“自分の家”に帰るのが夢でした
 「これまでの十数年、1年半ごとに転勤のある生活をしてきました。なかなか落ち着けませんでしたね」。こう語るご主人の職業は総合病院勤務の医師。何度も転勤を重ねた末、平成10年に現在お勤めの病院への勤務が決まり、栃木県佐野市で生活することになった。平成12年には同じ医師である奥さまと結婚し、ご主人がお住まいだった築30年ほどの古い社宅で暮らしはじめた。その後長女のしえなちゃんが誕生し、病院近くにある2LDKの賃貸アパートに移った。
 家をつくりたいと思ったのは「この場所に腰を据えたいと思えたからです」とご夫妻は振り返る。「職場」も「佐野」という場所も非常に環境が良く、娘の教育に最適であることに加え、両実家との中間に位置するこの場所で「しえなと一緒に落ち着いて暮らしたい」という想いから、住まいづくりを決心するに至ったそうだ。
 住まいづくりの第一歩は佐野住宅展示場へ足を運び、全メーカーの家を見て回ったこと。「セキスイハイムの家の玄関に入った瞬間に“これだ”と思いました。置いてある小物とかインテリアとか、モデルルームの空気感が感覚的に私にとてもマッチしたんです。どれか一つでも違ったらそうは思わなかったかも知れません。モデルルームを見て、直感的に『この家に住みたい!』と思ったんです」という奥さまの一言がすべてを表すように、セキスイハイムで家を建てることが最初に決定する。そこまでの決断はすぐだったが、土地探しには思いのほか時間がかかってしまったそう。土地は焦って決めず、周囲環境が良くてゆとりある南向きの土地をじっくり探したいという理由もあったが、最大の要因は「住居は病院より徒歩10分圏内であるべき」という花澤さんの自主ガイドラインがあったこと。ご夫婦ともに産婦人科の医師である花澤さんは、休日であろうと、必要なときはすぐ駆けつけられる、ということが念頭にあった。セキスイハイムの家を建てようと決心してから約1年が経過する。ご夫妻は数々の不動産屋から情報を得ていたが、なかなか決定にいたる土地に出会えないなか、決定打はまたもやセキスイハイムだった。ある日営業マンが笑顔で「今度こそ気に入っていただけそうな土地が見つかりましたよ」と案内したのが、現在の花澤邸が建つ場所だった。広さも十分な南側の間口が大きい土地、病院までは徒歩数分、さらに公園にも近いという花澤家の理想を満たす念願の土地が見つかり、2003年春にようやく具体的な家づくりがはじまった。

“シンプル”と“ゆとり”を追求
 「妻は相当住まいについて研究していましたね。そんなこともあり、妻の意見がこの家には多く反映されています」とご主人。奥さまがイメージしていたのは、光のたくさん入る、明るい“白い家”だったそう。「カワイイとか重厚感のある装飾を施すというのもいいけれど、それよりも3人で明るい光の中で生活したいと思いました」という奥さまの言葉通り、白いタイルを基調として、家のなかには光がふんだんに入る空間が続く。都内のワンルームマンションくらいはありそうな十分な広さのある玄関を通ると、正面にはモダンな印象のキッチン&ダイニング、右には光が燦々と降り注ぐ落ち着いたリビングが広がる。間仕切りのないダイニングとリビングは北側の庭に面し、リビングには南向きの窓から明るい光が入る。それらの居室部分と玄関部分を仕切るのは半透明のポリーカーボネート製の引き戸とガラスブロックの壁なので、家全体に光が通る。ご夫妻が気に入ったモデルルームの設計ではこの1階部分に吹き抜けがあったのだが、冬の寒さを考えカスタマイズ。吹き抜けを無くし、階段を玄関脇からカーブさせて南方面に登る設計にした。「アパート暮らしの頃には収納にほんとうに困ったので、収納はとにかくたくさん」という奥さまの要望で、階段下の空間がまるまる収納となった。
 花澤さん邸ではキッチンシステム、バス・トイレ空間のメーカーがそれぞれ異なる。これも奥さまが機能、デザインを研究してチョイスしたのだそう。セキスイハイムの担当者は「弊社の商品もすごく良いものです。でも実際にお使いになるお客さまが結局は選ぶもの」と、とことん相談にのったとか。想いを伝えあえたことで、キッチンに入れたシステムに合わせてセキスイハイム担当者がガラスのカウンターをデザインするなど、プラスアルファの効果も実現できた。
 他にも、家を囲む塀は無機質なブロックの間に小さいカラフルなガラスをアクセントに埋め込んで明るい印象を演出するなど、「たくさんのアイディアをもらいました」とご夫妻は笑顔を見せる。



家族の中心は“しえな”ちゃん
 ご夫妻がさまざまな想いを詰めた住まいを縦横無尽に駆けまわるのは、4歳になる「しえな」ちゃん。ご夫妻が新婚旅行で訪れたイタリアの街名に由来するその個性的な名には不思議な縁があり、庭先のテラスに敷かれるタイルも「シエナ」という名。「素材も気に入りましたが、名前だけでも即決でしたね」とご主人は微笑む。白いタイルの貼られる玄関横の階段をあがり、明るい光のさす2階に着くと、左にしえなちゃんの部屋がある。その部屋には自然素材でできた輸入おもちゃが多く置かれ「住まいにはシンプル・クールを求めましたが、しえなが触れて遊ぶ物は、木の温もりや色の暖かさを感じさせる物にしたい」というご両親のこだわりが感じられる。
 しえなちゃんの部屋から階段を挟んだ西側にはご夫妻の寝室があり、現在は3人でこの部屋で寝ている。そのベッドから外を眺めると、目の前にご主人が勤める病院の新しい建物が見える。「寝ながら職場が見えるのは嫌じゃないですか?」との問いにご主人はこう答えた。「職業柄、プライベートの時間がなかなかとれません。しかし、家が近くなったことで30分でも帰宅して娘と遊べる。これは本当に嬉しいです」。
 現在の住まいのダイニングから少し北を眺めると、ご夫妻が以前住んでいた古いアパートが見える。「入居して1年が経過しましたが、本当に今の家で暮らせて良かったと思います」。多くの人たちの命を紡ぐお仕事をされるご夫妻。しえなちゃんを中心とした明るいオアシスが、今後も活力になっていくのでしょう。