セキスイハイムの高齢者住宅、介護・福祉施設
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ハーベストメントコンセプト
河田教授の減災コラム
河田教授の減災コラム

第6話

救援と避難の「減災力」を高めるために

れだけ多くの人々が住んでいても夜、寝に帰るだけというのでは災害に強い町づくりはできません。災害に強い町というのは、住民同士の付き合いがあり、地元に住むことに誇りを持っている人が多い地域のことです。自分の家以外のことは知らない、税金を払っているから災害対策はすべて自治体任せでよいという市民では、減災はかないません。
実際に阪神・淡路大震災の時に、瓦礫の下から多くの人々を救出したのは、救急隊員よりもご近所の住民でした。お隣の家族構成や部屋の位置までを知っていたおかげで、迅速な救助につながった例が数多くありました。普段からのご近所同士、声を掛け合うことがいざという時の減災行動につながるのです。これが本来の健全な町の姿でもあるはずです。


普段からの行動でぜひ知っておいていただきたいのが、自分の町のハザードマップです。災害が起こった時、ただ闇雲に逃げていては危険に巻き込まれる確率が高まってしまいます。 避難場所や避難経路、給水所などを示した地図が市町村ごとに作られており、浸水想定や危険地域など、町の災害想定情報も記されているので、いざという時にどのルートをたどって避難すれば安全かを事前に確認することができます。
全国の市町村のハザードマップは、インターネット上の「国土交通省 ハザードマップポータルサイト」に公開されています。ぜひ活用して避難ルートを事前に把握しておきましょう。
高齢者の方々の避難はどこに行けばよいのか、どのルートを通るのが安全か、何分くらいかかるのかなど、実際に現地の道を歩いて試したうえでハザードマップにきちんと記してスタッフの方々みんなで共有する情報にしてください。

さらに、普段からの活動で必ず行っていただきたいのが、災害を想定した定期的な避難訓練です。誰が指示を出すのか、誰がどの役割を担ってそれを実行するのかなど、より具体的に訓練してみてください。日頃、経験していないことを非常時の急場で迅速に出来るはずがありません。実際の訓練を何度も行うことによって一人でできることと集団行動のギャップに気づいたり、コツがつかめたりして、非常事態時に必ず役立ちます。このノウハウが実際に命を左右すると言っても過言ではありません。訓練を繰り返していると、実際の時に、避難する勇気につながり、行動できるのです。





近年、大雨などの急な自然災害が増え、いかに避難を安全に迅速に行うかはとても重要な活動になっています。
実際の避難については災害対策基本法に基づいて市町村長から発令される「避難情報」を注意深く聞いて迅速に行動に移してください。特に高齢者の方々の避難については「避難準備情報」の段階から早めの行動をとるよう心掛けてください。


河田恵昭氏 Profile
京都大学名誉教授。関西大学社会安全学部・社会安全研究センター長・特別任命教授。工学博士。専門は防災、減災、縮災。阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長(兼務)のほか京大防災研究所長を歴任。21世紀COE拠点形成プログラム「災害学理の解明と防災学の構築」拠点リーダー。大都市大震災軽減化プログラム(文部科学省)研究代表者。南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ座長。熊本地震有識者会議メンバー。(2019年3月現在)

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