人気インテリアスタイリストに聞く冬の家をおしゃれにあったか暮らす術

東京でインテリアスタイリストとして働く坂野まどかさん。アンティークの一点物や花を使った物語を感じる室内スタイリングを得意とします。そんな坂野さんに寒い冬を家の中で楽しく過ごすスタイリング方法を伺いました。住む人が心地よく、その人の人生が物語としてインテリアで表現された部屋のテーマは「帰りたくなる場所」。オシャレなだけではなく、機能的であたたかく過ごすことができるプロの技とは。

SPECIAL INTERVIEW インテリアスタイリスト 坂野まどか季節を楽しみ家を好きになるインテリアの魔法

坂野さんがたどってきたインテリアスタイリストとしての道。
その物語には日々の暮らしを楽しく豊に過ごすヒントが隠れていました。

インテリアスタイリストの楽しさは
コンセプトを表現できるコト

インテリアスタイリストという職業は、広告撮影や店舗・商業施設などでインテリアをスタイリングする仕事です。

それぞれのテーマやコンセプトに合わせて、什器を選んだり、壁にアートを飾ったり。イメージに近い気に入った物に出会えない場合はスタイリングのアイテムをDIYで作る事もあります。インテリアに関わるものであれば、何でも関係するとても幅広いお仕事かもしれません。

ポイントは、ブランドが持つコンセプトをインテリアによって表現することです。ただテイストが合うからというだけでなく、物には意味がありその意味を紐付けていくのが、仕事をする上で、もっとも大切にしている視点です。

時間を重ねた「オンリーワン」な物語がある
だからこそ人の暮らしにアンティークを取り入れる

私の得意とするスタイリングは「アンティーク」と「花」です。どんなものも最初は新品で、長い時間をかけてゆるやかにカタチを変えていきます。

そんな時間と暮らしが染み込んだアンティークには既製品にはない「時間」という物語が溶け込んでいます。私は、その物語がとても好きでスタイリングするときに必ず1つは取り入れるようにしています。

また花やドライフラワーもよく使います。どういう花を選んだかで、そこに住む人の想いや考え方といった内面が表れます。その内面こそオンリーワンな物語だったりします。

今回は、“あったかい冬の暮らし”をコンセプトとして、ドライフラワーなどを取り入れたインテリアの工夫をご紹介しますね。

WINTER IDEASあったかを暮らしにプラスする
今すぐできる簡単スタイリング術

寒い冬は家に籠もりがち。そこで、取り入れやすくプロも使うスタイリング術で家の中をあったか演出してみるのはいかがでしょうか?オシャレや季節感の見た目だけでなく、身体もぽかぽかあったかで暮らせると日々が優しい気持ちで過ごせます。ぜひ素敵な冬をあったかでお過ごし下さい。

壁のアートで簡単!
お部屋をがらりとイメージチェンジ

大きな模様替えはちょっと大変だったりしますが、家の壁にアートを飾るだけで雰囲気がガラリと変わります。家の中でどこか一箇所「アートの壁」と決め、季節毎に飾るものを変えることができます。冬のオススメはドライフラワー。一般的に乾燥した季節だと扱いやすくなるアイテムです。軽いので少量であればマスキングテープで貼るだけで飾ることができます。ただし直射日光があたるとテープの糊の成分が溶けて壁を汚してしまうのでご注意を。冬だけでなく、春は桜の絵、夏は海の写真、秋は海外の料理のポスター、という風に季節毎にテーマを決めて壁を飾ることで、楽しみながらアートを暮らしに取り入れつつ、家の中の変化を楽しめます。

木製アート ドライフラワーアート 鏡 (アクタス)

キャンドルやドライフラワーを飾って
あたたく感じる空間に

部屋の中をあたたかい温もりある空間にみせるスタイリングとして小物を取り入れるのもオススメです。手焼きの花瓶は作り手のハンドメイドの温もりがあるので1つ部屋に増えるだけでも空間があたたかく感じます。キャンドルや天然素材のモチーフもあたたかく感じます。ドライフラワーは綿の木や実がある枝はとくにオススメです。
ルームキャンドルは最近では火を使わないものも増えてきました。安全に使えるので暖色系の灯りの電池式のものもオススメです。とくに寝室や子ども部屋は安心できますね。

フラワーベース 電池式照明 キャンドル キャンドルホルダー (アクタス)

毛足の長いものやウールの素材に
ファブリックをチェンジして身体もあったかに

ソファなどくつろぐ場所のクッションやブランケット、ラグなどのファブリックをウールやニット、毛足の長いものに交換するだけで一気に部屋は冬仕様になります。ウールは防寒機能もあるので、コットンのカバーよりも保温力であたたかく過ごすことができます。
また読書や映画鑑賞が趣味の方は座っていることが多いので、厚手のウールブランケットをオススメします。膝や肩からかけることで保温力がアップします。大判のブランケットはお昼寝にも活躍します。モノクロを選ぶとオトナっぽい空間になり、カラフルなものを選ぶとPOPな部屋になります。色数が少ない方が部屋がまとまって見え上手にスタイリングできます。

ソファ クッション ウールブランケット 小さなラグ (アクタス)

いつものソファが冬を楽しむスペシャルな場所に大変身

家のリビングで存在感のある家具と言えばソファ。家の中心にある家具だからこそ、スタイリングを変えるだけで家の中の雰囲気ががらっと変わります。今回は夏のソファのスタイリングから冬のソファのスタイリングへのチェンジ方法をご紹介。

  • SUMMER

    夏のソファのスタイリングは爽やかな色やストライプ柄のクッションを選びます。触って心地よい麻の素材の物がオススメ。

  • WINTER

    冬のソファのスタイリングのポイントはブランケット。身体を包みあったかに。クッションは暖色系や茶系の色を選びます。

ソファ 照明 アート クッション ブランケット (アクタス)

スタイリングのポイントは色と素材を意識して、視覚的にも感覚的にもリラックスできる空間作りを目指している点です。たとえば変えやすいクッションやブランケットなど、ファブリック系(布など)から決めると迷いにくくなります。1つお気に入りの物をピックアップして、それに他の色を合わせていくと失敗しにくくなります。

見た目のあたたかさは暖色系や季節感のある柄を選びます。冬なので雪のモチーフやクリスマスシーズンはもみの木、海外のブランドだとトナカイや雪だるまなどもありました。毛足が長い物やニット素材は保温力もUP。

色や肌触りであたたかさを感じられ、実際に素材の特性で保温力もありワンポイントでハンドメイドのアイテムやドライフラワーを飾ることで、ソファ周りの空間がリラックスできる空間に変わって行きます。

また寒さが厳しくなる頃には小さなラグを敷くのも良いですね。座面があたたかくなると快適です。色味はクッションやソファに合わせます。アイボリーなどは取り入れやすいですね。ネイビーは締まりがでます。照明の電球も暖色系にすることで、長い夜も優しい光が部屋を包みこみます。

※ライトの色が白っぽく写っていますが暖色を使用しています。
  • 寒さから身体を守るウールラグ

    寒さから身体を守るウールラグ

    ベニワレン(アクタス)
  • 冬のあったかオススメアイテム 中がボアのルームシューズ

    中がボアのルームシューズ

    スリッパ (アクタス)
  • 家でも外でも使えるブランケット

    家でも外でも使えるブランケット

    ブランケット (アクタス)
  • ウール素材のファブリック

    ウール素材のファブリック

    クッション (アクタス)

今回は坂野まどかさんの元職場であるアクタス様のご協力で、スローハウス 天王洲で撮影をさせていただきました。ありがとうございました。

SLOW HOUSE 天王洲
SLOW HOUSE 天王洲

〒140-0002 東京都品川区東品川2-1-3http://www.slow-house.com/

倉庫を改装した広々とした店内には、いくつものディスプレイが並びます。眺めているだけでもスタイリングのヒントがいっぱい。オリジナリティあふれる製品も多いのがポイント。運河が近くを流れて気持ちよいお店です。

※ 掲載商品の詳細はスローハウス天王洲店へお問い合わせ下さい

手足がかじかむような寒い冬の日。せめてお家では、あたたかく心地よく過ごしたいもの。インテリアの工夫は、寒い日に「帰りたくなる」ようなお部屋作りには欠かせません。視覚的にも感覚的にもぬくもりを感じる空間にできたら楽しいですね。

あったかハイム