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住宅の火災で年間1000人が死亡 火災警報器の設置義務化の動きが加速
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 平成14年、住宅火災による死者数が昭和61年以降として最悪の数字を記録した。その数992人(前年度比7.5%増)と1000人に迫る勢いである。
すべての建物火災3万282件のうち住宅火災は1万7274件と6割近くに及ぶが、死者の割合をみると建物火災による死者1129人に占める住宅火災による死者は9割近くを占める計算となる。
火災による死者の7割が逃げ遅れ
 死亡に至った理由はさまざまだが、その多くが何らかの理由による「逃げ遅れ」であることが注目できる。992人中687人と約7割を占めているのだ。
具体的な「逃げ遅れ」の原因は――
1). 発見が遅れ逃げ道がなかった
2). 逃げ切れなかった
3). 判断力、体力的条件が悪く避難できなかった
4). 逃げる機会を失った
5). 延焼拡大が早く避難できなかった

――といったもの。つまり、火事に早めに気づけば、多くの場合は亡くならずにすんだのではないかということが考えられよう。
 住宅火災による死者数で、もう一つ注目されるのが高齢者の割合が高いことだ。年齢別にみると65歳以上の高齢者の死者が525人と全体の5割強を占めている。さらに65歳以上の死者のうち「逃げ遅れ」とみられるものは362人であり、「逃げ遅れ」による死者の約半数もの割合になっている。一般的に高齢者は若い人に比べて身体的なハンディキャップをもつケースが多いと考えられ、「逃げ遅れ」による死亡事故につながる可能性が高いと考えられる。

◆死に至った経過別死者数
 平成14年中の住宅火災による死者992人

死に至った経過 死者数
発見が遅れ気づいたときには火煙が周り既に逃げ道がなかったものと思われるもの 241
判断力に欠けあるいは体力的条件が悪くほとんど避難できなかったと思われるもの 140
延焼拡大が速かった等のためほとんど避難ができなかったと思われるもの 19
逃げれば逃げられたが逃げる機会を失ったと思われるもの 94
避難行動を起こしているが逃げ切れなかったと思われるもの 193
一旦屋外へ避難後再侵入したと思われるもの。出火時屋外にいて出火後侵入したと思われるもの 20
着衣着火により死亡したと思われるもの 67
その他 17
調査中 201
「消防白書」より
警報器の設置が義務づけられる

 火事に早めに気づくことで「逃げ遅れ」ることを回避できれば、火事による死亡という最悪のケースも大きく減るかもしれない。特に、今後、高齢者の割合が高まってくることを考えれば、その可能制は高いといえるだろう。
 そこで今、火災警報器があらためてクローズアップされてきている。
 さる5月に国会で改正消防法が成立した。ここで決まったことは、一言で言えば新築、既存を問わず住宅に火災報知器の設置が義務付けられるということであり、2006年度中の施行が目指されている。これまでの法律では、寄宿舎や下宿、共同住宅に対して「自動火災報知設備」の設置を義務付けていたが、戸建住宅は対象でないうえに、共同住宅についても延べ面積が500m2以上といった条件がつけられていた。一戸建て住宅、さらには小規模なアパートにも対象が広がるということで、特に新築については施行日から設置が義務化される(既存の住宅は市町村条例で適用が延期できる)。

◆住宅用の火災報知器

 こうした動きに一歩先んじたのが東京都。今年3月31日に火災予防条例の一部を改正し、一般住宅に住宅用火災警報器の設置を義務付けた。施行日の今年10月1日以降は、住宅を新築または改築するときには火災警報器を、各居室、台所及び階段に設置しなくてはならない。


2万〜4万円の負担増に?
 住宅用火災警報器は、配線工事が不要のものや、配線工事を行って出火場所以外にも火災を知らせるタイプなどがある。それぞれ65℃前後の温度で警報を発する「熱式火災警報器」や、50cm程度離れたところからタバコの煙を吹きかけると警報を発する「煙式火災警報器」などがある。
 新しい制度がスタートすることで、戸建であれ、マンションであれ、マイホームを持つ人にはこれまでかかってこなかった「火災警報器」の費用負担が求められることになる。警報器1つ当たりの値段は概ね5000円から1万円程度。住宅の大きさや間取りなどによっても異なるが、一般の2階建て住宅では3〜5個の警報機器設置が予想される。
米では警報器設置で死者が半減
 それでは火災警報器の設置でどの程度の効果があるのだろう。東京消防庁によると住宅火災100件当たりの死者発生数は、警報器が作動した場合が1.4人、そのほかの場合は4.5件と約3分の1に低下するという。また、1970年代後半から個人住宅への火災警報器設置を義務付けたアメリカでは、年間死亡者数が約6000人から約3000人に半減したというデータもある。
その設置によって生死が分かれるのであれば決して高い買い物ではないと思われるが、いかがだろうか。
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