大きな災害から家族を守るために不可欠なのは、何といっても日頃の備えです。どんなに優れたサバイバル術を身につけていても、それは揺れがおさまってからのことです。家具の固定や家の補強など、何もしていなかったとしたら、全てが手遅れになるかもしれません。特に直下型地震の激しい揺れでは、身体も自由には動きませんし、パニックに陥って的確な行動をとることも難しくなってしまいがちです。そんな時、十分な備えがあることは実質的なメリット以上に、心理的な安心感があります。対処術が生きてくるのはそれからあとの話です。まずは身の回りを整えましょう。先の阪神・淡路大震災が起こったとき、何もできなかったという人がほとんどでした。
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非常品袋というと一度準備したきりほったらかしで、押入の奥に放置されていませんか。それではせっかくの準備も意味がありません。 非常品袋はすぐに持ち出せるよう、出入口に近い場所に保管するのが正解。そして、中身が劣化していないか年に一度は点検しないと、 いざ開けてみるとガラクタばかりという事態になりかねません。避難生活は想像以上に大変なもの。不自由な状況で家族にガマンさせないためにも、便利で確かな物を用意しましょう。緊急避難のための第一次持ち出し品と、避難生活のための第二次持ち出し品にわけ、10キロ以下にすれば持ち運びもスムーズです。
震災直後は商店も被災しており、食料を手に入れるのが困難になります。そのためにも備蓄が重要なのですが、現代の日本ではおよそ3日後には救助活動が行われるため、最低3日分の非常食を備えておくのがいいでしょう。しかし、救助活動が必ずしもスムーズに行く保証はないので、できることなら少し多めにあれば安心です。非常食といえば、カンパンなど味気ない物を連想しますが、こういうときだからこそ栄養のあるものを用意。おいしい物は、心理的にも疲れを癒してくれます。食料の保存で必須なのは賞味期限の点検です。 調べるついでに、期限の切れそうなものがあれば試食会を開くなどすると楽しくチェックできます。
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地震の発生時刻や規模によって、家族がはぐれる場合や大きなケガをする可能性も考えられます。もしかすると、大きな手術や輸血といった医療処置が必要になるかもしれません。一刻を争う状況で、本人に意識がなければ、身元確認や血液型を調べるだけで貴重な時間を失います。疾病歴やアレルギーがわからなければ命さえも失うことになりかねません。そこで、ぜひ作ってほしいのが、「緊急用個人情報カード」です。自分だけでなく、家族全員で携帯しておけば心強い味方になってくれます。ただし、いつも携帯する個人情報ですから、紛失には十分に気をつけましょう。
突然の大地震後に、すぐに動けるかどうかが家族の生死を左右します。だから眠るときには懐中電灯やスリッパ、ラジオをはじめ、メガネ、ヘルメット、携帯電話も必ず手の届く枕元付近に置くよう習慣づけましょう。特に視野を確保するための懐中電灯やメガネは絶対になくてはならないアイテムです。普段コンタクトを使用している人もメガネは常備しておきましょう。また、外出時の被災に備えて、家族の写真や個人情報カード、筆記用具なども持ち歩くようにしておけば役立ちます。もしものために、便利なアイテムは常に身近に用意しておきましょう。
何よりも心配な家族の安否。地震は、家族全員が一緒の時に起こるとは限りません。そんな非常時のために、家族の行動をあらかじめ決めておく「防災家族会議」は欠かせません。外出中の被災や避難中に家族を見失った時にも、「連絡方法」や「集合場所」を決めておけば、はぐれる可能性も少なく安否の確認が早くできます。この時、近所の避難場所も確認を! 災害伝言板や171、ツイッターの使い方も確認しておいてください。ほかにも、消火担当、非常品持ち出し担当など、役割を決めておけばスムーズに行動できるでしょう。防災会議は意識を高めるためのものでもあります。心構えこそが、一番の防災活動なのです。
大きな災害では、救急隊でも被災地へすぐに向かうことはできません。阪神・淡路大震災では、家屋の下敷きになった人は約15万人といわれています。そのうち、自分で脱出できなかつた人は約3万5,000人。その77%にあたる約2万6,950人を救出したのは、家族や隣近所の住民でした。防災関係者が救ったのは約6,650人しかいなかったのです。淡路島のある地域では、隣のお年寄りが寝ている部屋まで知っていたとか。だからこそ素早い救出ができたのでしょう。避難生活を考えても助け合いはとても大事です。ライフラインが断たれたとき、頼れるのは心をつなぐハートラインです。
飲料水は1人1日1リットルあれば命はつなげますが、不安なく過ごすためには多めに用意したいもの。とりあえずは、夏場なら1人1日3リットル、冬場なら2リットルが目安です。保存は白色の水専用ポリタンクがよいでしょう。一目で灯油と区別ができ、洗浄も容易です。俗に言うカルキが入った水道水は、蒸留水や煮沸した水よりも長持ちしますし、多少の雑菌ならカルキが消毒してくれます。口元から溢れるくらい水を入れ、空気が入らないようキャップを開めたら冷暗所に保管。これで3カ月~1年は大丈夫です。また、ペットボトルのミネラルウォーターも、消費期限は欠かさずチェックするようにしてください。
災害時にいわれる5・5・5の法則というのがあります。これは、水があれば食べ物は5週間食べなくても生きられる。水は5日間飲まないと生きられない。呼吸は5分間止まると死ぬというもの。水は何よりの命綱。いつでも給水が受けられるよう、空の容器を用意しておくことも忘れないでください。
家族を救うために、応急手当ができる救急箱は当たり前ですが、地震では、のこぎりやバール、ハンマーなど、日曜大工に使う道具が救命に役立ちます。バールがあれば、歪んで開かなくなった扉をこじ開けて救出に向かうこともできます。救助隊をあてにできない災害直後、もし家族がガレキの下敷きになっていたら、一刻も早く救い出すために救出道具は有効なのです。また、日曜大工の道具だけでなく、クルマのジャッキなどがあればガレキを持ち上げ救出する際に役立ちます。救出道具はガレージや屋外の雨がかからない場所 用意しておくと、すぐに使えて便利です。
地震はいつ、どこで襲ってくるかわからず、家族が自宅で被災するとは限りません。外出先や職場で発生した場合、家族がバラバラになったり、家へ戻ることが困難になることもあります。家へ帰ることができない帰宅困難者にならないためには、職場にも自力で帰宅するための準備をしておくことが必要です。ロッカーには、スニーカーやラジオなど、最小限の防災アイテムを。あとは机にちょっとしたお菓子や飲み物があるといいでしょう。徒歩用の帰宅マップもあれば役立ちます。他県から人が集まる場所では、それぞれ状況が異なるために一括した対応が難しく、各個人の備えが求められます。
東京都にマグニチュード7.3クラスの直下型地震が平日昼12時に起きた場合、帰宅困難者は東京全体で約390万人、首都圏では約650万人にもなると想定されています。
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