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太陽光発電システム採用者の意識と行動について

2011年4月6日
株式会社住環境研究所

積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:高下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治、千代田区神田須田町1-1)は、このほど「太陽光発電(以下PV)採用者の意識調査(2010)」を実施しました。

2009年にセキスイハイムに入居されたお客様を対象に、「PV採用前後の意識と行動」などを調査したものです。2010年調査のポイントは、PV余剰電力の買取価格引き上げ(以下 新買取制度)によって光熱費収支は大幅なプラスとなり、また、省エネ実践度も高まったにもかかわらず、多くの人が「まだ節電・節約の余地はある」と考えていることです。更なる省エネを促す機能やサービスを求めていることが注目されます。
住宅各社はPV普及策を受けて、PV搭載商品を積極的にアピール、普及は加速度的に進みましたが、ハード、ソフトの両面での情報がまだ不足しており、節電・節約を促す機能やサービスが更に求められています。

■調査結果のポイント

1.新買取制度は入居後の満足度に効果

PV採用者が入居後に省エネ意識が高まるのはこれまでの調査でも明らかになっていますが、新買取制度の効果はPV採用後の満足度、光熱費削減で効果を発揮しています。

2.PV採用後に省エネ実践度は高まるが、「まだ節電の余地はある」と意欲的

注目したいのは節電状況自己評価です。「じゅうぶん節電・節約できている」と思っている人は11%、9割近くが「節電・節約の余地がある」と回答しており、節電・節約への意識の高さが伺えます。自己評価の高い人は「以前に比べて節電・節約に努めるようになった」「PV電力モニターの画面を常に意識して生活している」など積極的に取り組んでおり、年間光熱費は自己評価の低い人に比べて5万円以上も低額になっています。

3.節電向上に欲しいものは、現在の電力モニターにない機能・情報

節電機能・サービスへの要望としては「主要な家電ごとの電力消費量と換算料金」、「PV発電量が妥当かの定期診断」、「電力モニターのデータを自分のPCで見られる」「条件が類似した他の家庭との光熱費比較」など。これらは、節電状況自己評価が低い(節電の余地が「大いにある」)人ほど要望が高くなる傾向がみられ、節電を促す機能やサービスとして、電力消費の見える化や省エネ生活のアドバイスを期待していることがわかります。

■調査の概要

調査目的:PV採用による生活や意識面の効果の把握  
調査対象:セキスイハイムPV搭載入居者(2009年1~12月入居)
調査方法:調査依頼を郵送、ウェブで回答いただく方式
調査時期:2011年1月に案内書配布、2011年1月末までにウェブで回収
有効回答:1226件

■調査結果の概要

1.新買取制度は入居後の満足度に効果

新買取制度の影響度は、PV満足度や光熱費削減で効果を発揮しています。
PVを採用してよかった点を2009年の結果と比較すると「光熱費が削減できた」、「節電・省エネ意識が高まった」、「節電や深夜電力利用で生活にメリハリがついた」といった点についての評価が高くなっています。

2.PV採用後に省エネ実践度は高まるが、「まだ節電の余地はある」と意欲的

節電意識の変化をみると、前住居の生活に比べて「節電・節約に努めるようになった」(47%)、「やや節電・節約に努めるようになった」(39%)で、9割近くが節電意識は高まったとしています。


また、新買取制度開始前と後での節電意識の変化については、「節電・節約に努めるようになった」(17%)、「やや努めるようになった」(25%)で、42%に節電意識の向上が見られます。


注目は、節電に対する自己評価。
節電・節約に努めたが、「十分節電できている」は11%で「節電・節約の余地はあると思う」73%、「余地は大いにあると思う」が15%あり、約9割は節電・節約の余地はまだあると考えています。


節電状況自己評価で、「じゅうぶん節電・節約できている」とした人の年間光熱費収支は、平均73千円のプラス、「節電・節約の余地が大いにある」とした人は平均23千円のプラスで約5万円もの差が生じています。


節電状況自己評価が高い人は、「以前の生活に比べて節電・節約に努めるようになった」「PV電力モニターを常に意識した生活」の割合が高く、電力モニターを活用しながら積極的に省エネに取り組んでいることがわかります。

3.節電向上に欲しいものは、現在の電力モニターにない機能・情報

現在の電力モニターにない機能・情報で、欲しいものは「主要な家電ごとの電力消費量と換算料金」、「光熱費が自宅のパソコンで見られる」、「自宅の太陽光発電の発電量が妥当かどうか」といったアドバイス機能を挙げています。
また、節電状況自己評価別に見ると節電の余地が大きいと感じている層ほど要望が高い傾向があります。

電力消費の「見える化」と「生活面でのアドバイス」が最大の課題

2009年は太陽光発電システム(以下PV)の補助金が復活し、加えて余剰電力の新買取価格制度が導入されるなどPVの大きなターニングポイントの年でした。PVの普及元年とも言えるターニングポイントで、PV入居者がどう変ったのかに私は大きな興味を持っていたのですが、調査を終えて気付いたのは一段と高いレベルの、時代の一歩先を行く人が多かったということです。

このPV採用層調査では『PV採用前後の意識変化』を毎年聞いていますが、今回の調査で注目したいのは『PV採用後の電気の使い方に対する自己評価』です。PV採用前後の意識変化では、「以前に比べて節電に努めるようになった」が86%を占め、過去の調査で明らかになっている通り入居後に大きく省エネ型の生活にシフトしています。それにも関わらず、自己評価で「じゅうぶん節電できている」は、わずか11%で9割近くが「まだ節電の余地がある」としており、節電・節約に対して非常に意欲的だということができます。入居後、節電に努めるようになったからこそ見えてくる「省エネしづらい点」や「こんな機能やサービスがあればもっと省エネできるのに」といった更なる省エネに向けての要望があるのではないかと思わずにはいられませんでした。

この更なる省エネに向けての要望が、第2の注目点です。「PV電力モニターの表示画面を常に意識して生活している」は、「じゅうぶん節電できている」とした自己評価の高いグループでは40%、「節電の余地が大いにある」とした自己評価の低いグループでは22%と、自己評価の高いグループと低いグループで大きな差がありました。この差異こそが電力モニターが省エネ行動をサポートしている証だと私は思います。

現在の電力モニターには無い機能・サービスに対する要望を聞いたところ、多くの要望が寄せられました。「主要な家電ごとの電力消費量と換算料金」52%、「PV発電量が妥当かの定期診断」48%、以下、「電力モニターのデータを自分のPCで見られる」「条件が類似したほかの家庭との光熱費比較」が続いていますが、自己評価の低いグループほど電力モニターにない機能・サービスへの要望が高い傾向があることもわかりました。自身の省エネ行動を検証するための電力消費の可視化、また、他の家庭との相対比較を含む生活面でのアドバイスを求めています。電力消費量などをユーザーと共有し適切なアドバイスをしていくことが住宅供給側の課題になってきたといえます。

住環境研究所
所長 倉片恒治

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