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“量的金融緩和の解除”で住宅の建て時に? 〜景気の好転で金利は上昇、住宅価格アップも懸念〜
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 今年3月、日本銀行はデフレ政策の一つの柱であった「量的緩和政策の解除」を発表した。もう一つの柱である「ゼロ金利政策」は依然続けられているが、国のこうした金融政策は日本経済が底を脱して回復基調にあること(少なくとも国がそうみていること)を物語っている。こうしたなかで金利が上昇し始めており、住宅取得・住宅建設を考えている人にとって一つの決断を迫る節目にあるということもできる。
日銀の“量的緩和政策の解除”って何?
 「量的緩和政策」とは日銀が2001年3月に導入を決定したデフレ経済脱却のための政策。金融政策の目標を「金利」から「資金の量」に切り替え、大量の資金を供給することで緩和効果を狙う。簡単に言えば“銀行の銀行”である日銀が民間の各金融機関に資金をどんどん提供し、各行がその資金を企業などに貸し出したりすることで経済の循環を促し、デフレ脱却を図る狙いだ。「量的緩和政策の解除」とは、この資金提供を打ち止めるということである。
 「ゼロ金利政策」はまた続行しており、完全に日本経済が回復したと見ているわけではないものの、企業の業況判断DIを示す日銀短観(3月調査)は全般的に改善傾向が見られる。こうしたなかで「量的緩和政策の解除」は金融市場のマインドに大きな影響を与え、金利の動向を追ううえで無視できないものと受け取られている。平たく言えば、超低金利時代は終わりを告げ、金利上昇の局面に入ったということである。言うまでもなく、住宅ローンの金利も上がるということだ。
住宅ローン金利はじわり上昇傾向に
 ここで少し現在の住宅ローン市場を概観してみよう。現在、住宅ローンは民間金融機関のシェアが9割以上を占めており、各金融機関は「全期間金利優遇」や「超長期固定」といった住宅ローン商品を相次いで販売している。一方で、長期固定の住宅ローンであるフラット35もその認知度が高まり、17年度の実績は6万件に迫る勢いだ。
 その金利はじわりと上昇しつつある。フラット35の4月資金実行分の金利は最低2.680%〜最高3.800%の平均3.048%。3月実行分は同2.591〜3.650で平均が2.958であったことからも、フラット35を取り扱う金融機関の金利が全体的に上がったとみることができる。ちなみに平均金利が3%を超えたのは1年3カ月ぶりのことである。
 フラット35に限らず、一般的に住宅ローンの金利(固定)は長期金利(≒長期国債(10年物)の利回り)を目安にして設定される。住宅ローンは固定金利のものが選ばれる傾向にあるが、最近になって金利が上昇する気配にあるのは、この長期金利が上向きに推移しているためだ。そして、この長期金利は経済指標や株価、金融政策などに影響を受けるといわれる。実質GDPはここ数年着実に伸びており、完全失業率もここ数年改善に向かっており、景気動向もDI値は大きく改善している。
 ここで打ち出されたのが「量的緩和政策の解除」であり、国が、経済が立ち直りつつあると判断し始めたということなのである。
地価上昇、原油価格高騰も住宅取得環境に影響
 住宅取得・建設を考える消費者にとって、経済環境の好転は好ましいことに違いないが、その一方で金利上昇の動きは気になるところだろう。しばらく続いた超低金利時代が終わりを告げるのであれば、非常に多額のローンを組むことになる住宅取得・建設は今がチャンスということになる。
さらにもう一つ気になるのが、地価の上昇、原油価格の高騰による資材価格の上昇、耐震偽装問題による品質向上への取り組みなどがあいまって住宅建設・販売のコストが上昇せざるを得ない環境にあることだ。こうした原価上昇圧力がどのような形となって現れるのかは分からないが、特に資金力が高くはなく土地も持っていない一次取得者層にとっては、金利上昇とあわせてのダブルパンチとなる可能性も否定できない。
 金利上昇を取り囲む経済環境の変化は、住宅需要者に低金利時代の最後の決断を迫っているのかもしれない。
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