わが家の土地、どう活かすべき?失敗しないための土地活用10カ条

監修:鹿谷哲也 (しかたに てつや)(株)鹿谷総合研究所 代表取締役 公認会計士鹿谷会計事務所 所長 公認会計士・税理

【土地活用コラム】CHECK05 [相続について]遺産分割を考慮した上で計画を進めること

■「相続しやすい土地活用」を考えることも、大切なポイントに。

アパート経営を成功させるために不可欠な、綿密な「事前計画」。これまでのコラムでは主に、“収支”を中心とした資金計画について触れてきましたが、もう一つ考えておきたいポイントがあります。それが“相続”です。一時的な収益に終わらず、長年にわたって安定した収入源となり続けてくれるアパート経営。しかしその経営期間の長さから、世代を超えて継承していくための方法を考えることが欠かせません。土地という資産をスムーズに相続していけるように、土地活用の計画段階からじっくりと考えておくことが重要なのです。

とはいえ、土地の広さ・形・立地等によって最適な相続の方法は異なり、それによって活用方法にも多様なパターンが考えられます。では、どのようなケースで、どのような土地活用が考えられるのでしょうか。いくつかの事例をもとに考えてみましょう。

■ケーススタディから読み解く、「相続しやすい」計画の立て方。

子が一人だけで他に相続人がいない場合は、資産を分割することなく継承できるため、相続はいたってシンプルです。しかし相続人が二人以上いる場合、土地やアパートを含め、いかに資産を公平に分割して相続するかが問題になります。複数の相続人がいる場合、どのように土地活用の計画を立てるべきなのでしょうか。土地面積の規模別に、よく見られる相続の方法と、その相続に適した土地活用計画についてご紹介します。

ケース1:大規模な土地の場合
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相続の方法は?

代々が大地主の場合には、土地が分散しないように特定の一人の後継者が相続していくケースが多いようです。こうした考え方は戦前のように家督相続が一般的な時代ならともかく、“平等を旨とする”現在の民法下では他の相続人が納得しないのではないかと思われがちですが、現実はそうでもありません。ただし、こうした場合、後継者以外の相続人には少なくとも自宅敷地だけは分け与えるのが一般的です。

土地については特定の後継者がほとんどを相続する一方、土地以外の財産については他の相続人が相続するケースが多いようです。この点は戦前の家督相続の時代とは異なるポイントだと言えるでしょう。では、土地以外にさしたる財産が無い場合にはどうすればいいのでしょうか?そのような場合には後継者を受取人とした生命保険に加入し、その保険金を他の相続人に「代償分割」として渡すという方法があります。こうした対策をきちんとしておくことが、相続のトラブル=“争続”を未然に防ぐことに繋がります。

土地活用計画の進め方は?

大規模な土地を所有している場合には、ほとんどの土地を一人の後継者が相続するため土地活用を考える上でプラスに作用します。他の相続人に渡す自宅敷地以外についてはそれぞれの土地に最も適した活用方法を検討できるからです。例えば、相続する土地が一体としてまとまっているのであればアパート経営や貸家などを行い、“街づくり”という観点で土地活用を行うこともできるでしょう。

ケース2:中規模な土地の場合
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相続の方法は?

より一般的な200~1000m²ほどの土地の場合はどうでしょうか?比較的都心にある土地の場合、この規模の土地であれば資産価値も高く、土地活用を図る上でも十分な広さだと言えるでしょう。中規模の土地を所有している方は、その土地内に戸建ての自宅も所有している場合も多く、それも考慮して遺産分割を検討する必要があります。こうしたケースでは、代々の土地を残していかなければならないという使命よりも、相続人間でできるだけ公平に分けることのほうを優先すべきでしょう。

なお、被相続人の自宅については誰が相続するかによって税負担がかなり違ってくるため、生前に税理士と相談しておくことがオススメです。ケースによっては子ではなく孫が相続したほうが有利になることもあるのです。

土地活用計画の進め方は?

上述したように中規模の土地を所有しているケースでは、原則として土地についてはできるだけ公平に分けることを前提に、土地活用プランを考えるべきでしょう。相続で取得した土地については売却して一時金を得たいと考える人、アパート等を建てて長期に亘って安定収入を得たいと考えている人、それぞれの考え方があるでしょう。いずれにしても相続人が複数いる場合にはできるだけ各人の考えを聞き入れた上で実行したいものです。

なお、何らかの理由で土地の所在地と相続人の住所地がかなり離れている場合には、全体の土地を共有で取得するケースもあります。わざわざ土地を細分化して活用の幅を狭めるよりも土地全体で有効活用する方が、メリットが大きいことが多いからです。

ケース3:小規模な土地の場合
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相続の方法は?

最後は自宅以外に200m²以下の小規模な土地を所有しているケースです。小規模とはいえ、立地によっては高い資産価値を持つケースも多いのではないでしょうか。とはいえ、土地活用を考える場合にはその方法がかなり限定されることはぜひ覚えておきましょう。考えられる方法としては、例えば一人が土地を相続して他の相続人にはそれ以外の財産を渡す、アパートではなく人数分の戸建て貸家を建てる、土地を売却して得た収入を分けるという方法などが考えられます。また最近では、売却で得た収入をそのまま分配するのではなく、その資金で購入した区分所有マンションを各人に渡すケースも増えてきました。相続税の節税を図りながら遺産分割の準備も同時にできる賢い方法だと言えるでしょう。

土地活用計画の進め方は?

その土地に合った規模のアパート等を建てて経営したり、土地の形状や立地によっては人数分の戸建て貸家を建てたりといった方法が考えられます。ちなみに戸建て貸家は需要に比較して供給が不足気味であり、賃貸物件として経営しやすいと言えるでしょう。また金融資産が必要になった時に一般の投資家だけでなく入居中の人に売却しやすいというメリットも。戸建て貸家は「当面の安定収入」と「将来の売却収入」という2つのメリットを両立できる方法だと言えるでしょう。

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■CASE STUDY

借入金残高が多い状態で、相続発生。相続税を低く抑えられるタイミングを活用した賢い相続のカタチとは?

5,000m²ほどの広大な土地を所有されていた父親が亡くなり、相続が発生。本来であれば少なくとも半分は母親が相続し、その後子供が相続するという流れになりますが、このケースではほとんどの財産を子供が相続することに。なぜなら相続が発生した時、土地活用に係る借入金残高が多く相続税がほとんどかからなかったからです。もし母親が多くの財産を相続すると、母親から子供への相続時には借入金がそれだけ減少するため、結果として年月を経るにつれて相続税が増えていくのです。つまり母親が長生きすればするほど相続税が増えていくということです。そこで、相続税が低く抑えられているうちに母親が必要とする最小限の財産以外は子供が相続し、母親の生活については子供が全面的にサポートする、という方法がとられました。こうしたことができるのも、ご家族の皆様が日頃から仲の良い関係を続けられて来られたからです。

借入金が付きものの不動産経営をされる場合には、その時々の借入金残高によって相続税が大幅に違ってきます。そのため、長期的観点から家族にとって最適な相続の方法を検討するようにしましょう。

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