わが家の土地、どう活かすべき?失敗しないための土地活用10カ条

監修:鹿谷哲也 (しかたに てつや)(株)鹿谷総合研究所 代表取締役 公認会計士鹿谷会計事務所 所長 公認会計士・税理

【土地活用コラム】CHECK03 〔収益について〕事業・家計の収支イメージを理解すること

■ 建物の経年劣化は、資金計画に大きく影響する。

人間と同じように、建物も月日の経過とともに年をとります。外壁が汚れてきたり、階段やバルコニーなどの鉄部が錆びたりと、表面的な劣化が目立つようになります。

当然、経年変化によって建物の価値が下がれば、賃料収入にも悪影響を及ぼします。前回のコラムでご紹介した資金計画の立て方では、賃料収入は毎年0.9%ずつ下落することを想定していますが、もし適切なメンテナンスを行わず建物としての価値が大きく下がってしまうと入居率の悪化を招き、賃料収入が計画よりも減少する…という厳しい事態にも陥りかねません。

そこで必要となるのが、12~13年に一度、外壁補修・鉄部塗装・給排水管交換などを行う「大規模修繕」。分譲マンションの場合は区分所有者が積み立てた資金で大規模修繕を行いますが、賃貸アパートの場合はオーナーが大規模修繕にかかる費用をすべて負担しなければなりません。建物の規模や種類によって費用の規模は異なりますが、まとまった資金が必要となるため、銀行からの借り入れで資金を調達するケースが多いのが実情です。修繕が必要になってきたけれど、返済の負担も大きい……といざという時に頭を悩ませることのないように、メンテナンス時期や費用の目安を建築会社にあらかじめ確認し、資金計画に組み込むなど、大規模修繕を想定しておくことが必要だと言えるでしょう。セキスイハイムなど大手建築会社では、建築後のメンテナンスプログラムがきちんと設定されているので安心です。

■大規模修繕費は「積み立て」で確保。賃料の何%が妥当?

多くのアパートオーナーが採用している「元利均等返済方式」のケースでは、年々利息の支払いが減少するとともに課税所得が増え、結果として手取り収入は減少します。当然、大規模修繕にかかる費用を、修繕を行うタイミングで捻出するのは難しくなるでしょう。そこでオススメしたいのが、月々の家賃収入の中から少しずつ積み立てておく方法。分譲マンションの場合だと修繕積立金は賃料の約5~6%。賃貸アパートの場合であれば賃料の約3~4%を積み立てておくと安心です。

賃貸アパートの大規模修繕にかかる費用の積み立てイメージ

このように、少しずつ積み立てていくことで、12年後にはある程度まとまった資金を用意しておくことができます。メンテナンスにかかる費用に満たなかったとしても、不足分だけの借り入れにすることで、返済の負担は大幅に軽減できるでしょう。

また、修繕積立金専用の口座を開設して積み立てるようにすれば、その他の経費(固定資産税・管理会社への支払い・火災保険料・仲介料・共用部分の光熱費など)による取り崩しの心配もありません。大切なのは、「少しでも」積み立てを続ける意識。賃料の3~4%が難しければ2%からでも構いません。アパート経営スタートと同時に習慣づけておきましょう。

■建物の価値向上+節税対策にも。

コストがかかるため、マイナスイメージを抱いてしまいがちな大規模修繕ですが、きちんと資金を確保して適切なタイミングで実施することで様々なメリットがあります。

◎	建物の価値の維持・向上

定期的にメンテナンスを行って美観を保つことで、入居者の住まいへの満足度が上がり、退居は減少。やむ得ない事情での退居時も、新たな入居者がよりスムーズに見つかるようになります。空室率を下げられるため、経年による賃料収入の減少を食い止めることができるでしょう。

◎	節税対策

大規模修繕費は一括経費として算入できる部分が多いため、節税対策としても効果的。まとまった経費を計上することで課税所得を一時的に減らすことができます。

◎	アパートオーナーのやりがい

建物をきちんと整備することで、アパート経営をより楽しめるようになるというメリットもあります。美しい建物を維持することで街づくりの一部を担う誇り、入居者の暮らしを快適なものにするサポートをする喜びなど、アパート経営のやりがいを再認識するよい機会になるでしょう。

手堅いアパート経営のために定期的に行いたい大規模修繕。資金については、月々少しずつ積み立てることで解決することができます。そうすれば、より“前向きに”建物のメンテナンスを楽しめるようになるはずです。

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■CASE STUDY

建築費と修繕費のバランスを考えよう。

どんな建物にも欠かすことのできない大規模修繕。しかし建物の設備や仕様によっては耐用年数が長くなり、メンテナンスコストを削減することも可能です。例えば外壁をタイルにすると、大規模修繕費の多くを占める「塗り替え」が不要になります。同様に、美観が長持ちする素材や、耐久性の高い部材・構造の建物を選ぶことで、長く安心してアパート経営を続けることが可能になるのです。

とはいえ、耐用年数の長いものを選ぶと、その分建築時のコストは膨らみます。建築時にそれだけの投資をすべきかを、資金や集客など様々な視点から検討することが必要でしょう。

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