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ロボットが家族の一員になる?‐学習し、感情さえも持ち、外とコミュニケーションし始めた-
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 子供の頃に夢描いた未来社会はどのようなものだっただろう。空飛ぶ船やチューブ状の道路が走るハイテク都市、それともオートメーション化された生活だろうか。小説やアニメーションで描かれた、そんな未来の生活像に不可欠ともいえる存在がロボットである。ロボットは“未来”を象徴する一つのキーワードであったといっていい。
 そんなロボットがいよいよ身近になりつつある。二十世紀も残りわずかとなった1999年、ソニーがエンターテイメントロボット「アイボ」を発売、それまで危険な場所での作業や工場などでのみ使われていたロボットが私たちの生活に入ってきた。それから現在まで、こうした家庭用ロボットの開発が相次いでいる。今年に入っても、バンダイが「ドラえもん・ザ・ロボット」を1万9800円で発売、この11月にはビジネスデザイン研究所が「ハローキティロボ」を発売するなど、馴染みのあるキャラクターを活かしたロボットが登場、大きな話題となっている。
 こうしたロボットには先端技術を駆使してさまざまな機能が盛り込まれており、けっして単なる高いオモチャと言い切れるものではない。もしかするとロボットがこれからの住生活を大きく変えるかもしれないのである。
キャラクター型も登場し、より身近になった
こうした家庭用ロボットは"何が"できるのだろうか。 

先に紹介した「ハローキティロボ」は胸に超音波センサーを持ち、人が近づくと反応してそちらを向く。リボンがマイク、足がスピーカー、目がCCDカメラといういでたちで、音声を認識し、十人までなら顔を見分けることもできる。2万パターンの会話が組み込まれ、話しかけた内容にあわせて会話をし、会話履歴に応じて話し方が変化するという能力も持つ。

対話型エンターテイメントロボットと呼ばれる「ドラえもん・ザ・ロボット」は約750の言葉を話し、ユーザーとコミュニケーションをとることができる。また、頭や尻尾、手などに十数種類のセンサーを持ち、直接触れ合うことでコミュニケーションを深められる。例えば、光の明暗によって頭をなでられたことを判断する光センサー、人が目の前を通ったことを感知する人感知センサー、大きな音に反応する音センサーなどだ。 

「アイボ」がヒットして以降、ロボットというよりもオモチャと呼べるようなものも含めて「ペット型ロボット」が相次いで発売されてきているが、これらは人とペットとの関係をロボットに置き換えたということもできよう。例えそれが擬似的であっても、飼い主を認識し、コミュニケーションがとれる存在としてロボットが注目を集めている。
ギネスに認められたセラピー効果も
 単に決められた言葉しか話さず、センサーで反応するだけでコミュニケーション相手と呼べるのか――。
ロボットの技術開発はものすごいスピードで進んでおり、セラピーの場で活用されるまでになっているのである。

ビジネスデザイン研究所の「イフボット」の大きな特徴は決められた言葉ではなく"相手の感情を理解しながら話す"ということ。人間の気持ちに合わせて、目の動きや口の形で喜怒哀楽を表現しながら、感情のあるコミュニケーションを行うのである。当初、小さな子供の相手を想定して発売したが、ふたを開けてみると個人購入者の大半が独居の高齢者だという。孤立しがちな生活のなかで、話し相手としてそばに置き、家族の一員として接している。 
感情のあるコミュニケーションができる「イフボット」(TEPIAにて)
セラピー効果が注目を集める、アザラシ型の「パロ」(TEPIAにて)
産業技術総合研究所の「パロ」は開発の目的そのものが人間のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目的としている。 アザラシをモデルとした見た目はぬいぐるみのようだが、そのセラピー効果は世界で認められ2002年には「もっともセラピー効果があるロボット」としてギネスの世界記録にも認証されている。
視覚、聴覚、触覚を司るセンサーが入り、触れられている場所や力具合を感じ、その刺激を理解するだけでなく、自ら「気分」を持ち、気分が良い・悪いといった鳴き声を出す。人間の言葉を話すわけではないが、何回か同じ名前を呼んでいるとそれに反応するようになり、なで方などの刺激も覚える。つまり、個々の持ち主のかかわり方が反映され「自分だけのパロ」を育てることができるというわけだ。

「パロ」の癒し効果はさまざまな場で実証されている。 長期入院の小児病棟で一日三回、子供たちにパロと遊んでもらうようにしたところ、表情の曇りがちな子供に笑顔が戻った。高齢者施設では別々の行動をとっていた高齢者(痴呆症の高齢者を含む)が、パロを中心に輪ができ、会話が生まれ、表情が変わる。
ロボットが住生活を変える?
こうしたロボットの開発は日進月歩。
例えば、「パロ」でも目にカメラを内蔵する実験も行っている。帰宅した家族を認識する、さらには侵入者を判別するといった役割も果たすようになるわけだ。
「イフボット」ではセキュリティや遠隔医療といった付加価値もくわえようと実験を続けている。 エンターテイメント、コミュニケーション、セラピー、セキュリティ、見守りなど、ロボットの持つ可能性は無限といっていい。

かつてマイコンやパソコンが登場したとき、「一家に一台」と謳われたが、今ではもはや当たり前になった。それと同じように「一家に一台のロボット」という日が訪れるのも遠くはないのかもしれない。そしてロボットが家族の一員となり、生活を大きく変えることも十分にありえるだろう。

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