わが家の土地、どう活かすべき?失敗しないための土地活用10カ条

監修:鹿谷哲也 (しかたに てつや)(株)鹿谷総合研究所 代表取締役 公認会計士鹿谷会計事務所 所長 公認会計士・税理

【土地活用コラム】CHECK 08 [建築について] 何か一つは明確に差別化できる物件にすること

■	計画は最終段階へ!具体的な「プランニング」を考えよう。

土地活用の目的、立地と土地の特性を考慮した結果、「アパート経営」がベストだという結論が出たら、次はいよいよどのような物件にするかを考えるステップ。ここで重要なのは、“something special”———つまり“何か特徴のある”物件づくりを心がけるということです。

昔のようにアパートの供給数が少なかった時代は、物件の差別化を意識する必要はありませんでした。高度成長期には地方から都市部に若者がどんどん押し寄せたことで物件そのものが不足し、築年数、設備、外観などに関わらずアパートオーナーは簡単に入居者を得ることができました。一方、物件の数が激増した現代では供給が需要を大きく上回っており、満室をキープするのは容易ではありません。実際、インターネットの物件検索サイトを見ると膨大な数の物件が表示されており、その中から入居者にいかに「選ばれる」建物にするかということが、安定経営のキーとなるのです。

入居者に「選ばれる」建物にするために大切なのは、他物件との差別化ポイントをはっきりさせておくこと。入居者が積極的に「ここに住みたい!」と思える魅力を持たせることが大切なのです。今回のコラムでは、差別化する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

■選ばれる物件の条件は、市場ニーズに合っていること、特徴があること。

入居者に選ばれる物件にするためには、どのような特徴や魅力を持たせたらよいのでしょうか。ヒントは、「市場のニーズ」にあります。もし活用したい土地の近くに大学や専門学校があれば一人暮らしの学生向けに1K、郊外の閑静なエリアなら2LDK以上のファミリータイプ……といったように、市場のニーズに合わせて建築計画を立てるのです。大手の不動産物件情報サイトなどには、該当するエリアでどのような広さ・間取り・設備の物件のニーズが高いのかをリサーチできるものもあり、計画の参考にすることができます。

■「東京都大田区」で検索した場合の例 HOME’S調べ:「見える!賃貸経営」ページより

その他にも、近隣の不動産会社に聞いてみたり、アパート経営のパートナーとなる管理会社による市場リサーチ結果も参考にしたりと、複合的な視点で検討することをおすすめします。

ニーズを把握したら、次は「どのような特徴を持たせるか」を考えましょう。物件検索サイトに表示されるたくさんの物件の中に埋没してしまわないように、他にはない差別化ポイントを持たせるのです。例えば学生向けの1Kであればセキュリティ設備を充実させる、ファミリータイプなら収納を多めに設けるなど、ニーズに合わせた特色ある設備・仕様を採用することで物件の価値が上がり、入居者が見つかりやすくなるはずです。

■お金をかけずに「差別化する」方法とは?

仕様や設備などに特色を持たせようとすれば、それ相応のコストがかかります。費用をかけすぎてしまうと、その分のコストを回収するために家賃設定を高くせざるを得なくなり、結果的に入居者獲得が難しくなる事態も考えられます。そこで、コストをかけずとも賢く差別化できる方法をいくつかご紹介しましょう。

1)	デザインに特徴的な「ワンポイント」をプラスする。

例えばリビング壁紙を一面だけ濃い色を選びスタイリッシュな雰囲気にする、エントランスのガラスを一部ステンドグラス風にするなど、フロアごとに玄関ドアや外壁の色を変えるなど、デザイン面でのひと工夫を加えるのがおすすめです。特徴的なデザインにすることで、インターネットの物件検索サイト上でも目に留まりやすくなります。押入れやクロゼットの中など普段あまり目につかない部分をあえて派手な壁紙にしておくのも効果的。内覧時に印象に残りやすいというメリットがあります。

2)	季節ごとに楽しめる「花とグリーン」をプラスする。

門扉から建物までのアプローチ、中庭、駐輪場や駐車場の片隅などに、季節ごとに楽しめる草花を植えることも「選ばれる」物件にするために効果的な方法です。外観の美しさで差別化を図れることはもちろん、常にきちんと管理されている安心感や、セキュリティへの意識の高さを入居者に与えることができるのです。

3)	入居者の「カスタマイズ」を許可する。

一般的に、賃貸住宅では入居者に原状回復に関する条項が設定されているケースが多く、その場合は住まいを入居当時の状態に戻してから退去する必要があります。そのため、ライフスタイルに合わせて大規模な改修を行うことができないという不自由さがあります。そのルールをあえて廃し、「入居者が(退去時の原状回復を気にせず)自由に手を加えることができる」という住まいもまた、大きな差別化ポイントになるでしょう。例えば音楽好きの入居者が防音ルームを設置する、料理好きの入居者がキッチン収納を充実させるなど、さまざまな楽しみを住まいにプラスすることができます。入居者自身が手間とコストをかけた住まいは、必然的に入居期間も長くなる傾向にあります。退去後も大きな特徴を持った物件になることで、入居者を探しやすくなるというメリットも考えられます。

■入居者を“探す”より、入居を“継続してもらう”ことを重視しよう。

入居者を“探す”よりも、“継続して住んでもらう”ことの方が、実は安定経営のためにはより重要です。なぜなら、新規の入居者を見つけるコストをかけることなく、継続して安定した収益を得ることができるからです。

新築であることや真新しい設備であることだけを差別化ポイントとしている物件は、必ず経年劣化によって価値が下がります。だからこそ「長く住み続けたい」と入居者に思ってもらえるような特徴を建物に持たせることを心がけましょう。住まいに愛着を感じられる、毎日の暮らしに安心感を持てる、コミュニティのつながりが感じられるなど、入居者に「このアパートが好き!」と思ってもらえるような素敵な“ひと工夫”のある、付加価値を持つ物件を計画したいものです。

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■CASE STUDY

「手をかける」ことが、未来の物件価値を左右する!?

アメリカでは、住宅の耐用年数は27.5年と定められており、新築物件・中古物件がどちらも同じ年数に設定されています。実際、築後何十年も経ったアパートにもかかわらず、年を経るごとに売却額が高額になるケースもしばしば。一方日本では、例えば新築の木造住宅の耐用年数が22年、耐用年数を過ぎた木造の中古住宅はたった4年。新築物件と中古物件の価値には雲泥の差があるのが特徴です。昔から地震や台風などの自然災害に見舞われるたびに住まいを新しくしてきた文化が、その背景にあるのでしょう。

しかし現代では、建築技術の向上によって住まいの性能を長期間維持できるようになりました。アパート建築においても同様で、建物自体の耐久性や住性能が長期間維持できるようになったため、今後は“新築”であること以外に価値を持たせる必要が出てくるでしょう。

永くその価値を保つためには、「いかに手をかけ続けるか」が重要なポイント。収益のバランスと市場のニーズをしっかり把握し、リフォームなど賢く手をかけ続けることも、アパートオーナーにとって今後のやりがいになるのではないでしょうか。

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