後、夫婦で過ごす時間は格段に増えますので、ある程度の距離感を保つことが、お互い満足できる生活をおくるポイントといえるでしょう。定年を迎える前に、この先やりたいこと、定年後の過ごし方、お互いのライフスタイルなどについて、夫婦で話し合っておくことをおススメします。
定年後のライフスタイルに合わせた間取り(プラン)を!
現役時代に建てた住宅のままでは、老後の生活スタイルに合わないケースも多くみられます。バリアフリーや介護に対応できる住まいのほか、夫婦それぞれのプライベートが保たれる間取りへと、リフォームや建て替え、住み替えを検討してみてはいかがでしょうか?

延床面積:102.56m²
寝室はゆるやかに区切って、デスクを置き、趣味を楽しめる自分だけの部屋に。お互いの気配を感じつつも、プライベートの時間をしっかり保つことができます。テラスやタタミルーム(和室)とひと続きのLDKなら、同じ空間にいても、心地よい距離が生まれます。寝室からお手洗い、バスルームの距離も近く、将来足腰が弱くなっても短い動線で移動することができます。間取り(プラン)のポイントは、「一人で落ち着ける空間」と「ゆるくコミュニケーションをとれる空間」を用意することと言えるようです。
ほどよく共有しつつも、それぞれ好きなことを楽しめる空間を設けて、いつまでも夫婦仲良く暮らせるようにしましょう!