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積水化学工業株式会社住宅カンパニー(プレジデント:高下貞二)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:倉片恒治)は、このほどアンケート調査「老後の理想の住まい」(2010)をまとめました。4年前の調査では、老後の理想の住まいは平屋派(41%)とマンション派(39%)が拮抗していましたが、今回の調査では、マンション派が32.5%に減少し、平屋派が46.9%に増加しました。
日本は今、少子高齢社会が急速に進んでおり、日本人の平均寿命は現在男性79歳、女性86歳。今後さらに延びると予測されており、定年退職後の新しいステージでの生活が20年以上もあります。老後の住まいをどうするのかは大きなテーマとなるということで、2006年の調査は団塊世代がまもなく定年退職を迎える時期を捉え、老後の住まいをどのように考え、どんな住宅を理想としているのかを探りました。住宅メーカーも老後の住まいとして平屋建てを商品開発するなど老後の住まい提案が活発化しましたが、4年を経過した2010年、老後の理想の住まいはどのように変わったのかを調査したものです。
老後の住まいにおける不安点は、「住まい全体の老朽化」が2006調査より16ポイントも増加しており、老後の住まい計画が遅れていることを示しています。
老後の理想の住まいは、4年前には平屋とマンションが拮抗していましたが、2010年調査では平屋が増加しています。また、平屋派は、77%が「リビングなどは広く、他はコンパクトでメリハリある間取り」を支持しています。
老後の暮らしの価値意識は、4年前に比べ堅実と快適を求める傾向に。リーマンショックなどの経済危機や年金不安などがより深刻になり、「家の維持管理が楽な暮らし」、「光熱費など生活上の経費がお得な暮らし」のこだわり層が増加。一方で「温度差のない快適な暮らし」は全体的に14ポイント上昇し、快適性を求める価値意識も増加しています。
調査目的: | 中・高齢層の住まいに関する意識と老後の暮らし方、理想の住まいについて |
対象: | 全国の55~69歳の男女 |
調査方法: | インターネット調査 |
調査時期: | 2010年8月 |
有効回答: | 639票 |
年齢: | 55~59歳 31.6%、60~64歳 34.1%、65~69歳 34.3% |
性別: | 男性 49.8%、女性 50.2% |
家族構成: | 1人住まい 16.3%、夫婦2人 38.2%、夫婦と子 30.8%、夫婦と親 4.7%、 |
夫婦と親と子 3%、夫婦と子と孫 3.6%、その他 3.7% | |
住居形態: | 持家戸建て 26.4%、持家マンション 26.4%、賃貸戸建て 29.6%、 |
賃貸マンション 6.1%、その他 11.4% | |
築年数: | 1~5年 8%、6~10年 11.3%、11~15年 10.3%、16~20年 13.1%、21~25年 12.2%、 |
26~30年 18.9%、31~35年 12.1%、36~40年6.6%、41年以上 7.5%。 | |
平均 24.3年。 |
(※06年調査と比較のため、年令を55-65才に絞って集計を行っています。)
老後の住まいにおける不安点は、「住まい全体の老朽化」63%が1位、2位「設備の老朽化」53%、3位「地震」34%、以下「バリアフリー仕様でない」33%、「維持管理にかかる経費」30%、「階段の上り下り」などが続いています。
2006年調査と比較すると増加が目立つのが、「住まい全体の老朽化」(16ポイント増)、「冬の寒さ」(10ポイント増)、「維持管理する手間」(9ポイント増)、「設備の老朽化」(8ポイント増)など。
居住形態別の不安項目は、持家戸建では「住まい全体の老朽化」「維持管理にかかる経費」「維持管理にする手間」が他の住居形態に比べてポイントが高くなっており、老朽化による維持管理が不安要素になっていることがわかります。また築年数の平均では、06年調査に比べ築年数が古い人が多く戸建では平均25年となっています。
老後の理想の住まいは、「平屋」46.9%、「マンション」32.5%、「1戸建て(2階建て以上)」18.9%の順。2006年調査と比較すると平屋は5.9ポイント、1戸建ても2.5ポイント上昇していますが、マンションは6.9ポイント減少し、平屋の人気が上昇しています。
平屋のメリットについては、「ワンフロアーで生活できる」66%が第1位、2位「階段の上下移動がない」64%、3位「庭が楽しめる」60%、4位「日当たりがよい」57%、5位「通風がよい」52%、6位「コンパクトで効率のよい間取りがつくれる」。
老後の理想の住まい別に見た間取り指向は、戸建て派(2階建て以上)は、家全体も大きく、それぞれの部屋も広くゆったりした間取りを支持していますが、平屋派とマンション派は、リビングなど広くとるが、他の部分は必要最小限にしたコンパクトでメリハリのある間取りを支持しています。
老後の理想の暮らしの第1位は「維持管理が楽な暮らし」、2位「光熱費などなど生活上の経費がお得な暮らし」、3位「健康に配慮し、いつまでも若々しく暮らす」の順。2006年調査の1位は「健康に配慮して、いつまでも若々しく暮らす」でしたが、2010年調査では、経済的な視点、快適な生活を重視するように変わってきたといえます。
2006年と比較してポイント差が著しく上昇した項目は「家の維持管理が楽な暮らし」、「光熱費など生活上の経費がお得な暮らし」、「室内温度差がなく快適な暮らし」など。
「家の維持管理が楽な暮らし」「光熱費がお得な暮らし」は、積極的にそうしたい層が増加し、こだわりたい方が増えたといえます。「室内温度差がなく快適な暮らし」は、06年に比べ全体が14ポイント増加し、価値意識が変化しているのが注目されます。