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「建替えの実態」について

2006年12月27日
株式会社住環境研究所
 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:東郷逸郎)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:白ア 明 千代田区神田須田町1-1)では、このほど「建替えの実態調査」を実施、1996年の「建替え実態調査」との比較も行ないましたのでご報告いたします。
□ 調査結果のポイント
≪10年前との比較≫
●建替える住まいの築年数が長期化し、 「老朽化改善」 のための建替えが増加
●<子供や親のため>の建替えから、<自分のため>の建替えに変化

≪年代別の特徴≫
●旧住宅に愛着の少ない40代女性、「自分の好みの家に住みたくて」建替え
●建物の老朽化で、必要に迫られて建替える50代。価格にシビア
●建替え適齢期とも言える60代、「老後、自分たちが楽しめる、安心できる住まいに建替え」
□ 調査概要
【調査目的】  建替えの「実態」と「住意識」の把握
 [主な分析軸] (1)1996年建替え調査との比較、(2)世帯主年齢別特徴
【調査方法】  インターネットによるサンプリング調査
【調査時期】  2006年8月31日〜9月6日実査
【調査対象】  全国の40代以上の男女1200名(5年以内建替え実施層600、建替え検討層600)
・建築時期は「01年以降」 ・検討層は、計画時期「いずれ」も対象

□ 調査結果
T.10年前との比較
1.旧住宅の建築時期

旧住宅の建築時期は、10年前と同じく「昭和40年代」が主

■旧住宅の建築時期
・建替える住宅の築年数が長期化。 旧住宅の「建物老朽化」 「設備老旧式化」不満が増加。
■建物の老朽化不満 ■設備の老朽化・旧式化不満

2.住宅の規模

10年前に比べ、<住まいを広くする><部屋数を増やす>建替えは減少
・旧住宅と新居の延床面積・部屋数の比較では、「減少」または「同じ」ケースが増えている。

■延床面積の増減 ■居室数の増減

3.建替え後の家族構成

「夫婦のみ」が増加し、家族は小規模化。特に60代以上で変化が大きい
・10年前に比べ「夫婦のみ」が増加し、「同居」が減少。家族は小規模化の傾向。
60代以上の建替えは、10年前「子世帯同居」が最も多かったのに対し現在「夫婦のみ」が最も多い。

■建替え後の家族構成 <60代以上の過去比較>
<40代の過去比較> <50代の過去比較>

4.建替え理由

<同居><子供のため>の建替えが減少、<老朽化改善><老後準備>の建替えが増加
・10年前との比較のために1996年調査と同じ、建替え理由8タイプを設問。10年前に比べ、「成長家族派」「結婚準備送り出し派」など<子供のための建替え>と、<同居の建替え>(「2世帯同居派」「2世帯準備派」「親介護派」の合計)が減少し、「老朽化改善派」「老後準備派」が増加。
「老朽化改善派」の増加は、旧住宅築年数の長期化による影響が大きいと思われる。

<経済理由&モデル>
■建替え理由(○ひとつ)
・特に、50代は「老朽化改善派」が急増。60代以上は「2世帯同居派」が激減し、「老朽化改善派」と「老後準備派」が中心に。
・3分の2は、「自分のため」に建替えた
誰のための建替えか

5.10年前との比較まとめ

建替える住まいの築年数が長期化し、 「老朽化改善」 のための建替えが増加
・景気の低迷などを背景に、住まいの建替え控えが長く続いた結果、住まいの築年数が長期化し、老朽化不満が増大していると思われる。

<子供や親のため>の建替えから、<自分のため>の建替えに変化
・『子供のため』『同居』『広さ確保』の建替えが減少、『老朽化改善』『老後準備』の建替えが増加。
また「自分のために建替えた」人が67%を占めるなど、<子供や親のため>の建替から、<自分のため>の建替へ変化しているようすが伺える。理由としては、同居の減少や旧住宅延床面積の増加などの傾向から、「子供」や「家族」のために建替えなければいけない人が減ってきていることが考えられる。

U.年代別の特徴
1.旧住宅

40代の旧住宅は「中古住宅」が半数、旧住宅の関与度が低く、愛着少ない

■旧住宅の取得方法(自分所有のみ)
・40代は、旧住宅が「中古購入」のケースが半数を占める(自分所有の場合のみ)。
・特に女性は、旧住宅への関与度合いが低く、40代女性では「愛着がなかった」が4割。
■旧住宅の自分関与度(注文住宅のみ) ■旧住宅への愛着の有無

2.建替え理由

<住性能・構造面改善>のために建替え。60代は<老後対応>も大きな理由
・「設備の古さ」「間取りの旧式化」「地震時等の安全性不安」など<住性能・構造面の改善>を理由に建替え。60代は他に「老後のからだの衰えをカバーできる家にしたい」といった<老後対応>も多い。また40代女性、60代男性では「自分の好みの家に住みたい」など<気分的改善>も上位理由。
・また、60代は老朽化不満など顕在理由がなくても建替える『潜在的建替え層』が比較的多い。

■建替え理由(一部) ■潜在的建替え層と顕在的建替え層
【顕在的建替え層】
顕在理由(耐震性、建物老朽化、設備旧式化、広さ)のうち、1つでも差し迫った不安や不満があった場合の建替

【潜在的建替え層】
上記顕在理由のうち、1つも差し迫った不安や不満がなかった場合の建替

3.建替えのタイミング

50代はライフイベントや年齢的タイミングに乏しい、時期尚早で先送り
・40代は「金利」「ローン年齢」、60代は「定年」「気力体力面での年齢」をタイミングに建替え。
50代は「住まいの補修や設備交換等の必要が生じて」が最も多く、他の年代に比べライフイベントや年齢的なタイミングに乏しい。

■建替えのタイミング(一部、○3つまで)
・検討層の具体的検討までの期間が長い理由は「資金の目途がつかない」「増改築なども検討したい」等。50代女性では「時期がまだ早い」「子供がはっきりしない」が多い。50代は時期尚早で建替えを先送りにしているようすが伺える。
■<建替え検討層>具体的検討までの期間が長い理由(具体的検討までの期間が3年以上の方のみ回答

4.建替え費用

50代は、予算・実際とも比較的低額層が多く、予算にもシビア
・50代の41%はローンなしの建替、2000万円以上のローンが2割弱と額も少ない。
40代は十分なローンが可能な時期、60代は退職金や老後の生活費の目途もつく頃だと思われるが、50代は先のこともまだわからず資金計画は最も難しい時期だと考えられる。

■建築費用
建物本体、照明・カーテン、造園・門扉等の費用
<予算>
■予算と実際費用の差
<実際>
■ローンの有無

5.年代別の特徴まとめ

旧住宅に愛着の少ない40代女性、「自分の好みの家に住みたくて」建替え
・現在40代の世代は、20代でバブル期を経験。建替え市場全体での40代ボリュームはそれほど大きくはないが、『自分のための消費』ができる世代として注目したい。

建物の老朽化で、必要に迫られて建替える50代。価格にシビア
・子供がまだはっきりしない、先のことはまだよくわからないなど、住まいを建替えるには時期尚早の感あり。建替え理由は<老朽化改善派>が特に多いなど『必要に迫られて建替えている』ようす。

建替え適齢期とも言える60代、「老後、自分たちが楽しめる、安心できる住まいに建替」
・60代以上は建替え市場の4割を占めるボリュームゾーン。子供も落ち着き、老後の資金の目途もつく頃か、老後の安心等を考慮し、顕在理由(耐震性・建物老朽化・設備旧式化・広さ不満)が なくても建替えるなど、まさに『建替え適齢期』。