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監修:紀平 正幸 (きひら まさゆき)東京FPコンサルティング株式会社代表取締役。ライフカウンセラー。個人のファイナンシャルプランニングをはじめ、テレビのコメンテーター、講演、執筆活動など幅広く活躍中。
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【土地活用コラム】第7回 “三世代”が幸せに暮らすための「代々設計」を学ぶ。~【実践編①】~

資金援助と近居で支え合う代々設計のカタチ

■子世代は「経済面」に、親世代は「健康面」に不安を抱えているという事実。

前回の「基本編」で触れたように、結婚、出産・育児、住宅購入、教育資金など、大型の出費に次々と直面する子世代は、預貯金の余裕がなく、常に経済面での大きな不安を抱えています。一方で親世代は、預貯金の余力があるとはいえ、病気・介護など健康面での不安を持っているという事実が浮かび上がりました。

異なる世代の異なる不安要素を相互扶助によってカバーし合い、心豊かに暮らすための「代々設計」。では具体的に、どのようなタイミングで、どのような助け合いを行えばよいのでしょうか。今回のコラムでは「実践編」として、効果的なハウツーについてご紹介します。

■親世代から子世代へ:贈与税の非課税措置の活用がオススメ。

子世代が抱える経済面での悩み。ポイントは、住宅購入と教育に関わる二大出費になります。これら二つの出費は、世帯の収入だけでまかなうには規模が大きい上に、ほぼ連続して発生することから、“やりくり”レベルでの資金調達がかなり難しいと言えるでしょう。ですから、住宅購入と教育という点にフォーカスして親世代が「生前贈与」という形で資金援助を行うことが、子世代の経済的負担を大きく軽減することにつながります。

通常、贈与する金額に対して課せられる贈与税は、同じ金額を相続した際に課せられる相続税よりも高い税率となっています。しかし少子高齢化が進む日本で、今後の経済を活性化することの重要性が叫ばれるようになり、その一つの策として国は相続税・贈与税の大幅改正を行いました。親世代の財産を生前に子世代へ移し、子世代の家庭経済を活性化させようという狙いです。その中でぜひ活用したい制度が「住宅取得資金贈与の特例措置」と「教育資金の一括贈与制度」です。

■住宅取得資金贈与の特例措置とは…
内容 親や祖父母から20歳以上の子・孫に対する住宅購入のための資金として贈与した資金の一定額までを非課税とする措置。 非課税枠は、省エネ性能や耐震性能などにおいて質の高い住宅と一般的な住宅で異なり、契約年や適用される消費税率に応じて決まります。2014年中は最高1,000万円まで非課税とされていましたが、2015年中の贈与であれば最高1,500万円までと非課税限度額が引き上げられました。(2016年以降、非課税限度額は変則的に大幅にアップダウンする予定)
適用条件 父母や祖父母などの直系尊属からの贈与であること。
贈与を受ける人が贈与を受ける年の1月1日において年齢が20歳以上であること
その年の所得金額の合計額が2,000万円以下であること。
期間 2019年6月末まで
■住宅取得資金贈与の特例措置とは…
内容 子や孫の教育費用として資金を一括贈与する際に、1,500万円までを非課税とする制度。幼稚園や学校等に直接支払われる入学金・授業料・施設設備費、学用品費、修学旅行費、学校給食費などのほか、学校以外の塾・習い事などに直接支払われる費用が該当します。(ただし幼稚園・学校以外に支払われる資金の場合、非課税枠は500万円まで)
適用条件 父母や祖父母などの直系尊属からの贈与であること。
贈与を受ける人が贈与を受ける時点で年齢が30歳未満であること
期間 2019年3月末まで

注意したいのが、住宅取得資金贈与の特例措置を一定の非課税枠で受けるためには、資金贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、住み始めなければならないという点。例えば2015年中の特例措置(1,500万円)を受けるためには2016年3月15日までに住居を取得して居住することが条件となります。建築期間に加え、現在の金利の低さを考えると、住宅取得資金贈与に関しては「善は急げ」と言ってもよいかもしれません。また教育資金については非常に用途が広く、贈与を受けた資金を幼稚園~大学までの長期間に渡って活用できるという特性を考えると、「この時期に使いたい」と贈与時期を特定して先延ばしにするのではなく、2019年の特例措置終了時期までにできるだけ早めに行うことをオススメします。つまり親世代から子世代への資金援助である生前贈与は、社会情勢や法制度の観点から見て“今”が好機だと言えるのではないでしょうか。

■子世代から親世代へ:病気・介護の不安を和らげる「近居」がキーに。

代々設計のベースである相互扶助の視点で考えると、次のポイントは親世代が抱える「病気・介護に対する不安」を子世代がどう解消するか、という点になります。住宅購入や教育のための資金を提供してもらった子世代が、親世代の健康面への不安に対して同じように資金という形で援助を行う、というのは現実的ではありません。そこで提案したいのが「近居」、つまり親世代の近くに子世代が居住するという方法です。

健康面での安心を求める親世代が必要としているのは、必ずしも介護・看護や看取りといったものではありません。たまに孫の顔を見る、ちょっとした買い物を手伝ってもらう、病院までの送り迎えをサポートしてもらう……そういった、近くに住む「何かあれば頼りになる存在」があることで、老後を迎える親世代の大きな安心につながります。60代以降の貯蓄額が20~50代の貯蓄額に比べて大きいのは、“家族を守る備え”のため。いざというときの安心が身近にあることで、“備え”として上乗せしていた貯蓄額を子世代への経済的援助に活用することもできるようになるでしょう。

経済面での安心を、精神的な安心で恩返しする———そのような相互扶助の形が、これからの高齢化社会でより効力を発揮するはずです。

資金援助と近居で支え合う代々設計のカタチ

■親子の“遠慮”が、賢い資金運用を阻む!?

世代を超えて助け合う代々設計がうまくいかない原因の一つに、世代間の“遠慮”や“思い違い”があります。しばしば見られるのが、親世代が「資金援助をしたいと思っているけれど、それによって子世代が同居や介護などの義務感を負ってしまうのではないか」と資金援助を躊躇してしまい、生前贈与を踏みとどまってしまうケース。しかし蓋を開けてみると、子世代は経済的な援助を必要としていることも多く、両者の思いのすれ違いが代々設計を阻んでいる構造になります。逆に資金援助を受けたい子世代が、「見返りとして同居や介護を求められると負担が大きい」という思いが先行してしまい、言い出せないケースも多く見られます。この場合も、親世代は介護や看護などを子世代に任せるつもりはないということが多く、それぞれの思いが共有できていないことが、代々設計の思わぬ落とし穴となりがちだと言えるでしょう。

そこで日常的に心がけたいのが、世代間の対話です。「将来はどうしたいのか」「どう計画しているのか」を家族会議ならぬ親子会議で共有しておくことが、双方にとっていちばんいい形の扶助につながるはずです。大切なのは、相互扶助の“見返り”を定義づけることではなく、相互扶助の背景にある“想い”を理解しあうこと。それこそが、理想の親子関係を築くことになり、心豊かに暮らすための第一歩となるのです。

———今回は実践編①として「資金提供と近居」という代々設計のあり方について触れましたが、土地を所有している場合は別の形での代々設計が可能になります。次回は「土地活用」をキーワードにもう一つの実践法を探ります。

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