単に決められた言葉しか話さず、センサーで反応するだけでコミュニケーション相手と呼べるのか――。
ロボットの技術開発はものすごいスピードで進んでおり、セラピーの場で活用されるまでになっているのである。
ビジネスデザイン研究所の「イフボット」の大きな特徴は決められた言葉ではなく"相手の感情を理解しながら話す"ということ。人間の気持ちに合わせて、目の動きや口の形で喜怒哀楽を表現しながら、感情のあるコミュニケーションを行うのである。当初、小さな子供の相手を想定して発売したが、ふたを開けてみると個人購入者の大半が独居の高齢者だという。孤立しがちな生活のなかで、話し相手としてそばに置き、家族の一員として接している。
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感情のあるコミュニケーションができる「イフボット」(TEPIAにて) |
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| セラピー効果が注目を集める、アザラシ型の「パロ」(TEPIAにて) |
産業技術総合研究所の「パロ」は開発の目的そのものが人間のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目的としている。 アザラシをモデルとした見た目はぬいぐるみのようだが、そのセラピー効果は世界で認められ2002年には「もっともセラピー効果があるロボット」としてギネスの世界記録にも認証されている。
視覚、聴覚、触覚を司るセンサーが入り、触れられている場所や力具合を感じ、その刺激を理解するだけでなく、自ら「気分」を持ち、気分が良い・悪いといった鳴き声を出す。人間の言葉を話すわけではないが、何回か同じ名前を呼んでいるとそれに反応するようになり、なで方などの刺激も覚える。つまり、個々の持ち主のかかわり方が反映され「自分だけのパロ」を育てることができるというわけだ。
「パロ」の癒し効果はさまざまな場で実証されている。 長期入院の小児病棟で一日三回、子供たちにパロと遊んでもらうようにしたところ、表情の曇りがちな子供に笑顔が戻った。高齢者施設では別々の行動をとっていた高齢者(痴呆症の高齢者を含む)が、パロを中心に輪ができ、会話が生まれ、表情が変わる。 |